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プロスポーツチームが観客動員数を伸ばす為にはSNSに力を入れろ!?

外出自粛期間中にふと「SNSのフォロワーが多いチームは動員数が多いのか」という疑問が浮かんできたので、会社のメンバーと調べてみました。せっかく調べたのでアウトプットしようとまとめていると、新たな発見がありましたので書き留めておきます。

また、この調査は一過性のものではなく、定期的に見ていった方が良い数字だと考えていますので、定期的にまとめていければと思います。


1.調査方法

SNSと言っても様々なツールがありますが、今回は世界中のほとんどのクラブが活用している「Twitter」に絞りました。クラブによっては他のSNSに力を入れているということもあるかと思いますが、今回は「Twitter」のみとしました。

特にヨーロッパのクラブはいくつかの言語でアカウントを持っていますが、メイン(フォロワー数)のアカウントで集計しています。また、動員数はWEB上で記事になっている数字から収集しているので、100%正確かは不確かですが、参考数値にはなると思いまとめています。


2.主要リーグの観客動員数

観客動員数は昨シーズンの実績をまとめており、数値に関しては下記の通りです。会場の収容率で比較する方法もありましたが、リーグの規模をわかりやすくする為に今回は観客動員数で見ています。日本の『プロ野球』はアメリカの『MLB』を動員数では抜いている形になりますが、ビジネス的には大きな差が生まれています。

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下記は観客動員数の最大値と最小値をまとめて表になっています。相対的に各リーグ共に大きな差がありますが、アメリカの『NFL』は最小値でも「年間平均観客動員数32,768人」ですので、最も動員数が少ないクラブでも『J.LEAGUE』トップクラスの集客力と同等程度となります。また今回はヨーロッパバスケットボールの『ユーロリーグ』も合わせて調べましたが、様々な点で非常に興味深かったです。

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下記スライドは中央値をまとめたものになりますが、日本・アメリカの各リーグはほとんど平均値と変わりませんが、ヨーロッパではスペインの『リーガ・エスパニョーラ』・フランスの『リーグ1』あたりは変化が大きくなっています。

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3.主要リーグのSNS関連数値

「Twitter」のフォロワー数を下記にまとめていますが、イギリスの『プレミアリーグ』とスペインの『リーガ・エスパニョーラ』が頭一つ抜けています。日本の各リーグと他国のリーグを比較すると各リーグの現在地が見えてきます。1996年に設立されたアメリカ『メジャーリーグサッカー』の平均フォロワー数は『J.LEAGUE』の約1.6倍です。もちろん、人口なども違うので単純比較はできませんが、4大プロスポーツチームの基盤があるアメリカにおいてこの数字を創るのは簡単なことではありません。

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下記は最大値と最小値をまとめた図になっていますが、先ほど頭一つ抜けていた『プレミアリーグ』と『リーガ・エスパニョーラ』はクラブ格差が大きいことがわかります。いくつかのメガクラブと小さな町クラブが同じリーグに共存していることが見て取れます。また、全てのリーグでSNSの最大値と最小値においては大きな差が見られます。

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下記は中央値をまとめたスライドです。各数値は見ての通りですが、日本は平均値からの変動は少ないですが、クラブ格差が大きいヨーロッパでは平均値との差が大きくなっています。

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4.相関係数を用いて考える

今回は「観客動員数」と「SNSフォロワー数」の相関関係を知るのが目的ですので、相関係数を下記にまとめました。

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<相関の目安>
0~0.2 :ほとんど相関はない
0.2~0.4 :弱い相関がある
0.4~0.7 :相関がある
0.7以上  :強い相関関係がある

5.結論

結論としては「基本的には強い相関関係がある」と考えられる。しかし、それに当てはまっていないリーグがいくつかあるので、その理由について考えてみました。

6.考察

①「プロ野球」の相関関係はなぜ弱いのか
各数値を見る限り「SNSフォロワー数≒ファン数」というイメージに近いと考えています。しかし、「プロ野球」の場合は動員数に比例したフォロワー数がいないという見方ができ、動員数が多い球団でフォロワー数が少ない事例がいくつか見られます。

上記の理由としては「プロ野球はSNSに力を入れる必要が無かった」と考えています。昔からマスメディアで取り上げられてきた「プロ野球」は新たにSNSで母集団を形成し、情報を発信しなくても多くのファンに情報が届いていた。だからこそ、SNSに力を注いでいなかったというのが現状かと思います。

そのような過程を踏まえ、「プロ野球」はこれからの伸びしろが大きいと考えられます。また、どう伸ばしていくのかは他リーグ・他クラブの取り組みが参考になると思うので、このあたりは今後調べていければと思います。

②『MLB』の相関関係はなぜ弱いのか
『MLB』も比較的日本の『プロ野球』に近い状態かと考えています。各球団の数字を見ているとリーグの平均観客動員数以上の数字を記録しているのにフォロワー数は30~60万人規模のクラブがいくつかいます。『MLB』についてもまだ見えていない部分が多いので、この辺りも今後深堀していければと思います。

③『NFL』『NBA』の相関関係はなぜ弱いのか
この2リーグにおいては「収容率が高い」ことが理由の一つかと考えています。今回は収容率をまとめていないので、確からしいことは言えないのですが、ファン数が多くてもそれが「観客動員数」に反映できない、ということが大きいと考えています。また、『ニューイングランド・ペイトリオッツ』460万人、『ロサンゼルス・レイカーズ』891万人などズバ抜けてフォロワーが多いクラブがいくつかありますが、そのあたりのクラブの収容率は100%に近いと考えられます。このあたりも引き続き調べてみます。

④『ユーロリーグ』の相関関係はなぜ弱いのか
こればっかりは現状の知識ではさっぱりわかりません(笑)。リーグに対する知識が無いということもありますが、相関関係が1リーグだけ突出して弱いので、非常に興味深いです。ここに関しては今後の題材として考えていきたいと思います。わかる方がいらっしゃれば是非お知恵をお借りしたいところです。


最後に、後発のリーグであればあるほど『SNS』に力を入れている形になっています。それは、「マスメディア」に頼ることができないので、「オウンドメディア」として活用しているからかと考えています。今後はどのようなコンテンツがあれば「ファン創り」に繋がるのかも考えてみたいと思います。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
今後もnote、Twitterにて情報発信していきたいと思いますので、よろしければフォロー頂けますと嬉しいです!


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