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暗箱

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2021年11月の記事一覧

詩「消失」

からっぽの都市は なぜか懐かしい匂いがして 季節を忘れた 蟻塚みたいなビルに陽が射して 死んでしまう理由はわかるのに どうして死んでしまうのか わからない僕らの手にも陽は降り注ぐ 郊外の空き地で 遠く棚引く煙を見ていたことがあったろう いつだって代用可能な かけがえのないひとりとして 僕らは育てられていく セロファン レーヨン セルロイド 竹 ボール紙 レコード盤 郊外の空き地に落ちていた画鋲が スニーカーの底に突き刺さっては 戦時中たくさんのひとが死んだ 戦後は