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はしご

どうしても超えられない壁はあるのかもしれない。

憧れた門の前に立ち尽くすしていた。現役生で迎えた去年は全く歯が立たず、諦めきれない僕はすぐに今年も挑戦することにしていた。
全力は尽くしたが結果はいいものでなかった。自分の個人情報が印字された少しただの髪を右手で握りこんでいた。

すると、目の前から校舎に向けて真っ白のはしごが伸びていった。それはぐんぐん伸びていきついに50mはあろう屋根まで届いていた。
僕はそのはしごを登ることにした。
大丈夫、足元は安定している。
少しずつ登っていいくと、20mあたりで、とりもちのようにねちょねちょとまとわりついてきた。
それでも一心不乱にはしごを登る。
僕は夢を見ているのか。
どんどんと登っていき、そして屋根までたどり着いてしまった。
憧れた場所の壁を、僕は物理的に超えていた。敷地内を行き交う人々の顔は生き生きしていた。
振り返るとはしごは無くなっていた。
戻ることもできない。達成感は恐怖の間で、このままここにいたいというような気持ちで満たされていた。

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