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暗箱

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2021年2月の記事一覧

詩「アンテナ」

橋を渡った先の バッティングセンターが閉鎖された 一度だけ ここへ来たことがある 高いフェンスが錆び付いて ネットが風に吹かれて 足元を空き缶が転がっていく 国道沿いの食堂は まだあの時のまま残って 昼下がりの光が 白い軽自動車を照らしている こんなにも経ってしまったと思う度 まだここが在り続けているという 何てことはない 目の前に呆然として 約束は約束のまま 思い出は思い出のまま 見上げた先のアンテナに光が重なって 思わず目を瞑る ここからなら何でも見渡せる 気がして