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堀江貴文さんと餃子屋さんのトラブルを中学の教師目線で解決してみた ー校内トラブル解決のポイント解説ー


著名人の方(堀江貴文さん)が飲食店とトラブルのような状態になっている記事を見かけたので、これをもとに生徒間トラブルのポイントを解説したいと思います。


1~2年目の教員に教えるつもりで書きます。

経緯を説明すると


3人で飲食店に来店

1人がマスク非着用

アルバイト「マスクつけてないと入店はお断りしている」

堀江氏「食べてるとき以外ずっと着けないとダメですか?」

バイト「うちはマスクしてないと入店できないんです」

同じセリフのループ

店主登場

「ホリエモンか?」(店主は「堀江さんか?」と言ったと証言)

「面倒くさいんで帰ってくれ」

結局食事せずに帰る

Facebookに堀江氏が経緯を書き込む(店名は伏せていたが、調べればわかる程度の伏せ方)



だいたいこんな感じです。
堀江さんをT君、店主さんをG君としておきます。


T君はマスク着用がどれくらいのレベルで厳しいのか確認をとりたかっただけなのにキレられて追い出されたことに憤慨


G君はマスクつけてって言ってるのにゴネるから帰らせた→Facebookにほぼわかる形で書き込まれて第三者から攻撃されたので憤慨


問題解決の時はそれぞれの生徒の話を個別に聞き取りし、話の大筋をつかみます。
このとき、どちらかの話に傾かないように事実を並べるのが大切です。お互いの主観は省きます。
上記のまとめ文はお互いのブログやTwitterからお互いが認めている事実を拾い上げたものです。
双方に聞き取りをした後は、この俯瞰で見た事実のみをお互いに確認します。「二人の話をまとめるとこんな感じだけど、間違いない?」
トラブルの概要がわかったら解決に向けてどう考えていくのか。
基本的にトラブルはすべて細かく細分化します。
全体の流れでとらえてしまうと、善悪の総量でどちらが悪いという判断をしがちです。
しかし基本的にお互い自分が正しいと思い込んでいますので、それを分解して解説してやる必要があります。
トラブルは一連の流れで起こりはするものの、基本的には一つ一つの問題はそれ以外の問題とは関係がないという前提で話を進めます。
一つずつ解決していくにあたって、お互いの証言の相違点は気になります。
しかし、基本的にはここにフォーカスしません。証明のしようがない事柄についてフォーカスしても絶対に解決しないからです。
今回の件でみるとT君とG君の証言で名前をどのように呼んだかというところに食い違いが見られます。
しかし、ここの問題はお互いが憤っている部分とはあまり関係がないので、幸いあまり注目しなくてもよさそうです。
あとT君の性質上、彼は賢い子なので「ここは残念ながら証明のしようがないんだけど、多分それはわかっていると思うから、それ以外の一致している事実で考えようか。」
のように話すと思われます。
1つずつを細分化していくとまずはバイト君が定型文でしか受け答えできなかったことに問題がありそうです。
T君にしてみれば「マスク着用は全然するけど、本当に飲み食いの時以外着けとかないといけないのか確認してから入りたかった。」ということだったのですが、
バイト君にしてみると着用していない一人にしか注目できていなくて、しかも何やら言われているものですから「マスク着用拒否されている」と思い込んでいるのでもう定型文で対応するしかありません。
これではT君は驚いてしまいます。T君も何とかわかってもらおうと話しますが、混乱したバイト君とは一向に話は前に進みません。

一方のG君は立場上自分の店のバイト君を守らなければなりませんし、トラブルになっていそうなのはわかってもその機微まではわかっていなかったでしょうから、「面倒くさいから帰ってくれ」と言ってしまったのかもしれません。
この部分だけ切り取ると、丁寧な確認をしなかったG君は反省すべき点がありそうです。
「どれくらい厳しいか聞きたかっただけみたいだよ。確かに看板を見ただけではそのことについてはわからなさそうだね。バイト君も緊張してうまく受け答えできていなかったみたいだね。G君はバイト君や他のお客さんを守りたい気持ちがあったとは思うけど、G君の声掛けの仕方だとT君がびっくりしてしまうのも無理はないよね。」
このような感じで、G君の責任を追及しない形でその時のT君の気持ちを理解してもらいます。
一方で結果として店名を晒すことになってしまったT君にも問題がないわけではありません。

(厳密にいうと大人の世界では店名を完全に明らかにして攻撃した人に非があるわけですから、T君に責任はないと言えるかもしれません。ただし名誉棄損に抵触する可能性もあるかもしれませんが、そこは専門家ではないので言及しません。仮に教室や学校で起こったことだとするのであれば、後のことを考えて解決しておいた方がいいと考えています。閉ざされた空間では関係を完全に断つことが物理的に不可能だからです。)


おそらくT君の主張では世の中にある同様の問題に楔を打ち込むためにFacebookに書き込んだのだとは思いますが、本当にそれだけが目的なのであればお店を特定できそうな情報は記す必要がありません。
何にせよ、特定できる形で第三者に負の情報を発信したことについては報復の気持ちがあったと捉えられても仕方がないといえます。
結果的に電話や口コミサイトでの嫌がらせが発生しているとG君は主張しています。
「Facebookにわかるように書いてしまったことはあまりよくなかったかもしれないね。陰口を言っていて本人に伝わってしまったという状態になっているよね。仮にG君に非があったとしても、それはそれとしてこのやり方は良いやり方ではないのは事実だよね。」
細分化することによって、「その部分だけ切り取ってみたらよくないことはしていた。」と認めやすくなります。
あとはお互いのこれから気をつけて行く点を一緒に確認しあって、必要に応じて謝罪などをするというところでしょうか。。
お互いに見ているものが違うことによって起こるすれ違いです。
ひとつずつの事象を切り分け、状況をうまく解説してやるのが、解決への近道かなと考えています。

何にせよみんなが納得した状態を目指したいですね。


今回は少しバズってしまったトラブルをもとに生徒間の問題解決の方法を考えましたが、あくまですでに公になっている情報を題材にさせていただいただけで、それ以上でもそれ以下でもありません。


大前提として、一教師の主観に基づくものです。

詳細は事実とは異なるかもしれませんし、ご本人様方とは何の関係もありませんのでその点はご了承ください。


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