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転職を考えているすべての人へ

やりたいこと探しの沼にはまっていませんか?

「やりたいことがないんです」とは、私のキャリアカウンセリング歴11年の中で一番聞いた言葉かもしれません。
自分自身の人生をふと振り返ってみると、
「この仕事を通じて誰に幸せを与えているだろうか」
「やりがいを見出し、誰かのためや社会のため自分に何ができるだろうか」
などと考え始めて仕事に熱中できたのは32歳の時でしたし、
フリーランスとしてまったく別の仕事を始めたのは37歳の時でした。

私たちは100歳まで生きるらしいです。
40歳でも、50歳でも、60歳でも、社会のことをこれからまだまだ理解できるし、やりたいことが見つかったり、なりたい自分を目指したりできるはずです。

しかし、いざ転職しようと考えて、思いつくままやりたいことを考えて求人検索をして自身の適職を探す。
そこでたまたまその時期に、たまたま自宅から通えて、そしてたまたま本当にやりがいのある求人に出会える確率のなんと低いことか!
「やりたいことがない」のではなく、やりたいと思っているものが、今この時期の求人にないだけなのかもしれません。

厚生労働省調べで、職種の数は1万7、8千種類あるそうです。
もちろんこの全てが現実的なものではありませんし、まったく自分にとっては的外れだったり、すでに対象外である可能性ももちろん多々あります。
にしてもこの数!圧倒されませんか?
やりたいことを探したい!と思った瞬間からやらないといけないことは、その瞬間に世の中に出ている求人からやりたいことを探すよりも、長い目で見たときに自分自身が心からやりたいと思えることは何で、それを実現するためにどうすればいいのか自分自身の知識を増やすことなのだと思います。
そこがないまま「私のやりたいことは何?」「ガンジス川は答えてくれるかしら?」と自分探しの旅に出ても、そら見つからないこともあります。
ガンジス川はなかなか簡単には言葉を授けてはくれないのです。
ではどうすれば「やりたいこと」って見つかるのでしょうか?

1.どこかに見つけに行くのではなく、自分の中に見つける


「あ~~、もう転職したい!」と呼吸をするように思っているみなさま!
その「転職したい!」というお花が咲いたときに、その根っこの部分を見つめているでしょうか。
「転職したい!」という衝動はなかなかの暴れ者で、いったんあふれ出てくると、次から次へと増殖し、今の会社のいいところを見失わせたり、自分のことも見失ったり、転職というゴールに向かってわき目もふらずに暴走してしまうこともあります。
そんな時に私がキャリアカウンセラーとしてかける言葉は
「少し戦略的に考えてみませんか?」です。
自分がこうだ!と思ってその通り突き進むのはとても気持ちいいですし、「やってやった!」という満足感もかなり高い、特効薬のようなものです。
でもそれに慣れてしまうと、フロー状態が落ち着いたときにまた特効薬を求めてしまいかねません。
人の話をいったん聞いてみる、ちょっと将来を戦略的に設計してみる、自分の知識を増やしてみる、心の奥底をのぞいてみる。
そして自分の今できることややりたいことという特効薬も含めて、ある程度の時間をかけて選択すればいい。
選択肢は増えれば増えるほど、より自分自身の希望に近くなります。
その際に常に考えていただきたいのは「心理的成功」(プロティアン・キャリアより)です。
私はどうなりたいか?だけではなく、どういう状態だと幸せだと言えるのか。
 
キャリアの相談を受けていると、家族の話になったり、上司との関係性の話になったり、将来の夢の話になったりと、キャリアの中にはたくさんの問題が入り組んでいて、人それぞれに大切にしたいものも違っています。
「収入を上げたいから転職したい」と考えていた人が、話していくうちに、ただ経済的に富みたいのではなく、子供がやりたいという習い事をさせてあげたい、家族で旅行に行きたい、家族で何かやりたいと思ったときに経済的な理由であきらめたくないという思いがあったりと、実に様々。
その場合、転職して単に収入が上がったとしても、もし家族との時間が減ってしまうのであれば、「心理的成功」が低くなり、総合的に満足できないかもしれない。
転職で目指すものは何かを徹底的に考え、そのゴールに向けて、今だけでなく先も見据えて戦略的に転職を考えることができれば、それはきっと幸せな転職になるはずです。

2.転職というお花の根っこに何があるのかを探ってみる

転職のお花

さて、美術の成績が常に3だった中途半端な画力の絵をごらんください。
「転職したい」という表に出た思いと、一番目に付く「収入を上げたい」という思いの他に、もしかしたら様々な思いが根を張っているかもしれません。
これらを掘り起こす作業こそ、自己分析と言われるものです。
そして、その根っこ探しは、いくら自分のことだと言ってもなかなか自分自身ではできないことはもはや明確です。
もし一人一人が、「自分のことだから」という理由で自己分析をできるのであれば、この世からミスマッチ就職という言葉は存在しないはずです。
入社した会社をネガティブな理由で辞める時「あ~ミスマッチだった。この会社とはあわなかった。自己分析が足らなかった」と言ってやめる人はとても多いです。
自己分析が足りないではなく、そもそも自己分析の仕方を間違っていた人も多々みてきました。

転職活動で最も大変なことは、実は・・・

お花の根っこを見つめてみようと言いました。
転職したいと考えるその根本をなぜあからさまにして、なおかつそれぞれに対処しないといけないのか。その一番の理由は、転職で最も大変なのは、転職活動自体よりも転職した後だと思うからです。
転職したからには「この人を採ってよかった」と思ってもらいたいし、慣れない企業文化にとまどったり一から何かを覚えないといけないことも多いでしょう。
初めて出会う人々の名前を憶えていくだけでも大変で、今までと仕事のやり方が違っていたり、コミュニケーションツールが違っていたり。
そんな環境の中、支えてくれるものは何でしょうか。
「収入が以前より多い」だけより「収入は以前より多く、残業は少し多いけどこの仕事の先にはやりたいことができる未来がある」くらいのことが明確になっていたらどうでしょうか。
転職活動は、転職したことがゴールではなく、その先をどう描いていけるかにかかっていると言っても過言ではないと思うのです。
 
もし転職活動の段階でキャリアカウンセラーに相談していたら。ちゃんと根っこの部分を一緒に見つめられていたら。
その転職直後の一番大変なときにも、転職後やこれからのありたい姿も見据えて一緒に伴走できると思うのです。
もしかしたら転職という選択を選ばないかもしれません。
答えはかならずみなさんの中にあるはずなのです。
土の中の奥深く、奥深くにその思いがたまっていっているかもしれません。

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