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「自分は変われる」と信じること

金曜日の最終出社から土日を挟み、はじめての営業日。在籍自体は年末までではあるけど、実質的には無職なわけで、初日から手持ち無沙汰。これを機に体内の不純物や無駄な脂肪などもそぎ落とすべく、人生初のファスティングを試みているけど、ファスティングも何かをするのではなく、何かをしない予定なので、手持ち無沙汰は一切、解消されないですよね。暇だし、お腹すきました。

最近、元サッカー選手の岩政さんをネット上で追いかけているのですが、彼が今日、Voicyで「自分は変われる」と信じられるかどうか、というテーマで話しています。この話を聞いてからだと、岩政さんの意見に引っ張られてしまうので(別にそれはそれで問題はないけど)、タイトルだけを参考にちょっと書いていこうと思います。先週まで毎日、日報として好き勝手書いていたので、その続きみたいなものです。ちなみに岩政さんのVoicy、このあと、自分も聞くけど、気になる人は下の再生ボタンを押すと聞けるらしいです。

計画的ではなかったのですが、30歳と40歳、節目といわれる年齢の前後で、環境を変える選択をしました。前職も現職も、会社の中ではそれなりに悪くない立場で仕事をしており、それなりに悪くない待遇も与えてもらっていました。「それなりに悪くない」という表現は日本人特有のただの謙遜です。

それでもなお、自分を掻き立てるのは「今のままでいいのか」という焦燥感と、その根底にある「自分はもっと良くなるはずだ」という自己効力感かなと思っています。もしくは単純に飽き性で「こっちのほうがおもしろそうじゃん」という自分がいることも否定はしませんが。

10年前に入社したどこにでもありそうなベンチャー企業が急激に大きくなり、社員数が入社時の10倍、売上は20倍となりました。自分の貢献がどれほどなのかはわからないですが、幾ばくかはあったと信じています。この10年、とにかく職務領域が広がり続けました。入社時から、それを望んでいたというのもあるけど、事業からコーポレートまで拡大に伴う様々な歪みを解消すべく、自分が何者かどうか、自分のキャリアとか強みとか、そんなことを気にするよりもただ目の前の課題に、そして自分が所属している会社のためにと打ち込んでいた気がします。

その結果として、会社で必要とされる業務のうち、直接間接問わなければ関わらなかった業務がそれこそ資金調達や本格的な上場準備を除いてないんじゃないかな、というくらい広がりました。今回のキャリアチェンジの際に、様々な会社の人と話しましたが、これくらい広範の仕事を一つの会社でしている人は決して多くない、、というより1000人を超える会社でその役割を同時に担うのは上場企業だと当然、NGだし、、、本当にあり得ない稀有な経験をさせてもらったことに気がつきました。

ただ思うのが、一定のところでは自分の努力の結果として得たものだとしても会社が更に大きくなり、世の中に大きな影響を与え、それこそ時代を動かす企業となるためには一部に集中しすぎる権限、責任は二つの意味で害悪にしかならないということ。

一つ目は組織目線。組織はリーダーの器以上には成長しないというよく言われるやつです。同時に複数の役割を、完ぺきではないにしろ、及第点でもこなすことは簡単なことではなく、仮に、ひとつひとつの業務は自分でやったほうがうまくできるとしても自分の50%の力と時間でやるよりも別のメンバーが100%の力と時間でやった方がいいことの方が多い。自分でやるより任せた方がより多くのことを、より良くできるものです。

また経験が浅く、本当に能力的に厳しい場合は別として、それなりの期間、いっしょに仕事をしてきていると当人たちが思っている以上にメンバーは仕事ができ、リーダーの存在により可能性を制限してしまっていることすらあります。困ったとき、いざというときには、、という心持ちも大事ではありますが、「自分でやらないといけない」と覚悟している方がいい仕事ができるものです。

二つ目は自分目線。自分が作った組織、自分がトップを担っている組織というのは自分にとってどんどん都合がよくなってきてしまうということ。自分がそうでないと思っていっても、周りから見ると「裸の王様」でしかなく、自分にとって耳が痛いことを言ってくれるメンバーは減る一方。忖度されていることにも気が付かずに、自分が偉いような気持ちになってくる。そのうえ、会社での待遇もよくなるし、会社が大きくなっている、会社が成長しているだけなのに社外からの扱いも良くなって、それが自分の力と勘違いする痛い存在になりがち

頭ではだめだと気がついても麻薬のようなもので(麻薬とか知らんけど)、どこかでその待遇に依存し、そのうちに本当に名前や役職ばかりで役に立たない人間になるんですよね。これは恐怖です。

何人かには直接、お伝えしてもいますが、このまま会社に居続けたとして、自分のキャリアのハイライトが今よりも前、過去になってしまう気がふとしたんですよね。そんなに自分次第だとはわかっているんですが、常日頃から、自分自身で自分をどう定義づけるかがとても大事で「自分なんて」とか「自分にはできない」という風に考えていると本当にそうなってしまうよ、なんて言っているし、思っているものだから、ふと、このイメージがよぎった時点で、ここから落ちていくことを猛烈に思い浮かんでしまったんです。

いや、待てよ。自分のキャリアのハイライトが今はおろか、過去であっていいはずがないじゃないか、と。最高傑作はいつだって次回作でないといけないのに。

そこで会社のため、というのはたぶん言い訳で、自分のために、自分が担っていたところを一つずつ後任に引継ぎを行うことを決め、実際に思った以上に自分がいなくても何の問題もないことに気がつき、2020年からはちょっといろいろあって少し揺れながらも今回の決断に至ったわけです。

あ、これって退職エントリーってやつじゃないか、と書きながら気づきましたが、別にネガティブなことを書いたわけじゃないし、いいかな、と。きっと、また書きます。

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