![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57685791/rectangle_large_type_2_b94862ca69b38aba7135fbdcb0305dd8.jpg?width=1200)
詩「雨に隠れる背中」
何てことはない。傘の中に隠れただけのことだ。消えた背中を見送りながら、歩を進めるこの身もまた傘をさし、葉陰に隠れるようにして、一滴のしずくを見失う。そうしてまた、落とした言葉を忘れていくのだ。この先の角を曲がればにぎやかな通りが開けているはずだが、今はまだ聞こえないざわめきのようなものの前に、わずかに抵抗するように傘の先からもまた一滴のしずくは落ちる。しずくの向こうは雨。雨と雨の間に目をあててみる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?
何てことはない。傘の中に隠れただけのことだ。消えた背中を見送りながら、歩を進めるこの身もまた傘をさし、葉陰に隠れるようにして、一滴のしずくを見失う。そうしてまた、落とした言葉を忘れていくのだ。この先の角を曲がればにぎやかな通りが開けているはずだが、今はまだ聞こえないざわめきのようなものの前に、わずかに抵抗するように傘の先からもまた一滴のしずくは落ちる。しずくの向こうは雨。雨と雨の間に目をあててみる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?