幕間劇　つながり

　「予定があるなら言っておいてって言ったよね。」
美映は青井を睨み付けた。
　美映と青井の付き合いは長い。互いに理解しあっている分、少しの齟齬が苛立ちにつながる。
「だから変更もあるかもって言っておいたんだよ。実際、決まったのだって、ついさっきだし…。」青井は準備をしながら答える。
「このあとの予定だって、つまってるんだよ?重複出ちゃうよ?」
美映(VIERA)は青井(ブルーレイDIGA)の番組予約表を確認する。
「野球の延長なんて、よくあることだしオーナーだって、わかってくれるよ。」青井が微笑むと、
「青井のバカ!そんなんだから、ブルーレイ生産中止なんだよ？全チャンネル録画保存できちゃう時代なんだよ？」
「美映…知ってたの…。」
「私のデータ放送を甘く見ないで。青井のことなんて一番にチェックしてるよ。」

　ブルーレイディスク生産中止、ちょっと寂しいです。レーザーディスクやフロッピーのように、懐かしい単語になる日も遠くないのですね、きっと。
　九十九神といいましょうか、物でも、なんでも、名前のあるものには魂のようなものを感じてしまいます。私の気の持ち用でしかないのですが、せっかく生まれてきたからには付き合いを大事にしたいのです。