大学院進学に関するお金事情

お久しぶりです。

書きたいこと書きたいだけ書いて満足してしまったためか、しばらく空いてしまいました。

こういうことは思い立った時に書いていかないといけないですね。

Twitterでは140字に収めるのに苦労し、noteでは書かなきゃと思い、遠のいてしまう...なかなかいい塩梅というのはつかめないまま。

今回は「大学院進学に興味がある」「でもお金かかるでしょ」「実際どうなの」という話を私の経験から書いていきたいと思います。

参考になる方もいるかもしれませんし、やっぱり違うな〜と思う方もいるかもしれません。

ので、さらっと読んでいただければ幸いです。


大学院進学のための準備〜お金のこと〜

私は看護師として就職して2年目くらいには、あと数年働いたらカナダの大学院に行って、進んだ看護を学んで日本に帰ってこようくらいに思っていました。

なので留学費用としてお金を貯めなきゃ、と年間100万円貯金を目標にしていました。

当時の年収は450万-500万くらい?

なので、まあまあきつい設定でしたよね。でもカナダに行きたい、その思いで遊びながらもちょっとずつ貯金していました。

看護師3年目くらいになり、その当時付き合った彼との将来を考えるようになり、

安易にも「カナダに行ってわざわざ離れなくても、私が学びたいことって日本の大学院でもできるんじゃないのかな」と考えるようになりました。

最初は、

・大学時代の短期留学先がカナダのバンクーバーであること

・バンクーバー時代にUBC(University of British Columbia)が憧れだった

・ビジネス英語や医療英語をしっかり学びたかったこと

これらの理由から海外大学院を目指していたのです。

しかし、徐々に現実問題、英語のハードルの高さや日本にいたいという気持ちで簡単に揺れてしまいました。

そこで改めて「自分の学びたいことは日本だとどこで学べるのか」と考えた末、

今いるICUで感じている課題を明確にして、学び直したいという思いから、クリティカルケア看護領域に絞り大学院を調べました。(前記事の通り)

当時看護師4年目...貯金はいくらくらいだったかな、結局300万円くらいだったかと。

大学院もやっぱり国公立と私立では全然学費が違います。

国公立大学も大学院説明会行きました。やっぱりネームブランドはあるしかっこいい、でも5年一貫性だったんです。研究の「け」の字もわからないまま5年通って博士まで...なんてリスクが大きすぎて少し考え直しました。

実際に修士は基本的には決められた期間で修了させてもらえることが多いとされていますが、博士課程は求められる研究の質が別格です。大学院の名前を背負っていく学生ですし、教授からしてみたら教え子の質がそのまま自分の教育の質と評価されてしまうので、中途半端な分析や考察では許されません。博士課程修了のレベルに達さない限り学位論文として認められないので、3年で修了と書いてあっても簡単には修了できません。

次に説明会に参加した私立大学院2つは、2年間で修士号です。私は退職して進学をすることを考えていたので、基本的には2年コース。

最初に伺った大学院の穏やかな雰囲気や整った設備に感動し、やや即決めでした。

看護師長にも大学院進学の背中を押してもらいやる気はMax(前述の通り)

受験をより現実的に考えたのは、やはり「お金」「試験内容」「大学院の雰囲気」でした。

今となってはまた違う見方で大学院を選べるんでしょうけど、当時の私は右も左も分からないまま、身近に大学院進学をする人はいないという環境だったので、もう手当たり次第という感じでした。

よりにもよって見学に行った大学院の中で一番高額な大学院に絞りました。

学費は2年間で300万くらい(入学金は別)

ただ、貯金を失うネガティブな気持ちより、この貯めたお金は自分のために使いたい(将来の王子様?との結婚資金にはもったいない)と思っていたので、あまり迷わず、飛び込んでみようと思いました。

「若いうちは借金してでもやりたいことはやりなさい」「勉強したいことは勉強しなさい」と、当時尊敬していた先輩にも言われましたし、背中押された感じで受験しました。


退職金と奨学金(給付と貸与)とバイトでどうにかなる説〜本当のトコロ〜

貯金300万は意外と余裕あった方だと思いますが、結論から言えば、どうにかなります。

まず5年間働いた退職金が120万円支給

雇用保険で支払いしていた分で手当60万くらい(この辺はあまりOPENにしてはいけない気がするのでどうしてもきになる方は別途...)

入学してからの奨学金の説明会に参加して給付型の奨学金に3つほど応募しました。

私は「若さ」「実家が遠方」「実家からの援助がもらえない」「退職をして勉学に集中したい」「修了した後はこのような貢献がしたい」という内容を丁寧に志願理由書として書き、すべて通りました。

3つの一時給付型で10万+15万+8万=35万くらいかな

給付型なので返金の必要なし。ありがたく参考書やレターパックなどに使わせていただきました。

それからこれはどこの大学生・大学院生でも申し込みできるのかもしれませんが、東京都の奨学金(これは貸与です)なので月8万×12か月×2年=192万円がありました。

これは生活費としてかなり重宝しましたし、何よりありがたいのが貸与とはいえ、修了後、東京都の医療機関で5年働くことを条件に返還義務がなくなります。

なので修了してCNSになって(ならなくても)東京都で働くよという方には最高だと思います。

もちろんお礼奉公中の妊娠の産休・育休や介護休暇中も(手続きさえすれば)待っていてくれますのでありがたい制度です。

これだけで初期費用(120+35+60=215万)+月8万円は確保できました。

私は1年生の夏くらいから、大学院生活に慣れてきたので、自分が勤務していた病院で非常勤として採用していただき「夜勤バイト」もしていたので、35000/回で月2回で月7 万円は入ってきていました。

どうにかなる説はあり得るかと思います。


もちろん貯金はあるに越したことはないのでしょうが、最近私の元には「大学院進学は興味がある、でもお金がネックで現実的ではない」という相談がちらほら(ちらほらどころではないかも)

せっかく学びたい、キャリアを考えたいと思って選択肢に入るくらいなら、お金、経済的理由だけでやめてしまうのは勿体無いなとも思うのです。

私の場合はたまたま、海外の大学院に行こうと思って貯めていた300万円があったから少し気持ちの余裕がありましたが、どうにか大学院2年の中で、いろいろなバイト(サマソニの救護やteaching assistant、採血バイト、夜勤)をしたりして、正直貯金をそこまで削らずに生きてこれたかと思います。

私の経験のお話が役に立つかはわかりませんが、なるべくオープンにさらしたつもりなので、ハードルが下がれば嬉しいです。

大学院進学した時に、ベテランのようなすごい人たちが多いのも、これも経済的安定の象徴なのかもしれませんね。

 正直、当時の大学院同級生の貯金額にはあまり触れなかったので、そこのところのの実情はわかりませんが、両親からお金を借りて進学した人、貯金はないからぎりぎりの極貧生活でどうにかやっている人、遠くの実家から通っている人様々でした。看護師長や看護部長レベルの方々もいましたので、その方はきっと余裕あるんだろうなと勝手に思っていました。


今振り返って思うこと〜進学した分の財産はお金じゃないところにある〜

正直、心から大学院に進学してよかったと思っています。ただ、大学院の学費300万+αはその後の給与でキャッシュバックされるかというと、私の病院は専門看護師手当なるものはないので、給与には反映されません。

その後20年働いたとしても学費分戻ってくるか、帰ってこないかと思います。(普通に働いていた場合)

要はそこまでして大学院に行く価値があるかということになります。

これを言うとキレイごとに聞こえるのですが...心から言ってよかったと思っています。充実度が違う、物の見え方が違う(違うと言うより見方が増えた)これに尽きます。

一度臨床を離れる(非常勤として首の皮一枚つないでいましたが)期間は自分自身の看護や実践を振り返る機会になりましたし、大学院で出会った同級生や先輩、後輩は今後も付き合っていきたいくらい素敵な方々でした。

組織・病院に戻った後の景色は全く違うものに見えました。

今こうして、研究や教育、倫理に取り組んでいるのも、ずいぶん大学院で散々ディスカッションした内容が生きてきていると思います。

人生の充実度で言えば、まさにターニングポイントだったなと思っています。

とはいえ、人生は縁だとも思っているので、タイミングよく進学できたことやどうにか修了できたこと、どうにかCNSになれたことはご縁あってのことかなと。

脱線しました、すみません。

決して大学院に行って欲しいという記事ではありません。

ただ、私の場合こうだったよという内容なので、そこは読んでくださった皆さんの取捨選択をお願いしたいと思います。




大学(学士課程)は看護師になるために通い、

修士課程では、看護とは何かを語れるようになり、

博士課程では、看護について教えられるようになる

そのように感じています。


いつか、臨床でこれだと思える研究課題が明確になったその時は、

博士課程の門を叩いてみたいなと思っております。


結局長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございます。



話が変わりますが、Twitterで繋がることができたCNSの方々との交流が盛り上がりを見せていて、臨床の場所を離れたところでも看護について語れる仲間との出会いはかけがえのないもののように感じます。

熱くなりすぎて引かれることもありますが、決して押し売りにならないように、そして興味のある人には何かの参考になったら嬉しい限りです。





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