見出し画像

【51】最新時事の網羅的な復習『自分の頭で考える日本の論点』出口治明

「自分の頭で考える」というタイトルに惹かれてしまうのは、自分の頭で考えていないことを認めることになります。それでも手に取ってしまうのは、これが出来るかがいかに大事なことか認識しており、出来ていない現状に危機感を持っているからだと思います。

ライフネット生命の創業者であり、現在は立命館アジア太平洋大学の学長を務める出口さんによる時事解説本です。

新型コロナウイルスの感染拡大により、これまで以上に日本や世界で直面する課題が増えています。その中には人々の間で意見が分かれているものも多くあり、それらの基礎知識を解説するとともに現時点での著者の考えをわかりやすく解説しています。

他の時事解説本と少し異なるのは、著者がいかに物事を考えているか、という点を重視していることです。フェイクニュースや正確ではない情報が溢れているなかで、いかに情報を収集し、自分なりの結論を出すかはこれまで以上に求められる能力だと思います。

物事を考えるとき、僕がいつも大切にしているのは、「タテ・ヨコ・算数」の3つです。タテ、すなわち昔の歴史を知り、ヨコ、すなわち世界がどうなっているかを知り、それを算数すなわち数学・ファクト(事実)・ロジック(論理)で裏づけていく。

新型コロナウイルス対応にはじまり、働き方改革、気候変動、憲法改正、安全保障など幅広く22の論点が盛り込まれています。いずれも基礎知識の解説から始まるため、気になる論点だけ読むことも可能です。どれも読みやすいボリュームに抑えられているため、最新の時事問題を触れる(考えるまでは至らず)には適した本でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?