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狩野派 久隅守景 生き様を知る

久隅守景とは

久隅守景(くすみ もりかげ)は狩野探幽の弟子にあたります。

探幽門下の四天王といわれるほど、実力があった画家ですが、破門にされたと伝わっています。

探幽の減筆画の墨絵を継承した絵師です。

代表作は 「納涼図屏風」 破門後、金沢で描いたとされる説が有力です。

農村風俗画  「納涼図屏風(のうりょうずびょうぶ)」

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今まで狩野派になかった、夕顔棚の下で、くつろぐ農民一家の様子が描かれています。

小説 『我れ、美に殉ず』


「久隅守景」「英一蝶」「浦上玉堂」「伊藤若冲」、江戸時代の絵師が主人公の四編がおさめられた小説です。

小説ならでわで、美術史の本では感じられない当時の雰囲気や、主人公の心情が伝わっってきて面白い。もちろん創作ですが、しっかりと歴史的な背景が踏まえられていてリアリティがあります。

第一章は 「これ この一作に悶え死す 久隅守景」


史実と同じく破門される主人公久隅守景。ただ破門されることに、躊躇がない・・

イメージ的には、破門されることに苦悩するのかと思いきや・・探幽師匠のもとでやっていくことに苦悩しているように感じられます。

元々 狩野の絵を窮屈に感じ、己の絵を描きたかった という設定です(久隅守景)

ただ、狩野派 幕府の御用絵師から、一町絵師に身を落とすと、扱いは全く違う。小説だとかなりそれがリアルに書かれている。ただ小説の守景は伸び伸びとしています。

苦労ありつつ、「この一点」のまだ見ぬ己の作品を追い求める。まさに芸術家です。
史実は置いておいて、久隅守景がかなり好きになります。。

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