見出し画像

大人の都合でバラバラにされている子どもの権利を、「子ども家庭庁」でひとつにする!

今回の総選挙、そして、先の自民党総裁選でも大きな話題となった「子ども家庭庁 (※1) 」の創設。大人の都合で蔑ろにされがちな、子どもをド真ん中においた政策を、強力に推進するための組織です。

※1)「こども庁」で報道される場合が多いですが、この組織名称は仮のものです。私は「子ども家庭庁」がいいと考えています。子どもの支援には、親の支援が必要不可欠だからです。

実は、私はもう10年近く前から、子ども家庭庁の創設を訴えてきました。それがここにきて、山田太郎、自見はなこ議員のリーダーシップのもと、政府与党で議論が劇的に進展! 来年の通常国会への法案提出に向けて、議員・官僚・有識者が膝を突き合わせて、子ども家庭庁のあり方を議論しています。私も、その一員です。

そんなわけで、今回の選挙戦でも、子ども家庭庁の重要性を有権者の皆さまにお伝えしています。そんな中、「子ども家庭庁をつくると、親子に、どんないいことがあるのか」という素朴な疑問をいただく機会が何度かありました。

画像1

確かに、ご指摘の通り、「子どもをド真ん中においた政策!」というだけでは抽象的過ぎますね。そこで今回は、なぜ今、この国に子ども家庭庁が必要なのか、私の考えをご報告させていただきたいと思います。

昨年6月、ある大手企業のベビーシッターマッチングサイトに登録していたベビーシッターが、二人続けて、担当する児童に対し性暴力を犯し、逮捕されるという、心胆を寒からしめる事件がありました。

一方、教育現場でも、わいせつ行為で処分された教員の数が、非常に高い件数で推移しているという報道が駆け巡りました。

なぜ、このような取り返しのつかないことが立て続けに起こってしまうのか、未然に被害を防ぐ方法はなかったのか。小児性犯罪は、極めて高い再犯率、常習性が指摘される、卑劣極まるものです。指導的立場にある者が、児童からの信頼を利用し、つけいり、口封じをしてしまうので、犯罪が露見しません。そのため、被害が長期化してしまう傾向にあります。

実際、先のベビーシッターの事件も、親が仕事をしているすぐ隣の部屋で、犯行が行われていました。親に助けを求めようとしても「ママはお仕事してるから入っちゃだめだよ」と言われ、何も言えずにいたのです。

しかし、日本の法律は、ここになんの対策も打てていません。

教員は、どんな卑劣なわいせつ行為をしようと、3年で復職可能(※2)です。保育士は2年で戻ってこれます。ベビーシッターや塾講師など、法律で要件定義されていない職種に至っては、なんの規制もありません。

※2)今年の通常国会で、「わいせつ教員防止法案」が成立し、事態は改善しました。3年で免許の再取得ができるのは変わりませんが、法案は、再取得を認めるのはあくまで「特例」と位置付け、教育委員会がわいせつ事案の内容や本人の更生状況などを踏まえ、交付を拒否できるようになりました。

なお、このわいせつ教員・保育士に対するささやかな規制も、業界をまたぐと、規制の対象外です。つまり、わいせつ教員は、3年間は学校には戻れないけれど、保育現場には今すぐにでも転職が可能なのです。本当に悲しいことに、こういう事態が、実際に起こっています。

親子にとって、保育教育現場は欠かすことのできない大切な場所です。なのに、現状では、小児性犯罪に対し、あまりに無防備と言わねばなりません。

諸外国では、当然のように、ここに手を打っています。例えば、英国にはDBS(Disclosure and Barring Service)という公的サービスがあります。英国で子どもと関わる職場で働くには、このDBSから、過去に性犯罪を犯していないことを証明する「無犯罪証明書」を発行してもらい、それを職場に提出する義務が課せられています。例え、ボランティアであってもです。

どう考えても、日本でもやった方がいいはずです。日本版DBSです。しかし、それが、できないのです。自民党の有志たちが長年取り組んでいますが、突破できない。要因はいくつもありますが、そのひとつに、行政の縦割りがあります。

教員に関しては、文部科学省です。保育士は、厚生労働省。ベビーシッターは、案件によって、厚生労働省だったり、内閣府だったり……。個人の情報を取り扱うので、総務省や、法務省も関わります。警察庁もです。

各省庁は、それぞれの立場から、できない理由を持ってきます。それが相互に複雑に絡み合い、誰も手を出せなくなっています。そして、この、いわば「大人の事情」で、子どもたちが、性犯罪の脅威に晒され続けているのが現状です。


だからこそ、子ども家庭庁なのです。行政の縦割りを打破し、子どもの視点に立って、必要な政策を作れる組織だからです。

政府、そして自民党は、既に動き出しています。党の行政改革推進本部は、菅総理(当時)に、日本版DBSの提言書を手交。総理は「こども庁の政策の柱になる」と述べ、政府として検討することを指示してくださいました。それは、現在の岸田政権にもしっかり引き継がれています。今回の選挙の自民党の公約にも、日本版DBSはしっかり明記されています。

しかし、本件は、実現までハードルがたくさんあります。誠に残念ながら、決して楽観できる状況ではありません。日本版DBSを実現させるには、子どもたちのために、本気で働く覚悟のある政治家の存在が必要不可欠です。

私には、その覚悟と力があると自負しています。ぜひ、私に、親子のために、仕事をさせてください。必ずや、やり遂げてみせます。

大人の都合でバラバラにされている子どもの権利を、「子ども家庭庁」でひとつにする!

よろしくお願い致します!!

画像2