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中小企業診断士が観光白書を読んでみた

令和6年版の観光白書が発刊されました

6月18日に令和6年(2024年)版「観光白書」を閣議決定されて、WEBページにアップされているので、読んでみました。

今後、観光業の仕事をしたいと言っていますし。白書はデータの宝庫だったりします。

観光の動向について(気になったデータ)

地方ブロック別の宿泊者数

観光の動向は面白いデータがたくさん載っています。

中でも、私が一番面白いと思ったのは地方ブロック別の宿泊者数(全体・外国人)ですね。

関東が圧倒的なのは納得です。すでにコロナ前よりも外国人の宿泊者数は大幅に上回っています。

気になったのは中国地方がすごく少ないところです。個人的に中国地方は外国人に受けそうなネタがたくさんあるのに、こんなに宿泊者数が少ないのかというところです。

比較するものではないかもしれないのですが、北陸信越地方と中国地方だったら同じぐらいのイメージなのですが、長野県と山梨県の宿泊が多いんです。石川県はイメージ通りですが。

山梨の宿泊イメージがないんですが、距離がある程度あるのと、富士山というキラーコンテンツの効果ですね。

長野は松本城と善光寺ですかね。後はスキー、中山道も外国人には受けるでしょうし。

東京とのアクセスについて考える

結局のところ、東京と便利につながっているかどうかが重要なんだろうなというのが見えてきます。福井、石川、富山の違いを見ると顕著ですし。

来年の数字で福井が大きく伸びたとしたら、この仮説は正しいとなると思います。感覚的にですが、福井は富山ぐらいまで伸びてもおかしくないと思っています。東尋坊、永平寺、恐竜博物館、三国港は外国人に受けるでしょうし。

また、鳥取、島根も東京とのアクセスの悪さが影響していると思います。

じゃぁ、秋田はどうなんだといわれると返す言葉がないですが、後述する外国人が目的とするもので考えると競合が多い中で、秋田を選ぶ理由は弱いです・・・

新潟・長野・石川は東京から新幹線で一本ですし、距離も近いです。中国地方は東京からの飛行機もあまり多くないですしね。

国別の外国人旅行者数

白書を見ると中国人の訪日客数は戻っていません。

大阪で見ていても中国人は戻っていないのはよくわかります。東南アジアだろうなという人はすごく増えています。

中国人で溢れていた黒門市場も、先日行ったところ、以前に比べるとそこまで混雑はしていないですし。

海外旅行の理由

国外旅行の主な目的として、食事とテーマパークとアート鑑賞だと、東京と大阪に集中するのは間違いないです。ディズニーとUSJがありますし。

美食はもちろんですが、庭園、建築、登山、エステは地方でも十分に戦えるので、この辺りのアピールが有効な気がします。

寺社仏閣も建築としての面白さの方が外国人には響くと思います。

ただ、上位の内容を見ると全て東京には最高クラスが大量にあるので、東京に集中するのは当たり前かもしれません。

施策について(令和5年と令和6年の比較)

施策については変わるところが大事だと思っているので、令和5年版と令和6年版を比較してみました。

令和5年版
1章:持続可能な形での観光立国の復活
2章:観光立国の実現に向けた観光施策

令和6年版
1章:持続可能な観光地域づくり
2章:地方を中心としたインバウンド誘客
3章:国内交流拡大

基本的には変わっていないんだと思いますが、地方という文言が章のタイトルに出てきているので、地方への誘客をやっていきたいということがあるんだと思います。

オーバーツーリズムに対する記述も増えています。観光庁は国交省の外局ですから、交通や宿泊キャパシティに対する意識は強いかもしれません。

私が住んでいる大阪でも御堂筋線が客数をさばけなくて遅れがちですし、東京は美術館などの混雑がすごくなっていると聞くので、東京、大阪じゃないところに観光客を呼びたいというのが本音なんだと思います。

まとめ

中小企業白書、情報通信白書は毎年それなりにチェックしていますが、今回は観光白書をチェックしてみました。

政府の白書は面白いネタがあったりするので、時間がある人はチェックしてみるといいかもしれません。

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