ChatGPTに校正をさせてみる

今日は、今話題のChatGPTに、校正(誤字・脱字のチェック)をさせてみることにします。校正は編集者にとって、大きな仕事の一つ。これが効率化されれば、かなり助かります。

ChatGPTを自分の部下だと思い、次のように指示を出してみました。

これからあなたに、校正をお願いします。私が書いた文章に、誤字脱字があれば、修正した文章を示してください。その上で、修正した個所を箇条書きで書き出してください。

部下に仕事を振るようなイメージです。その上で、初級編として次の文章を示しました。

私は昨日、会社に車で行きました。夜は飲み会が合ったので、児童車は会社に置いて帰りました。そして今日は、電車で通金しました。

皆さんも、一読してどこがおかしいか、分かるだろうと思います。で、ChatGPTの回答はというと・・・

私は昨日、会社に車で行きました。 夜は飲み会があったので、自動車は会社に置いて帰りました。 そして今日は、電車で通勤しました。

修正した個所:

  1. 「合った」を「あった」に修正しました。

  2. 「児童車」を「自動車」に修正しました。

  3. 「通金しました」を「通勤しました」に修正しました。

お見事!全問正解です。まあ、これは簡単すぎましたかね。では、少し難易度を上げてみます。

学校の働き方改革は、過労やストレスによる教員の健康問題を解消し、教育の質を向上させる上で重要な実戦です。ここでは、教員の働き方改革が勧められる背景と目的、各種教育期間・行政の役割について解説します。

間違いは3か所です。お分かりになりますでしょうか。さて、ChatGPTの回答やいかに・・・

学校の働き方改革は、過労やストレスによる教員の健康問題を解消し、教育の質を向上させる上で重要な取り組みです。ここでは、教員の働き方改革が推進される背景と目的、各種教育機関・行政の役割について解説します。

修正した個所:

  1. 「重要な実戦」を「重要な取り組み」に修正しました。

  2. 「勧められる」を「推進される」に修正しました。

  3. 「各種教育期間」を「各種教育機関」に修正しました。

お見事!こちらも全問正解です。というか、「実戦」を「実践」ではなく「取り組み」に、「勧められる」を「進められる」ではなく「推進される」に変更するあたり、かなり「できる」編集者です。

では、さらに難易度を上げてみます。

今の時代は、予想を越えるスピードでテクノロジーが深化し続けています。人間に変わって、多くのことをコンピューターがやってくれるようになりました。

誤字は3か所です。いずれも高度なので、どこが間違っているのか分からない方もいると思います。さて、ChatGPTくん、いかに。

今の時代は、予想を超えるスピードでテクノロジーが進化し続けています。人間に代わって、多くのことをコンピューターがやってくれるようになりました。

修正した個所:

  1. 「予想を越える」を「予想を超える」に修正しました。

  2. 「テクノロジーが深化し続けています」を「テクノロジーが進化し続けています」に修正しました。

お見事、三か所とも間違いに気づきました。ただ、「修正した個所」として箇条書きにしたのが二つだけ。途中なのかと思い、こう返しました。

続けてください。

すると回答は、

次の文章をお送りいただければ、同じ要領で校正と修正を行います。お待ちしております。

だったので、こう返しました。

そうではなく、先ほどあなたが「修正した個所」として示したものに一つ、漏れがあるように思います。

実際の部下にこんな言い方をいたら、嫌われるかもしれませんね。こうしてパワハラフリーなのも、ChatGPTの強みの一つです。で、出してきた回答は・・・

申し訳ございません。再度、修正箇所を確認いたします。

元の文章: 今の時代は、予想を越えるスピードでテクノロジーが深化し続けています。人間に変わって、多くのことをコンピューターがやってくれるようになりました。

修正後の文章: 今の時代は、予想を超えるスピードでテクノロジーが進化し続けています。人間に代わって、多くのことをコンピューターがやってくれるようになりました。

修正した個所:

  1. 「予想を越える」を「予想を超える」に修正しました。

  2. 「テクノロジーが深化し続けています」を「テクノロジーが進化し続けています」に修正しました。

  3. 「人間に変わって」を「人間に代わって」に修正しました。

漏れがあった箇所を追加いたしました。お手数をおかけして申し訳ございません。

なんと優秀な。「こえる」「かえる」は、編集者を悩ます言葉の一つですが、見事に誤字を発見してくれました。加えて最後に、丁寧な謝罪の言葉まであって、なんていいやつなんだと感心しました。

 部下がこんな風に作業してくれたら、「よし、今日は飲みにでも行くか。一杯おごるよ」なんて言ってしまいそうです。(笑)

もちろん、今回は正解の明瞭な誤字・脱字でテストしたので、そううまくは行かないケースもあることでしょう。次回は、もうちょっと高度なことを
試してみたいと思います。


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