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詩・作詞

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2022年12月の記事一覧

【詩】朱い道

朱い道を一人の女が歩く

導かれた日にだけ潮が引く

一心不乱に女が歩く

朱い 朱い 一本道を 女は歩く

なんびとも決して近寄れぬ

朱い 朱い 濡れた道があるという

なんびとも決して見ることの出来ぬ

朱い 朱い 燃えた道があるという

宿では心臓や脳や目や耳や鼻や口や諸々の肉がつくられては眠りをくりかえす

迷うことなく女は歩く

朱い 朱い 一本道を 女は歩く

顔色ひとつ変えないで

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【詩】風にのって

【詩】風にのって

菩提寺の白壁に立てかけられたタイヤが4本
薄紫の狼煙が真っ直ぐ空に昇ってく

さよならさ
あなたははにかんで
背を向けたけど

いつかまた
どこかで会える
そんな気がする

まだらに広がる初雪が天井を埋め尽くす
手で探れば風の通り道がわかる

さよならさ
あなたはおどけて
じゃあねと手を開く

いつかまた
どこかで会える
そんな気がする

肩たたく
振り返っても
誰もいない
ただ夕日の水溜りに

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