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【少年期】不当な暴力から逃れた方法・イジメ、ダメ、ゼッタイ!①

弱き少年時代

今でこそありがたいことに後楽園ホールのリングで闘う機会にも恵まれる武道家に成長し地域の少年少女&奥様方に指導する立場になったが昔から闘争に興味があったわけではない。
小学校時代は運動も苦手でパッとしない冴えない子どもだった。
だからか小学校卒業間際までは暴力や無視などのイジメに苦しんだ。
心無い連中に何度も集団リンチを受けたときの痛みと屈辱は今でも忘れない。逃げもしないが立ち向かうこと等、その時は想像もできなかった。

逃れるために

この苦しみから逃れるためにまず行ったのが無になること。
無になるために学校に行かないという選択をしたかったが、親から受け入れられるわけも無く登校は続けた。
なので次に考えたのが学校の中で自分の存在を極力消し去ることだ。
実際物理的には無になれないので、この作戦も敢え無く悪意のある子どもの姿をした悪魔に打ち破られた。。
そして、苦肉の策でトンデモ作戦を思いつく。

中学受験挑戦

自分が無になれないなら今ある環境を無にすればいい、中学受験をして私立中学に行けばこの悪夢を断ち切れる!
浅はかな作戦だったが勉強は出来たほうだったので親への申し入れはすんなり通った。
当時、私が住んでた地域はあまり学習塾が無く、中学受験に特化した塾に通うために隣の区までバスを使って通うことになる。
小学6年から始めた受験戦争、ここでも思いもよらぬ敵がいたのだった。

敵は塾の中に大勢いたのだ。塾の雰囲気は殺伐としており、新参者でよそ者の私を受け入れる気配は無かった。よそ者で受験においての敵である私はここで徹底的に無視され彼らのような勉強ができる集団の中では成績も芳しくなくヒソヒソと悪口を言われる仕打ちにあった。

「どこにも逃げ場はないのか?人の本質は悪だ」
と小学生ながらに人生に絶望した。しかし逃げているだけでは何も変わらない。そう悟った私はとにかく学校でも塾でも心だけは殺されないように堪え、何かやってくるか分からないチャンスに縋った。
アンテナを張り続ければチャンスはつかめる。そんな出来事が秋頃に突然起きた。

とある本との出会い

塾から最寄のバス停に大き目の書店があり、バスが来るまで時間がある場合はその書店で過ごした。
とある日、普段立ち寄らないスポーツ・運動のコーナーに偶然足を運ぶ。
ふと目に留まったのが「必ず使える護身術」という本だった。基本的に闘争を好まないと自覚していたが、何故だかその本を手に取りパラパラとページをめくった。
そこには顔面を殴られそうになった場合の受け方や腹部への蹴りの受け方など載っており、これさえ覚えればいじめられても被害を抑えられるのでは?と期待に胸をふくらませた。
購入したかったが2000円ほどしたので小学生にとっては高価だったこと、もし買ったことが親に見つかった場合、いじめられていることがバレてしまうことがネックで購入はできなかった。
しかし、この技術を習得すると決め作戦を考えた。

護身術習得スキーム

今はネットでなんでも知ることができるのでこの方法は古めかしい手段になるがググることも誰かに聞くこともできない少年はバスの中で効率的な手段を考え出した。
①現状を打破できる最低限の技術の洗い出し
②それらを立ち読みして練習方法などを記憶しバスでメモする
③自室で勉強の合間に反復練習で覚える
覚える必要を感じたのは、顔面と腹部の防御の仕方と簡単にできる攻撃方法だ。
【上段受け、膝での受け、掌底での顎打ち、膝蹴り、前蹴り】
の5種類に絞り夜な夜な稽古を繰り返した。
勉強というより戦略を考えることが好きだったので、この密かな取り組みは楽しかったし技術が身につくと心なしか自信が湧いてきた。
その後も筋トレを学び寝る前に腕立て伏せ、腹筋、背筋の筋トレを行った。

自信がついたからか周りの心無い反応も気にならなくなり、暴力も振るわれることもなくなった。しかし受験を成功させ環境を変えたい気持ちは変わらなかった。
続く


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