クリエイティブ・ディレクターという仕事
日本初のグローバルクリエイティブスタジオ Whatever CO.の川村真司氏のお話を伺ったので、レポ形式でメモ。
主な作品
Case1. Music Video 「SOUR '日々の音色」
こちらは川村氏が2009年に制作したmusic videoで、ウェブカメラを使って世界の人々をつないでいる。
登場人物が徐々に増えていき、画面構成も時間とともに複雑になっていく。徐々に理解の難易度を上げていきつつも、驚きを絶やさない構成になっている。
Case2. ストップモーション時代劇『HIDARI』
木彫り人形のコマ捕り。
多くのプロフェッショナルと協業して制作。
クラウドファンディンを利用しているが、クラファンはお金集めよりも、コミュニティづくりの方がメリットになるとのこと。
Case3. 人形型骨伝導スピーカー「GAGADOLL」
レディー・ガガのアルバム発表とともに来日した際のプロモーション。
本人等身大の骨伝導スピーカーを作成。
面白いことをしよう!という熱意の元、日本の人形制作に熟練の腕を持つ企業とコラボして制作。
Case4. 自分自身と競争できるインタラクティブ陸上競技場「Nike Unlimited StadiumL」
この作品は実現性とアイディアを行ったり来たりしながら、Creative Lead、Tech Lead、その間を取り持つプロデューサー、という3機能を融合させてプロジェクトを推進。
クリエイティブ制作方法
制作マインド
川村氏のクリエイティブは3つの基本要素で構成されている。
1. シンプルなアイディア
2. ユニバーサルに理解できる物語
3. 体験したこと(見たこと)ない体験
とりわけアイディアにおいて、世界に向けて発信する時は、大きなHuman Truthを探す、つまりは誰もが共感できる共通する項目がポイントとなる。
その共感ポイントを軸にアイディアを広げていく。
せっかくクリエイティブを作るのであれば、今はオンラインで世界に発信できる時代だから、世界の人が見る可能性を考えて作ってみると面白い。
制作行動
アイディアを出すには、もちろん面白いものをたくさん観るというインプットは大事。そしてシンプルなことを面白く表現することを川村氏は心がけている。そのためにはたくさん作って、コレの何が面白いのか、と問いかけていく。つまりは、観る→創る→振り返る、を何度もやっている。
人の巻き込み方
川村氏のクリエイティブ・ディレクターという仕事は、チームのプロデューサー的なこともされている。1人では為しえないアイディアを、各専門分野の人たちとチームを作って実現していく。そのためには、アイディアをスケッチして、企画書を作って、新しいものであればプロトタイプを作って人を口説きに行く。
人を集め、チームを作るにはやっぱり何か「見えるもの」が必要だ。
キャリアについて
川村氏は会社時代から、会社の仕事(コミッションワーク)と自主制作を半々くらいでやってきた、そしてその両方ができる環境として、会社を設立したとのこと。この働き方は、とてもいいなと思う。クリエイティブを生業をする人の話をいろいろと聞いてきたが、個人のアウトプットとして両方を行っている人たちが圧倒的に多いことは、発見であるし、見習いたい行動様式だ。
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