誰かの一番 わたしの一番 2



「『確信』の意味を調べてみたら?」

あーなるほど。調べてみよう。


“確信とは、
固く信じて疑わないこと。”



「てことは?」
「誰かにとって一番かどうかは…」
「相手が一番だと思ってくれてるに
違いない!って、固く信じて疑わない
ということね」

「相手に『確』認してから『信』じる
のではないってことだわね」

え?じゃあ何を信じればいいの?

「は?」

だって確認しないとわからないよ…。

「じゃあさ、わたしが一番?って聞いて
相手がうんうんっそうそう!って
軽い返しをしてきたら?」
「あーやっぱわたしが一番なのね!って
思える??」
「え?一番?…なんだよね?って
ちょっと疑わない??」

たしかに。
ちょっと… イヤ、かなりあやしむ。

「でしょ?!」

「そうなると、
信じるのは相手の言うことではなく…
『自分の感覚』てことにならない?」

「この人は信用できる人だ!とか、
今この人が言ってることに嘘はない!とか」
「これって全部
『自分自身の感覚』だよね?」

たしかにーー。

「それにさっ、
一番がひとりじゃなくてもよくない?」

え!一番なんだからひとりじゃないの?

「かけっこなら、
一番は最初にゴールした子だけだけど」
「大好きって、競争じゃないからね〜」
「ひとりに絞らなくてもいいよね」

大好きなものはいっぱいあっても
いいってことか。
うん、たしかに。

じゃあさ、
誰かの一番かどうは…
きっとそうだ!っていう
自分の感覚を信じればいいってことか!

あの子にとって、わたしは一番!
だけど、あの子の一番は
わたしだけじゃないし、
わたしの一番もあの子だけじゃなくて
OKってことだよね。

好きな子がいっぱいいて、
好きって思ってくれる子も
1人だけじゃないって…
うん、こっちの方がいいかも!

あーもう、
こんな単純なこと、
なんで見失ってたんだろ。
小学生の頃は当たり前だったかも。
子どものときの方が単純で
純粋に自分の感覚だけで生きてたかも。

難しく考えなくていいってことかぁ。
なんか、目覚めたぞぉー!

ねっ!ぷにぷ!

隣を見ると
ぷにぷはいなくなっていた。

?!!
ぷにぷ、、、

せっかく気づいた答えを
最後までちゃんと聞いてくれないなんて…
ホント、中途半端だなぁ〜ぷにぷ。

本当に隣で話していたのか
白昼夢だったのか?!
ぷにぷは消えて

さっきまでのどんよりもした気持ちも
消えていた。









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