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#005_建築を通して伝えたいこと

建築をつくる

その現場に直面できる事は
ほとんどの人にとっては奇跡なんじゃないかと思う。

土地を探して、あーでもないこーでもないと一生懸命に設計して、たくさんの業者さんの手を借りてようやく1つの建築が建ち上がる。

そこにはあらゆる立場からの情熱が込められ
自分たちも設計者として
その熱量に負けないくらいの想いを込める。

もちろん情熱だけでは
うまくいかない事だらけだし
時には立ち止まって冷静にならないといけない時もある。

だけど、ただただ純粋に
「よりよいものにしたい…!」という本質だけは
どんな時でも優先順位を下げてはいけないものなんだと思う。

それによって
どれだけ現場で怒られようが
机をおもっきし叩かれて、ものすごいため息をつかれようが
毎日吐きそうになりながら出社していようが
夢の中でも図面を描いて納まらない…とうなされていようが、、

ここだけは死守しないといけない
これだけは伝えておかないといけない
こうすればもっと良くなる…といった事を
その時、その瞬間に考えついてしまったのならば、、
例えそれがどれだけ非効率的であっても
すでに二徹していて、三徹になってしまうことであっても、

とにかくいったん口出す。

そうすると、思いがけないところから
あっさり解決することがこれまで何度もあった。

自分の中で何日も悩んでいたことが
現場に行くとチームの協力のもとすでに納まっていたり
他のプロジェクトの打合せの中で答えが出ることも多々ある。

つくづく自分の中に留めておくだけでは
何も変わらないし、進まないもんだなと。

もちろんその伝え方や廻りに対する配慮、
いかにその気になってもらうかという
プレゼンテーションは大切だし
そこまでに築き上げた信頼関係がめちゃめちゃ大事だったりもする。

僕らは仕事として
建築が建ち上がる瞬間をこれから何度も
経験していくことになるけども
そのひとつひとつのプロジェクトには
奇跡的な物語がしっかりあって
その先何十年もそこにあり続けるひとつの建築になるわけだから
その時々にできる限りの精一杯を
丁寧にやり続けるしかないなと。

昨年春に竣工した
熊本のプロジェクトをまとめながら
そんな事をもんもんと考えていたのでした。


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