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2020年6月からの21卒就活

こんにちは。間山です。

経団連の選考解禁を迎え、21卒就活も佳境です。このnoteはここまでの就職活動があまり、もしくは、全然うまくいっていない人向けに書いてますが、就活をテーマにしてるだけで若手のキャリア全般に言えるかと思います。せっかく開いたのであれば後半部分だけでも是非読んでみて感想を聞かせてください。

現在の21卒就活市場の状況

言われるまでもなく分かっているとは思いますが、あえて書きます。昨年の20卒の数字では5月1日に50%程度だった内定保有者は6月1日に71%、7月1日には84%に増加していきます。6月1日の速報値を見る限り、20卒と比較して減っていますが、緊急事態宣言が解除され、停止していた採用活動を再開する企業も増えていることから、7月1日の数字については昨年と比べて大きく減少することはないと思います。

割合だとイメージしにくいという人もいると思いますが、仮に84%だったとするとこの一ヶ月で就活生45万人のうち38万人が一社以上の内定を獲得している状態になります。30人のクラスで残り5人くらい。思っている以上に残っている人は少ないと思いませんか。

一社以上の内定を保有していても、就職活動を継続している人もいますので、実際に就職活動中の学生は16%よりはずっと多いと思いますが、楽観視できる理由はないですし、現時点で持ち駒ゼロの人は選考期間を加味すると、残りの16%に入る可能性はかなり高いです。

この一ヶ月で80~90%の就活生が一社以上の内定を獲得する中、自分はこのままだと、その大多数の中に入ることができない

今回、選考が進んでいた企業が急遽、採用を取りやめたという学生もいて、必ずしも自分が悪いわけではないということもありますが、まずはこれを受け止めることが6月からの就活のスタートラインです。

持ち駒ゼロの三つのパターン

この時期に持ち駒がゼロの就活生がすべきことは前回のnoteでも書いたように速やかに一社目の内定を獲得すべく動くことが大事ですが、持ち駒がゼロとなっている理由によって、具体的な初動を変えるべきです。

持ち駒ゼロとなる就活生はこれまでの就活状況で以下の三つのパターンについて書いていきます。

1.これからはじめる「0⇒0パターン」
2.絞って受けている「10⇒0パターン」
3.たくさん受けてきた「100⇒0パターン」

1.これからはじめる「0⇒0パターン」

「0⇒0パターン」で多いのは大学院への進学や公務員試験の受験を予定しており、何らかの理由で民間就職に切り替えることになった人たちです。またなんとなく乗り遅れていて、とか、やる気が起きず、周りが内定をもらいだしてようやく重い腰を上げた人たちも少なからずいるかと思います。

この「0⇒0パターン」にあてはまる学生については

「なぜこの時期まで就活をしてなかったのか」
「本当に就職するのか(公務員試験の保険なんじゃないかとか)」

の二つの質問は必ず聞かれると思って、事前に端的に話せるように準備しておきましょう。公務員試験組は筆記対策は十分としても、全員が面接経験が他の学生と比較して、足りていないのは間違いないです。既に内定をとっている友人などに模擬面接をお願いできるなら是非、お願いして即席の経験値を増やしてください。

またこの時点で「入りたいと思っている企業に落とされた経験がない」という事実はとても不利です。「免疫」がないので無駄に落ち込むことが予想されます。そもそも就活をはじめた時点での第一志望の会社に入社できる人は数%と言われます。「0⇒0パターン」から第一志望の会社に入れると思う方が間違いで、多くの企業はすでにエントリーを締めきっています。海外留学から帰ってきて、という人は独自の選考を残している企業もありますが、残された企業の中から望むものを選んでいく覚悟が必要です。

2.絞って受けている「10⇒0パターン」

「やりたいことがあること」は「やりたいことがないこと」よりも幾分かマシですし、こだわりがあることは悪いことではないです。ただ絞って受けていて今、持ち駒ゼロになっている、もしくは、持ち駒ゼロになろうとしているとすると、貴方がこだわっていたとしても、企業からは評価されていない可能性が高いため、今一度、自分のこだわりの根源にある思いを見つめ直しましょう。

実現したいことの一つの選択肢でしかないことを唯一無二の選択肢と思い込んでいる人は多いです。実際に仕事をしていない状態で天職と判断することは、映画を見たことがない人が映画のタイトルや他の人の評判で一番好きな映画を決めるようなものです。

例えば「人を喜ばすことが好きだからとお笑い芸人を志望する」という人は「人を喜ばすこと」ができる仕事を思いつく限り、紙にでも書き出してみてください。世の中の仕事はすべて他の誰かの役に立つことですので、人に喜ばれない仕事はないとも言えます。もしくはなぜ「人を喜ばすこと」が好きなのかを考えてみてもいいと思いますし、どんな「人」を喜ばしたいと思っているのか具体的に考えてもいいと思います。

どちらにしろ現状の「こだわり」の枠の中で就職活動をしていてもここまでうまくいっていない以上、「こだわり」を抽象化したり、具体化したりと、前に後ろに右に左に動かして、おさまりがいいところを探すことが大事です。おすすめは紙に書いて矢印をひっぱって、問いを立てていくことです。

3.たくさん受けてきた「100⇒0パターン」

これはまさにキャリアチケットがダメといっている「やみくも就活」の典型ですね。

「どこかに自分を採用している企業がある」

幸せの青い鳥シンドローム、白馬の王子様シンドローム、どんな言い方でもいいですが、100社受けて内定がない、もしくはそれに近い状況にあると、このまま受け続けても、傷つくばかりで一社の内定も出ない可能性が高いです。既に100社受けている以上、強いこだわりがないと思いますが、ここは逆に絞り込むことが必要となってきます。

就活は残念ながら「下手な鉄砲も数を打てば当たる」わけではなく、採用する企業から見て、入社後に活躍してくれるかどうか、つまり、企業の業績の維持か拡大のどちらかに貢献してくれるかどうかが判断基準になります。もっと簡単に言うとどこの会社も「仕事ができる」かどうかをジャッジしているわけです。人気企業から10社以上も内定をもらう就活強者と言われる学生が存在しうるのも、企業が求めることの大部分が共通している証左に他なりません。

就職活動における面接は「自分のことを理解してもらう場」ではありません。自分が話したいことを話すのではなく、相手が聞きたいことを話す。相手が自分を採用したいと思える情報を提供することを意識して、自己PRとガクチカを再度、見直してみてください。

具体的な進め方

さて、具体的な進め方です。

21卒については冒頭でも書いた通り、次々と内定が出て、就活を終える学生が増えてきますし、採用を終える企業も増えてくる一方です。この流れが逆に向くことはありません。

ただ次の記事にもありますが、求人倍率が1.0を切ることは21卒に関してはまずありませんので、きちんと探せば、就職先が全くないということにはなりません。厳しいとは言われても、「人生再設計世代」と揶揄される2000年初期に就職した40歳前後の人と比べれば、ずいぶんマシです。当時は2割の人が就職先を見つからずに卒業してましたからね。

とはいえ、ファーストキャリアはできる限り、いい条件を選びたいという気持ちも分かります。そのために重要なのは

「点で考えるのではなく、線で考える」

という思考の転換です。キャリアは積み重ねていく結果でしかありませんので現状の限られた選択肢をスタートとして、そこからどこに伸びていくのか、どこに進んでいるかを未来に向かって構築していきましょう。そのために重要なのは就活後半の企業の選定方法を三つ紹介します。

1.サットンの法則で考える
2.将来のやりたいにつながる
3.自分の可能性を拡げる

1.サットンの法則で考える

何度も脱獄を繰り返したアメリカの銀行強盗、ウィリー・サットンが記者の取材に対して、「なぜ銀行強盗を行うのか」という質問に対し、「銀行にはたくさんお金はあるからさ」と答えた、という逸話が元となっている医療における臨床推論の一つです。

実際に彼がそう言ったかどうかは定かではありませんが、一社目の内定を取るためには一般論として、もっとも可能性の高い選択をするべきで、そこから当たった方が効果的です。一社ずつしか受けられない高校生の就職活動と違って、最初に内定をもらった企業に決めないといけないルールがあるわけではありませんし、「底」が定義されることで先の見えない不安からの解放と受けるべき企業の基準ができることで得られるメリットは大きいです。

採用数が多いA業界、会社の採用数の多い職種Aを狙う

A業界を探すときの基準としては

未来にわたって需要が拡大する、またはなくらない業界

です。例えば、どう転んでも日本ではますます高齢社会が進みますので、医療や介護の業界は市場が拡大しますし、供給より需要の方が明らかに多い可能性が高いですし、IT化や自動化の流れが逆に行くこともそうそうないと思うのでIT業界、エンジニア領域、テック領域は市場の拡大が続きます。人の移動が制限されたとしてもモノの移動が制限されると人々は生活できなくなりますのでECサイトや物流もなくなることはないでしょう。

また職種の選定で「傍流」を狙うのはリスクが大きいので「本流」を狙いましょう。「本流」とはまさに売上をあげている部署や職種です。モノを売っている会社だったら営業職、モノを作っている会社だったら開発職、マーケティングを提供している仕事ならマーケティング職です。仮にデスクワークをしたいのであればデスクワーク職が売上をあげている会社を探しましょう。コールセンターや事務代行のアウトソーシング系の会社がそれにあたります。反対に「傍流」とは例えば経理がやりたい、法務がやりたいというコーポレート部門を志望したり、営業中心の会社でマーケティング職を志望することです。そこに強みがあり、「傍流」の職種で採用されるような学生は志望しても問題ないですが、すでに後半戦ですので、貴方が思う強みは企業からみたら評価に値するものではない可能性が高いので、気を付けてください。

2.将来のやりたいにつながる

二つ目の観点としては明確じゃなくぼんやりしていたとしても「やりたい仕事がある」という前提ですが、将来、やりたい仕事につながる仕事に就くという発想です。

一つ目の採用数が多い業界、企業を選ぶべき理由は「入りやすいから」だけではありません。キャリアとは積み重ねていくものですが、ポテンシャルで新卒を採用する企業は業績の拡大が見えていることが多く、採用数の業界や企業は一般的には伸びていることが多いです。そして、伸びている業界は成果が出しやすいことが少なくありません。

①嫌ではない仕事だが、成果が上げにくい仕事
②嫌な仕事だけど、成果は上げやすい仕事

この二つでどちらが転職時に有利かというと後者の②の仕事です。なので、どうしてもやりたい仕事があるのであれば、それにつながっている仕事として、今からでもエントリーが可能な会社の内、成果を上げることで転職する際に有利な実績を作りにいくという観点はキャリア戦略においては有効です。

例えば、「将来的に起業したい」という人はスキルや経験、またコネや資金など、起業に必要な要素を一つでも多く満たす仕事を探すというのもありですし、「広告代理店」に憧れている人がいるとすると「広告代理店」の職種Aである営業職で転職するために、営業の経験が積め、かつ、成果が見えやすい個人での目標を追いかけるスタイルの会社を目指すのもありです。「ゲーム開発」に将来的に携わりたいと考えているならゲームの開発会社の職種Aである「プログラマー」になるためのスクールに通うだけの時間とお金を捻出するため、一定期間、手段として「やりたくない仕事」をしてお金を貯めるのもありですし、ただ「ゲーム開発」に関わりたいだけなら、比較的スキルが要求されない「テスター」としての就職先を探すのもありです。「ゲーム開発の企画」をしたいのであればいったん「生活のため」と割り切ってなんでもいいので就職はしておいて自分の自由な時間にシナリオを書き溜めておくのもありです。

就職することは目的ではなく、手段であるべきで、自分のキャリアのリスクを負っているのは自分自身なので目的志向でいっとき望まない仕事をすることを厭わないのは正しい選択です。ただし、何年もいたずらに望まない仕事をしていてもしょうがないので学ぶことが何もなくなる前に次の行動に移すようにしましょう。期間としては3~5年としてください。

3.自分の可能性を拡げる

三つ目の観点は「漠然としたやりたいこと」すらまだないという人向けですが、自分の可能性を拡げる選択をすることです。

冷蔵庫にちゃんと食材を入れておき、レシピを習得しておけば、いざ食べたいものができたときにわざわざ外に調達にいかなくても、冷蔵庫から必要な食材を取り出すだけで料理ができますよね。ただ鮮度が大事なものもあるので保存状況はちゃんと把握して、入れ替えたりする必要がありますが。

仕事もそれと同じです。

二十歳そこそこでやりたいことが明確な人の方が少ないですし、仮に明確になっていたとしてもそれが長続きするかというとまた別問題です。就職活動の一番怖いところがこれまで20年間、たいして将来のこととか仕事、キャリアについて考えたことがなかったのにも関わらず、短期的にそれを求められる点です。

今の時点で、やりたいことがなくても問題ないですし、仮にそれを誰かに否定されたとしても凹む必要もないです。社会人生活は思っている以上に長く、40年どころか50年近くありますので、30歳や40歳になったとしてmいくらでも新しいことにチャレンジできます。ただ、いざ、チャレンジしたい何かができたときに実際にチャレンジできるのはその準備をしていた人だけです。レシピを習得し、冷蔵庫の中に食材を貯めてください。

おすすめは「問題解決」と「コミュニケーション」に関する経験や知識ですが、具体的には、自分の「強み」を軸に、どのような能力を身につけるべきかを考えて、選択することが大事です。

例えば、人と話すことが好きで、得意なのであれば、それを伸ばすために「語学力」を身につけられる選択をしたり、「特定の分野」の知識を身につけられる選択をすると強みが活かせる場面が増えます。考えることが好きで得意なのであれば、変化が大きく、問題が次々と出てくる業界や会社を選び「論理的な思考」を身につけたり、「計画を実行に移す」経験を積んだり、また「法務や財務の知識」を身につけることでバランスのいい決断ができるようになるかもしれません。

自分のできることを増やすという観点であれば、どれくらい増やせるかの幅はありますが、どんな仕事であっても発想を変えれば成長機会になるとも言えます。まだ見えない「目的」を達成するための「準備」としてファーストキャリアを選択するのも一つの方法です。

まとめ

読んでくれてありがとございます。乾燥をくれたりシェアしてくれるととても嬉しいです。

自分でできる人は自分でまずやってみることが大切です。いくら悩んでいても、悩んでいるだけは結果は変わりませんので、できることからでいいので、一つでも多く行動を起こしてください。

幸い、就活後半戦においては、エントリーシートの重要性は相対的に低下するので、企業の選定後はひたすら面接が上手になるように訓練するのみです。

それでも一人では無理だな、と思ったら、キャリアチケットに相談してください。キャリアチケットは最後まで21卒の学生の就職を支援します。


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