第10回 旧キットが初心者にとって難易度が高い理由
さて、隔週で更新しているプラモエッセイですが、ついに10回目となりました。
という事は、20週間投稿していることになるので、約5カ月目になるんですかね?
早いもんですね~
毎回思いつきで記事ネタ考えてますが、需要はあるのでしょうか?(笑)
てなわけで、タイトル通り「旧キットは初心者にとって難易度が高い」という理由を書いてみたいと思います。
まぁ僕の思うところなので、鵜呑みにせず参考にしていただければ幸いです。
旧キットって何?
旧キットというのは、ざっくり説明すると「昔の古いキット」の事を指します。
例えば、ガンダム放映当時に発売されたキットとかですね。
こういうのとか。
時代はどんどん過ぎていき、それに伴い、ガンプラもどんどん進化しています。
そうすると、この「旧キット」と呼ばれる線引きも変わってくることでしょう。
今は「HG」という冠の中でも、「初期のキット」はいずれ「旧キット」に該当するようになっていくわけです。
今のところは、「旧キット」と呼ばれるほとんどが、接着剤を必要とする昔のキットですが、スナップフィットのキットでも「旧キット」と呼ばれるものもあります。
例えばこれとか。
で、ガンプラの旧キットってたまーにバンダイから再販されてます。
箱の側面とか見ると、当時モノと再販モノって意外と違ってたりします。
最近のものだとこういう表記が追加されてますが、古いものは↓のような表記だったりします。
「ホビー事業部」ってあたりがいいですね。
ちなみに、知る人ぞ知る「バンダイマーク」も当時モノかどうかの基準になると思います。
↓「わーい」
しかし、再販されても値段は当時と同じ値段なので、かなり安いんですね。
1/100でもだいたい800~1000円ぐらいです。
1/144だと300円~500円ぐらいで買えます。
当時はそこそこの値段だったと思いますが、今だと破格の値段に感じるぐらい物価が上がってるので、初心者の方からすると
「え!?めっちゃ安いやん!」
って驚くと思うわけです。
しかも、旧キットでしか買えないMSやMAもあります。
例えば、この辺。
ビグザムやエルメス(ララァ専用モビルアーマーという名前になってる理由は大人の都合です)などは、旧キットでしか作ることが出来ません。
となると、欲しいですよね?
だって安いもん。ビグザム400円って。自分へのご褒美に買う美味しいチョコレートでも1粒500円とかするもんね。
しかし!!旧キットはチョコのように甘くはない!
旧キットが初心者泣かせの理由
まず、基本的に旧キットのほとんどが「接着剤」を必要とすること。
これには「もうHGUCいくつか作ったし、余裕っしょ!」って初心者は驚くと思います。
「ただ接着剤使うだけでしょ?」
って思うかも知れませんが、後述する理由も絡んでくるとそうも言ってられません。
さらに接着剤を使うという事は「間違えられない」という意味でもあります。
そして、組立説明書のレベルも最近のキット程分かりやすく丁寧なレベルとはダンチ(段違い)な為、より慎重に作る必要があります。
「じゃあ慎重に接着剤使えばいいだけでしょ?」
いえいえ、パーツを合わせてみてごらんなさい?
・・・ね?合わないでしょ?(笑)
そうなんです、パーツがちゃんと合わないことが、旧キットの難易度が高い理由の1つ目。
最近のガンプラでパーツがピッタリ合わないなんて、考えられません。
もし、今のキットだったら「あれ?これ不良品じゃん!」って思われて、しれっとSNSなんかに写真アップしてプチ炎上しちゃったりして、バンダイが謝罪の文章をHPなんかにあげたりして、回収騒動になっちゃったりして大変です。
しかし、旧キットが発売されていた時代はそうではありません。
「パーツが合わない」これはモデラーへの「試練」なのです。
「バリがひどい?」それも試練ですね。
「新品開封したらパーツがポロリしてた?」それも試練ですね。
「説明書のイラストのパーツ全然実物と違うんやけど?」それは仕様ですね(笑)
つまり、初心者が旧キットに手を出す=自ら試練に打ち勝つという気持ちがないと、心が折れてしまうのです。
なんとまぁ大変な時代だったのでしょう。
接着面が狭すぎません?!
試練であると自らを奮い立たせて挑んでみたものの、いざ接着をしようとパーツの縁を見てみると、さらに試練を課せられます。
なんと、接着面が狭すぎるではありませんか。
接着剤がはみ出てしまったら、その後、表面処理をしないといけません。
簡単フィニッシュで培ってきた技術は、旧キットの前ではほぼ無力化されます。
スパロボFのハマーン様(キュベレイ搭乗)にフィンファンネルがめちゃくちゃ切り払われる時の感覚です。(←分かる人なら分かる)
「いやいや、流し込み接着剤ってあるからwww」
そうなんです、近年ではプラ用接着剤なるものが販売されていて、しかも、はみ出しを気にしないでいい「流し込み用接着剤」というものが存在します。
いい時代になったもんです。
「新しいガンプラを創るのは老人ではない!」とクワトロ氏もおっしゃってました。
では「流し込み用接着剤」で接着して、完成したゾゴックでブンドドして遊んでみましょう。
壊れます(笑)
そうなんです、接着面が狭いということは衝撃に弱いということですね。
落としたりなんかするともう大変です。
この「接着面が狭い⇒補強が必要」という点も初心者泣かせの理由の1つです。
とは言え、作って静かに飾っておく分には問題ないと思いますよ。
でも壊れちゃったら悲しいですやん?
その為に、プラ板などを接着面に当てがって補強をする、といったテクニックがあります。
要はめんどくさいってことですね。
カッコ良くポージングを決めたい!
そう思って、旧キットを作った方には本当に申し上げにくいことなのですが・・・
想像している1/4ぐらいの可動しかしないと思っててください(笑)
これが3つ目の理由です。
例えば、ゾゴックだとこんなポージングが出来ます。
「やったー!」
「こらー」
ね?かわいいでしょ?(笑)
箱の作例キットでこれです。
可動させようなんて思わないことです。
そういうキットではありません、旧キットっていうのは。うん。
ストレートに立たせて飾るもの。うん。そういうもの。
冗談抜きに、旧キットは立たせるだけでも、現在のキットには無い独特のフォルムが非常にカッコ良いのです。
ビグザムの箱には「ひざ・足首が自由に大きく可動」って書いてるけど、こんな動きビグザムはしません(笑)
もっと、ノッソリドッシリ歩くもんです。
旧キットってめっちゃいいですよ~
そんなこんなで、今回は「旧キットが初心者には難易度が高いと言われる理由」を3つご紹介しました。
でも、ここまで書いた僕が言うのもなんですが・・・
「初心者はぜひ旧キットを作ってみましょう!」
何故なら「安い」というのもあるし、「パーツが少ない」ので比較的短い時間で作れます。
また「めちゃくちゃいい練習台になる」のが大きな理由です。
ただ作るだけじゃなく、合わせ目消しも挑戦しちゃいましょう。
筆塗りでもいいので、塗装もしちゃいましょう。
立たせて飾ればいいので、隙間とか塗らなくてもいいんです。
見えるところだけでも、最大限にキレイに作ろうとすることこそ、いい練習にもなり、それこそ「旧キット」が我々モデラーに与える試練なのです。
旧キットはたまーに再販されるので、お店で見かけたらぜひ買って挑戦してみてください。
最近のキットとは全く違う、古き良きガンプラを体験することが出来るでしょう。
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