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仕事のセオリー「距離をはかる」

今朝の日経新聞の大学面に就活早期化、7割超が望まずという記事がありましたね。大学の学長向けのアンケートの結果なので、まぁそうだよねという記事ですが。

そもそも大学で学んだことが、大学卒業後に活かされないことが問題の根底にあります。学生から見ると「学業に専念できない」のデメリットよりも「就職活動の失敗」のデメリットの方が大きいという判断の結果とも言えますよね。横に倣っているだけの人も多いので、実際に学生が意識的に判断しているかは別ですけど。

また今の大学生は就活に必要なガクチカが作りにくくて大変という記事も昨日とかにありましたけど、そもそもガクチカ作るために大学に通っていという学生が一定数(むしろ大多数?)いるのも大学側にとっては不都合の真実だな、と。何のために大学に通うのか、大学に進学する目的が「より良い会社(そんなものがあるかは別問題ですが)に就職するため」だとすると、早期化がその目的に沿ったものであるならば大学側が否定する問題ではないはずなので。

さて、今日の仕事のセオリーは距離をはかるです。

だいぶ前に論理的に考えるということはどういうことなのかをnoteに書きましたが、論理的思考の一つは比べる力です。そして比べるためには数字にして単位を揃えたり、事実ベースで考えたりすることが必要です。

例えば、理想に対して今の自分たちがどれくらい離れているのか、という観点で考えてみます。理想状態が「収益性の高い事業」という抽象度では比べにくいですよね、「利益率30%超の事業」と数字にすることで「今の利益率は10%なので20ptビハインドである」と今の事業状態と理想状態の距離が出てきます。

競合に対してもそうです。「業界No.1になる」として、まずはその基準を明確にすることです。従業員数なのか、売上規模なのか、顧客の数なのか、シェアなのか、基準は複数になるかもしれませんが、基準を定めることで相手との距離がわかり、自分たちに何がどれくらい足りていないのかがわかり、より具体的なアクションへの落とし込みがスムーズになります。

計画を立てることの意味もここにあると個人的には思っています。

ベンジャミン・フランクリンは「計画を立てないことは、失敗する計画を立てることだ」と言っているし、アイゼンハウアーは「計画自体には価値がない。それでも計画を立てることは必要だ」と言っています。

計画通りに物事が進むことはほとんどないし、完璧な計画を立てたとしても完璧な結果が得られることも基本的にはないです。それでも計画を立てることで今の自分の立ち位置が分かります。思っていたよりうまくいっているのか、思っていたよりうまくいっていないのか。現実と計画にギャップが生まれることで、どこが予定と食い違っているのか?予定に組み込めなかったのはどの要素なのか?という風にスムーズに問題発見に迎える。

距離をはかることで何をすべきかがより明確になり、無駄な行動が排除される蓋然性が高まるわけです。

言い換えると距離をはかるとは自分自身を知ることとなります。絶対的な価値ってすごく分かりにくくて、人は自分自身の価値を相対的に把握する生き物です。

身長150cmの人がいるとして、成人男性の中では小柄ですが、小学1年生だとすると超大柄です。身長170cmの人がいるとして成人男性の中では標準的ですが、男子バスケットのプロチームの中に入ったら小柄です。

英語でビジネス会話がスムーズにできる人がいるとして、日本においては英語に堪能な人となりますが、英語圏では当たり前だし、日本より英語を話せる人が多い国でも堪能とまでは言えないことも多いです。

良くも悪くも自分と相手の違い、自分の状態と理想状態との違い、それを定量的に把握することで自分自身を知ることになるわけです。

自分自身を把握できたら、今度はそれをどう活かしていくのかを考えていくことができます。どの状況、どの組織で自分がより価値の高い仕事ができるのか。反対に価値を出せないのはどんな状況、どんな会社なのか。

いい環境、いい会社とは自分自身の価値が発揮できる環境、会社だと思っているので。。

ま、そんな感じで今日、日経ビジネスのガリガリ君の値段の記事を読んで5年位前からガリガリ君って70円になってたんだってことを知って、それでもアイスが100円切っているって価格的にすごい優位ですよねって思っての話でした。

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