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流れ着いたSES業界で。

唐突ですが、僕は芸人さんの深夜ラジオが好きです

いつも舞台やTVで、明るく気丈に振る舞う芸人さんが、ラジオでだけは弱音を見せてくれる。

TV番組での失敗談や、裏でプロデューサーにこっぴどく叱られた話。エゴサーチで見つけた悪口に心を痛めた話。

自分を慕ってくれる人しかいないところで、ファンである僕らを頼ってくれる。

僕にとってnoteってそういう場所なんです。
深夜ラジオが勝手に聴こえてくるものじゃないのと同じで、僕のnoteもわざわざ見てくれた人にしか届かない。

今、このnoteを読んでいるあなたを、僕はきっといつも頼りにしています。

このnoteを読んでいる人は、僕のことが好きか、少なくとも興味を持ってくれているはず。
嫌いだけど読んでくれてる人もいるなら、それはそれでまぁいいや。

あなたのことを信用して、久しぶりに弱音を吐かせてください。

〜転機〜

この仕事を始めてからnoteを書くのは初めてですね

普段のTwitterではあんまり真面目なことを書かないようにしてるので、最近知り合った方にとっては、初めて見る側面かもしれません。

年末年始みたいな、時間があるときって、なんか自分語りしたくなりますよね。

自己顕示欲の低い大人なみなさんは140字で収まったみたいですけど、稀代の目立ちたがり屋な僕には全然足りなかったので、noteで昨年(特にこの4ヶ月)を振り返ろうと思います。

転機が訪れたのは8月中旬。

2021年の夏から一緒に会社をやってた友人がTwitterで知り合った人と新しく会社を作りたいと言い出した。

別のnoteで詳しく綴ろうと思いますが、相方と2人で立てた会社は、9割9分9厘僕のせいで、そんなに上手くはいってなかった。

気が向いたら働く、大学生みたいな怠惰な生活をしてて、年齢だけは社会人3年目になり、相方からも怒られてばかりだった。

そんな相方が、僕よりはるかにすごい人から一緒に会社を作らないかと誘われた。見捨てられることを覚悟したのを覚えている。

話を聞くと相方を誘ってる人はBig4の出身で、すでに自分で会社を経営されている、ベンチャーの顧問とかもやってるような人だった。

本当は喜ぶべきことだ、僕が背中を押しさえすれば、僕の親友はきっとその知らない誰かと成功してゆく。幸せにもなれるだろう。

言葉では「自分の人生なんだから、好きにしたら良い」とは言ったけど、本当はものすごく寂しかったし、行かないでほしかった。

おめでとう、がんばりなよ、と言えない自分。
親友の幸せすら純粋に願えない身勝手な僕は、
実際けっこうゴネた気もする。

ただ彼が優しかったのは、ただ僕を一人にするのではなく、その見知らぬ誰かと作る会社の営業マンとして働く選択肢も用意してくれた。

今でこそ感謝してる風に書いてるが、当時の僕は意気揚々と起業した手前、会社員になんて戻りたくなかった。

進んできた道の退路には、肥大化したプライドが立ちはだかっていて、後戻りもできなくなっていたのだ。

だってカッコ悪いじゃんか。

1回社長になったけど、上手く行かなくて会社員に戻るなんて。不要なプライドで、守る必要のない立場を一生懸命に守ろうとしていた。

世の経営者みたいにカッコいいものじゃない。僕は本当は、まともに会社員として働けなかったから、行くあてもなくただ一人でやってただけなのだ。

そんなこんなしている間にも色々と話は展開した。
当時の感覚に近づけて、悪意を持って表現するなら、Twitterで出会ったその人と相方の間で、僕という"駒"の活用法が色々と話されていた。

例えば2人で立ち上げる会社の子会社の社長にするとか、僕と相方が経営する会社・Acrosstudioはそのまま残して、別の事業をスタートさせてコラボするとか、単純に全部辞めて営業マンとして入社させるとか。

今見返すと、提示されていた選択肢はどれも、僕の将来を考えてくれた、愛に満ちた提案だったが、自分のいないところで自分の人生の選択肢を議論されていたことになんとなく嫌な感じがしていたのも事実だ。

だが、そのTwitterで出会った人が悪い人じゃないことも直観的に感じていたし、このまま会いもせずになんとなくマイナスな感情を持ち続けるのも嫌だったので、会わせてもらうことにした。(見知らぬ人、とか表現が面倒なのでMさんと書きます)

本当は3人が良かったが、10人くらいの飲み会で初対面となった。

Mさんは定期的にコンサル出身者・在籍者の飲み会を開いている。僕が混ざり込んでも違和感のないようにそのときだけは「コンサル+若手起業家」というコンセプトにしてくれていた。

実際に会ってみるとMさんは良い人だった。
表面的に厳しい言葉を使うが、奥底に愛を感じる人だ。

「優しさ」を履き違えてないとでも表現しようか。
世に言う「優しい」とは少し違うかもしれない。

ここで僕がMさんに使う「優しい」は、言うべきことは言ってくれる、というか。相手の目標や目指す姿を理解して、長い目で見て一時的に苦痛を強いることでも、きちんと「伝えるべき言葉」を伝えてくれる。そういう意味で「優しい」人だった。

〜SES営業として〜

一度会ってからの記憶は、あまりにも目まぐるしくて正直曖昧だ。くそ。何が起きた。

Mさんに対して、なんとなく持っていた根拠のないマイナスな印象はなくなったものの、まだ迷ってたはずの8月末。

「来週から僕に同席して打ち合わせ出てみましょうか。何回かやっていけそうだと思ったら一人でやってみてください。」

!!?!?

突然来た連絡に、心の中のふざけるなを一旦握りつぶして、とりいそぎ「かしこまりました」を返信した。

全然かしこまってなどいない。

「Java4年くらいやっててー」「pdm現役でやってるんですよ」「CRMのツールとかはやったことあります?」みたいな、今では難なく理解できるようになった暗号が初日から降り注いだ。

こういう「訳わかんない言葉の濁流」に燃えるタイプの自分を恨んだが、覚えることがたくさんな環境には正直、久しぶりに興奮した。

振り返ってみて、とりあえず「かしこまりました」と返信して良かったなと思う。

これは持論だけど、人生には良い迷い方と悪い迷い方があって、

どちらもやってみて、経験と経験を天秤にかけて選ぶのが良い迷い方。
片方には経験を、もう片方には印象や先入観を天秤にかけるのが悪い迷い方だ。

もしあのとき「かしこまりました」を言わずに、先入観だけを天秤に乗せていたら、違う結論が出ていたのかもしれない。

やってみて肌に合わなければ辞めれば良い。
そのくらいの気持ちでとりあえず飛び込んだ。

8月末にMさんから来た連絡の内容をもう少し詳細にすると、9月1日(木)と2日(金)にMさんの打ち合わせに同席して流れを学んだ後、土日を挟んで5日(月)から一人で打ち合わせをしなければいけなかった。

「この土日でなんとかしなければならない」

ああ、くそ、思い出そうと思って当時のカレンダーを見たら引っ越し直後でプライベートもバタバタしてやがる。

洗濯機が来る時間と同じくらい、何を勉強して良いかも分からなかった僕は、アクセンチュアで働く先輩にすぐにメッセージを送った。

新たにSES営業という仕事を始めること。
PJの進め方、基本的なロール、用語の説明、諸々必要そうなことを教えてほしいこと。

メッセージを送ると、その先輩は貴重な休日を丸一日僕にくれた。

同じ手法をエンジニアの友人にも使い、フロントエンド・バックエンド・インフラの役割とそれぞれの言語、よく使われるFWをおおむね教えてもらい、取ってつけたような知識武装で9月5日を迎え、そこからはひたすら新規を開拓しまくった。

完全に0からスタートしたSES事業。
リアルで開催される交流会みたいなところには積極的に顔を出して名前を売り込んだ。

何の特徴もない新参者は、認知されることに必死だった。

1日11件とか訳のわかんない数の打ち合わせを組みながら、何をするにもMさんの指示を仰いで。

訳もわからず、Mさんからの非常にムカつ…ではなく、心温まる「優しい」言葉で、傷だらけになりながら、スタートした9月にはプロパーを2人、なんとか決めることができた。

10月、11月と徐々に徐々に契約数を増やし、12月はたくさんの方々の協力のおかげで8件の成約をいただいた。

やっと単月ではあるが、自分の給料より多い利益を会社に残すことができた。おかげさまで知り合いも増えて、Twitterではたくさんの人に絡んでもらえるようになった。

「え、まだ4ヶ月なんですか?」

と驚かれる度に快感を覚える変態なのですが、我ながら4ヶ月でかなり溶け込んだ方だと思う。

でもそれは、ちょっと酒癖の悪い頼れる兄さんや、初めてBPを決めてくれた顔以外全部ダメな人、広い家でイケないことしてるお兄さんや、なぜか顔ファンを公言してくれる美人営業ウーマン、必ず飲み会中に抜け出して松屋にいくデブ(おれも行く)、週に3回「今新宿いる?」と聞いてくるバカ、新しく仲間になってくれた可愛い後輩、みんなのお陰でできたことです。

まだまだ至らないところばかりだけど、
やっと半人前くらいにはなれたんじゃないかな。

書き尽くせないほど素敵な仲間には恵まれたが、このくらいできないとMさんに雇ってもらった意味もないし、紹介してくれた相方にも合わせる顔がない。

元々、曲がりなりにも経営者の端くれ。

経営者目線に立つと、給料+諸経費以上の利益を会社にもたらさない社員はお荷物でしかない。その観点で言うと、僕はまだまだお荷物だ。

2023年はもっともっと面白いことを仕掛けていきます。

資格取ったり、新しい営業採用したり、オフィス構えたり、ツール作ったり、会社立てたり、したいことはたくさんある。

2023年、二兎も三兎も四兎も追って、全部叶える一年にしよう!

ま、Mさんには決意表明してないで、とっとと働け赤字社員と言われそうなので、そろそろPCに戻るとします。

どんな年を振り返っても、やっぱり思ってしまう。
僕はつくづく運が良い。
去年もまた、良い一年だった!

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