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【店舗調査記録】商業施設オタクが見る2020クリスマス商戦

 今年もこの時期がやってきました!!!小売市場において最も重要な商戦クリスマス!!2020年は感染症拡大の影響もあり、ライフスタイルや消費マインドにも大きな変化がありました。そんな中でのクリスマス。クリスマスリーフレットをかき集め、足を棒にして都内商業施設をめぐりながら、今年の販促動向を調査してまいりました。最後に個人的におすすめのクリスマスケーキもご紹介しますので、今年のクリスマスのご参考に!

■ライフスタイルの変容と今年のクリスマス

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 働き方や生き方などに大きな変化のあった2020年。小売業界に対して最もインパクトが大きかったのは、生活にリズムがなくなりより流動的なライフスタイルになったことではないかと考えています。これまで、金曜夕方、土曜にピークタイムがあり、日曜夕から月曜には落ち着く山型の波動が崩壊し、ピークタイムや曜日が読みにくくなってしまいました。また、従来利便性が高かった都心の駅ビルなどの優位性が低下し、自宅近くのSCやスーパーなどが日常的な買い物の場として頭角してきました。

 奇しくも、クリスマスの販促計画を立てる8月頃は感染症拡大の第二波が訪れ、先行きの見えない不安感に日本中が包まれていました。売上改善の兆しも見えない中、12月の販促物を制作するのは予算的にもモチベーション的にも難儀だったのではないかと思います。一時、GOTOトラベルなどの施策もあり、商業施設も前年比70%80%と持ち直しがみられましたが、11月に入ってからは第三波?を不安視する声も聞かれるようになりました…。

 そうした中迎えるクリスマス商戦。ここ数年、大型モチベーションは低迷傾向、消費低迷の煽りを受けて今年もクリスマス商戦寂しいものとなってしまうのか?それとも、おうち時間が推奨される今年はむしろ内食・中食クリスマスが盛り上がり、ケーキやオードブルの予約が盛り上がるのか?注目のクリスマス、各社で新しいクリスマスの提案が始まりました!

■販促テーマの変容 池西のメッセージ「新しいあたりまえを、抱きしめよう。」

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 今年、個人的にとても好感がもてたのは池袋西武の販促です。きらびやかで華やかなクリスマスビジュアルが多い中で、池西はとってもPOP!

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 柱周りなどに、数字とメッセージとイラストをセットにして並べている様はさながらSDG'Sマーク。他社と差別化して印象に残し、且つ社会性を感じさせるヴィジュアルに「してやられたっ!」と思わず唸りました。

■館内販促の簡略化 勝負はオンラインへ

 クリスマスは通常であれば最大の販促費を打ち込む大型モチベーション。しかし、今年は館内装飾もかなり控え目な印象。大型のツリーやフォトスポットなどは写真撮影のための”密”を避けるためか、やはり数が少ないよう。リーフレットなどもサイズやページ数の減少がみられます。また、高島屋やそごう西武など、複数施設展開の場合には予約用の共通リーフレットを作成し、各施設のリーフは作成しない(もしくはチラシ化)などの対応もみられました。そして、伊勢丹新宿本店はクリスマスリーフは全く作成なし!インフォメーションで問い合わせたところ、オンラインを案内されました。予約については三越伊勢丹オンラインで全て承っているとのことでした。

 しかも、イメージムービーやヴィジュアルがお洒落すぎる。さすがやで。

■冷凍ケーキの台頭

 今年のクリスマスケーキの予約リーフレットをみていてとても印象的なのが、「冷凍ケーキ」のページが多い!!これは正直、例年とは比べ物にならないページ数です。高島屋では見開きで全部で6ページを割いて冷凍配送のケーキやオードブルをご紹介しています。生商材であるケーキは、店頭受け取りが基本ですが、今年は混雑する商業施設にいくのが気が引ける方も多いということで、冷凍配送の需要が急上昇。また、会いにいくことができな遠方の家族などに贈りたいという需要もある様子。ECの利用が広がったことにより、「冷凍」へのネガティブなイメージも、以前よりはかなり払拭された模様。下記の動画でもシェフがおっしゃっているのですが、市販のケーキのほとんどは一度冷凍したものを解凍して店頭販売しています。…ということは、冷凍のまま受け取り、食べる直前に解凍するのが実は一番鮮度が良い!ということなんです。冷凍ケーキの人気が出てくることで、個人店などのこだわりのあるケーキが、日本全国で食べられるようになることはとても嬉しいですね!ちなみに長野在住の私は、神奈川のジブレーさんのケーキを予約しました!

■新しいマインドへの商品提案

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 消費者マインドの変化に合わせた新しい商品提案も見られました。写真は東武百貨店。「シェア」というキーワード自体は、ここ数年のトレンドではありますが、物理的に分割されているケーキの特集は初めて見たように思います。「ワタシの定番ケーキ」は、個人的にはかなり衝撃のキャッチコピーでした!クリスマスという特別感を出したいシーンに「定番」という言葉を当ててくる発想は一周回って刺激的。商品をみると、毎年恒例で販売しているケーキなのだとわかります。しかし、定番だからといってマイナスなのではく、毎年同じ味を食べられることに喜びを感じるお客様だって多いはず。施設側はつい「限定品」「新商品」をお店に要望しがちですが、人件費や売上減などの苦境に立たされる店舗を守るためにも、その店の得意である「定番」きちんと売ることのできる体制を整えてあげることが大切なんじゃないかなぁとワタシは思います。

■おまけ「クリスマスケーキを見まくった湯浅が選ぶシーン別おすすめケーキ」

 いかがでしたでしょうか?今年のクリスマスは25日が金曜日ということで、24日からの2日間が勝負になりそうです。今入っている情報では、クリスマスケーキの予約は好調に推移している様子で、特に高価格帯のケーキの予約が好調とのこと。みなさん、お家で素敵なクリスマスを過ごす予定なんですかね?私はといえば、24日からは臨戦体制で、現場を飛び回る予定ですので、クリスマスパーティは別日に行うことになりそうです…。

 最後におまけとして、私が選ぶ2020おすすめケーキをご紹介します!売り切れてしまうものもあるかもしれませんが、みなさんのクリスマスケーキの参考になれば嬉しいです。

・冷凍ケーキを食べてみるなら…メゾンジブレー<木いちごのノエルショコラータ>

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今年注目の冷凍ケーキ。昨年、南町田のグランベリーパークにもオープンした中央林間のメゾンジブレー。通常地域でしか食べられないケーキが、日本全国どこでも食べられるのは冷凍配送ならでは!

・独り占めしたいこだわりケーキ…ビヤンネートル<ノエル シャンテーニュ>

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月替りのパフェが人気の代々木上原ビヤンネートル。マロンクリームとアールグレイムースの下には、カシスといちじくのコンフィチュール。栗×アールグレイ×カシス×いちじく!聞いただけで香りのマリアージュが想像できます。良い紅茶でも淹れてゆっくり楽しみたいケーキ。

・家族で楽しく過ごしたいなら…レタンプリュス<レ・ドゥー>

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見た目にもPOPな2色のケーキ。定番の苺ムースのケーキに、長らくトレンドを維持しているピスタチオケーキがドッキング。大人も子供も嬉しいケーキです!※24、25日分、すでに完売とのこと…ごめんなさい!

・女子会クリスマスパーティなら…オーボンヴュータン<クロッシュ・デスポワール>

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高さ22センチの鐘をイメージしたインパクト大のケーキ。中には杏やパイナップルなどの果実のポワレが入っていて、甘みと酸味のマッチングが楽しみ。「映え」だけじゃないケーキでパーティの主役に!

それでは、みなさま良いクリスマスを〜。


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