<第13回> ラグビーのルールがわからなくても、レフェリーの腕の動きを見ていれば楽しめます!」


「ラグビーは密集で何が起きているかわからない」

「レフリーの裁定で笛が鳴っても、どっちがどっちに有利だかわからない」



ラグビー?あるある、最後の3回目になりますが、今回は「ルールがわからなくてもレフリーの腕の動きを見ていれば楽しめる!」


という観点で解説いたします。



前回に書きましたが、スクラムなどの密集で何が起きているかはラグビー経験者でもわからないことが多々あります。


実際、屈強な選手が何人も折り重なって、ボールがどこにあるか見えない状況が多くあります。


私が2019ラグビーワールドカップ日本大会の特別アドバイザーとしての活動の中で、以下のような見方をお薦めしていました。



「レフリーの腕に注目してください。

どちら側に腕を上げるか?

腕の角度はどの角度か?

これがわかることで応援するチームにとってチャンスかピンチかがすぐにわかります。


チャンスの時は大いに盛り上がって、ピンチの時は大いに緊張してください!」



相手チームが反則をすると、レフリーは私たちが応援しているチーム側(攻撃する方向ではなく、いる側です。応援しているチームが右から左に攻めていれば、右側・右手となります)に腕を上げます。


逆に応援するチーム側が反則をしてしまうと、相手チーム側の腕を上げます。


反則が発生し、レフリーが笛を吹いた後にレフリーはどちらかに腕を上げます。


レフリーが笛を聞いた後、応援する側に腕を上げるのか、相手側に手を上げるのか、、、 


この一瞬の緊張感もラグビーの醍醐味です。



また、サッカーにもあります「アドバンテージ」(相手が反則したが、自分達が有利な状況のため、すぐにプレーを止めずにしばらく様子を見る状態)は、ラグビーの場合は笛を吹かない状態のまま、レフリーが腕を真横に上げます。


笛を鳴らさないのに応援するチーム側にレフリーが手を上げたら、他のお客さんと同様に「アドバン!(アドバンテージの略) チャンス!」と口に出して一体感を楽しんでください。

(アドバンテージの間は応援するチームがミスをしても、最初に相手チームが反則したところから、応援するチームボールのプレー再開になりますので!)



ここまでで、レフリーの腕が上がることでどちらの反則を取ったか?ということがわかっていただけると思います。



次にレフリーの腕の角度です。

ここは意外に誤解されている点でもありますが、「ラグビーの反則=ラフプレー」ではありません。



日本語で反則というと、とてつもないラフプレーと思ってしまいますが違います。



「競技規則に反する行為」、だから「反則」という解釈です。



競技規則には、「ノッコン=ボールを前に落としてはならない」や「スローフォワード=ボールを前方に投げてはならない」と記されています。(実際にはもっと詳細に書かれています)



つまり、ノッコンは競技規則に反する行為なので反則と解釈されるわけです。


このように技術的なミスは相手チームのスクラムで再開されます。



このとき、レフリーは笛をピッと短く鳴らします。そして、上げた腕の角度は地面と並行に上げます。(応援する側に上がれば、次のスクラムで応援するチームが攻撃権を持ち、ボール投入できます)



一方で、技術的なミスではなく心掛ければ守れる(大雑把な表現ですが)規則を破ったときは相手チームにペナルティキックが与えられます。



「オフサイド(本来、その線より前に出てはいけないのに出てしまう行為)」「ノットリリースザボール(タックルで倒されたら、すぐにボールを離さなければならないのに離さない行為)」などなど、



今はすべてのプレーに高度な技術が求められますが、こちらは「技術だけでなく、疲れたり、相手チームの妨害があっても決められた規則をしっかり守る」というメンタルやフィットネスの部分が大いに左右されているようにも思えます。



このとき、レフリーは笛をピーッと長く鳴らします。そして、上げた腕の角度は平行よりも少し高い、斜め45度(時計の短針の2時もしくは10時)に上げます。



密集で何が起きているかわからない時、レフリーがピーッと長い笛を吹いたら、次の瞬間にどちらに腕を高く上げるか、、、この一瞬の間を楽しむことができれば、ラグビーの醍醐味を充分に楽しめていることになると思います。



「ラグビーのルールがわからなくても、レフェリーの腕の動きを見ていれば楽しめます!」



レフリーの上げた腕の方向と角度、この意味をわかっていただくだけでもラグビーの持つスリルを味わっていただけると思います。



なお、ご存じ「トライ!」の笛の音は最も大きく、最も長く、腕は天高く真上に上げます。



ラグビー、素朴な疑問シリーズ

3回にわたり、お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

週末のラグビー観戦に少しでもお役に立てれば光栄です。

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