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いち中小企業診断士が感じる地方創生

政府の体制が変わり、予算が増える

石破首相に決まり、地方創生の交付金の倍増を目指すというニュースが出ています。

予算が倍増するなどの話になっていますが、増えたところで効果がないだろうと考えています。

これは商店街支援や観光支援を実施している立場から見ると、地方創生がいかに難しいかを感じているからです。

予算が増えることの功罪

地方は予算がありません。予算が増加することはいいことだとは思います。

ただ、ほとんどの予算はひも付きです。
「●●をするから、その分の予算をみてあげます」というものですね。
補助金支援はこの形です。

そして令和6年の予算の中身としては以下となっています。

出典:内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局「令和6年度当初予算案、令和5年度補正予算(2024年1月)」より抜粋

本来必要な「人材の育成」や「人の流れの強化」というところの予算は実は削減傾向になっていて、ソフトウェア活用が一番大きいです。

ソフトウェアも地方自治体のシステム更新費用がほとんどなので、現場に落ちるお金は少ないです。

もちろん予算が付けば、その分仕事が増えるので、人が足りなくなるという問題も発生します。できる人ほど仕事が振られやすいですし。

地方の人材の枯渇

地方には人材がいません。私が住む大阪ですら優秀な人は東京・海外に行ってしまいます。私の友人も東京・海外がほとんどです。

そして、変化をしたくなるエネルギーのある人材は地方にとどまるわけはありません。

東京が仕事・収入、生活環境、行政サービスの全てにおいて最も有利ですし、やる気があるなら、東京に行くという選択肢しかありません。
(大阪に居ながらこういうことを書くのもどうかと思いますが。)

そうなると地方には変化できない人だけが残ります。

高齢化も相まって、どうにもならないのが現状です。

変化できない人しかいない町についた予算は?

変化できない人しかいない町は、何にも動きません。ひも付き予算は自分たちで使うことすらできません。

結局、事業の全部を東京の広告代理店やコンサルに委託することになり、お金は東京に流れていきます。

事業についても、見た目は綺麗ですが、お金を稼ぐ効果は弱く、地域が継続的に儲かる形にはなりません。

仮に事業がうまくいき、大人気になれば、東京資本が参入して、地域資本が駆逐されるという状況になっていきます。

中小企業診断士にできることはないのか?

中小企業診断士として仕事をしている中で、地方に対してできることは多数あると考えています。対企業でも、対行政でも。

プロジェクトマネジメント能力を生かすこともできますし、事業の採算性改善や広報・広告宣伝にも可能性があると思っています。

ただ、東京に居ながらにして、ビデオ会議を使って軽くやりたいというのは難しいです。現地に行って雰囲気を見たり、現場を確認していくということは絶対に必要です。

経験が浅い中で、週末コンサルみたいな気持ちで行くと、絶対にうまくいかないです。

まとめ

地方創生という言葉は誰も反対しないので、使いやすいのはわかりますが、実際には不可能です。

一番大切なことは下の内容ですが、全てが既に弱っているので難しいです。

  • 地域の儲ける力を高める

  • 地域資源を含むサプライチェーン、バリューチェーンを作る

  • 現場のリーダーを確保する

今回はちょっと偉そうなネタになりましたが、別に政治がどうこうという話ではなく、鳥取で現地の人と話をしたり、現場を見てきた中で感じることを書いてみました。

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