廻し蹴りについて

廻し蹴りで悩むと聞かれる。

昔はたしかに悩んで、色んな蹴り方を集めたものだけど…

じじい(師匠)の一言で、腑に落ちて。
そのうち、気にならなくなった。

綺麗に蹴るのが目的やなくて、
「相手無力化するための手段のひとつ」でしかないし。

でもまあ、派手だしカッコイイのも確かだわな。


「蹴りは前蹴りしか無い」

言葉は端的よね。
ひとつしか無い、と言い切ってる。
でも実際は色んな蹴り方をしてる…
足刀蹴込み、前蹴り、後ろ蹴り、上段廻し蹴り、膝蹴り、掛け蹴り、煽り蹴り…どれもやってる。

何でじゃ?と思ってた。


理屈…体の使い方が同じ、と言ってんだね。
理想は自分の全周…360度を蹴れることだそうな。

で、前蹴りしか無い、という以上前蹴りの動きがベースなんだね。

Tさんの見てると、膝を引き上げて下腿を振り、足を下ろしてるから…引き足をとらない以外は大丈夫。

じゃあこれをどうすれば廻し蹴りになるか、というと…
骨盤の向き、もっと言えば腰椎の角度と方向、股関節の方向となる。

簡単なやり方は…軸足のつま先を外に向け、足を真っ直ぐ、前蹴りのように振り上げる。
そして足を同じ軌道で戻していく
体勢崩さないコツよ。
振り抜いて一回転なら、さっさと回しきることやね。

送り足や上半身のリード、頭の位置なんて、「より上手くやるため」のこつでしかない。
これの意味は、蹴り足に体重を集めやすく、旋回をしやすく、という感じ。
できるなら、でいいのよ。

それよりは、腕でしっかり防御して(両方の意味で)カウンターに備えるほうが現実的。
綺麗に蹴れても、当たらなきゃ意味ないし無防備なら必倒を狙える。


以上が「目に見える」廻し蹴りのコツだけど…

軸足のコツ、見えないほうが実は大事だったりする。

地面を蹴ってその反発力を蹴り足に移す…わけ分からん書き方になるけど、こうなる。
しかも、これは蹴り足と同時…両足を制御してる。
ただ立ってるだけじゃないんだね。

軸足で地面を捉えて体重を移動して…蹴り足で地面から蹴り抜いて膝を折り畳み、
腰骨を旋回して膝で相手を狙い、振り抜いて、
同じ軌道で足を返してきて構えに戻る。
ここまでが1動作やね。

重心はなるだけ前に持っていき、頭と腰の軸は、なるだけ軸足に近いとバランス良いと思う。
これがバラバラだとよくありがちな下手な蹴りになる。
相手に向かって一直線に重心並べると崩れにくいね。

でも、繰り返すけど体勢戻すなり組むなりして、隙を作らんのが蹴りを使うコツよ。
蹴って満足してるから、つけ込まれるんやでKさんや。


コツを羅列しても、本当に意味の通じる文章にならんなあ…
まあ、質問への参考程度でも、なればいいやね。