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雨上がり…イラストを描くこと、ラブレターを書くこと/イラストNo.iof238

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イラストNo.iof238 「雨上がり」。
数日前に仕上がったものですが、実は描き始めたのは去年の今頃です。

といっても別に一年がかりで描いたということではなくて、どう仕上げるかいまいち納得がいかずフィニッシュできないまま、仕事の締め切りやらなにやらと、途中まで手をつけては中断し、また、その間は別のオリジナル作品にも取り掛かったりして、結局このイラストを仕上げるのに一年もかかってしまいました。

ようやく描き終えて、「これで満足か?」と言われると、なんとなくまだまだモヤモヤは残っています。

でもまあ、いつまでも置いておいても仕方がないし、今の自分的にまあまあこんなものかなというところで、とりあえず筆をおきました。

イラストを描くこと、ラブレターを書くこと

イラスト制作は、ラブレターを書くのと似ているところがあります。
その日描いたものをいくら良いと思っても、そのまま「完成」にすることはほぼありません。
必ず次の朝見返してみて、昨日と同じように「良い」と思えるかどうかを試します。
たいていの場合は、前の日ほどには良いと思えないことが多い。

最低でも翌日の朝見返しますが、2日、3日、置いておいてから見返してみるということをよくしています。気になる部分が見つかれば、手を入れます。

だから締め切りのある仕事でも、僕の場合は提出の2、3日前にはいったん完成の状態まで進めておき、その後、手を入れる時間を確保しておきます。
担当編集者やデザイナーには、その分サバを読んで納期をお願いしておきます。
いくら催促されても、見返しす時間をとってからでないと、提出しないことにしています。

放置してあるたくさんのイラスト

仕事で描くイラストは、寝かせるとしても1日〜3日が限度ですが、オリジナル作品の場合は、いくらでも寝かせておけます。

手をつけては中断し、一年後、二年後ぐらいに完成させる作品が、僕のMacのフォルダには結構たくさん眠っています(完成することなく放置されつづけるイラストもたくさんあります)。
仕事で描いているものではない以上、別に締め切りがあるわけでもなんでもないので、気が乗らなければ描かないということになります。

寝かせれば寝かせるほど、時間をかければかけるほど、いくらでも修正の手を入れることはできますが、必ずしもそれがいいことかどうかはケースバイケースです。
イラストに限らずどんな創作作品でも、その時、その年代の精神状態でしか描けなかったもの、仕上げられなかったもの、というものがやはり確実にあります。偶然性もあります。その時たまたまそういう描き方をした、という。

下手だろうがなんだろうが、仕上げたものが強い、というのはよく言うことですが、たしかにそうです。仕上げないで中途半端に放っておくというのは悪い癖であり、そういう習慣がついてしまうのは問題でもあります。
それに、自分の絵を見て「下手」だとか「納得がいかない」と思ったその時の感想が、必ずしも正しいとは限りません。あとになって見返してみて、「わりといいじゃん」と思うこともあります。

イラストを描くことはラブレターを書くことに似ています。深夜の熱に浮かされて書きなぐって、そのままポストに入れるというのはやはり避けたほうがいいんじゃないかとは思いますが、本当のところ、その内容が良かったかどうかは、何年もたってみないとわからない、冷静に判断できないところはあります。

あいまいな話で申し訳ないですが、ようするに、どこで筆を置くかというのは、難しいし、正解がない、という話でした。
イラストを描くのも、ラブレターを書くのも。







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