大学嫌い#4

2年生になった。
私は大学に入ってからというもの自分の歩んできた人生が他人より数歩、いや数十歩以上離れていることに気づき始めていた。もちろん背中を追いかける形で。できないこと、苦手と思うことが二十歳を越えてもできるようにならなかった。電車に乗っていて降りる駅を何度も間違えたり、課題を計画的に進めて提出することが出来なかったり、感情のコントロールが難しかったりといった例が挙げられる。今までの学生生活では「なんとなくだらしないなこの人」で済んでいたことが、大学に入ってから浮き彫りになった。

さかのぼると高校時代、毎週レポート提出があった。実習のまとめをノートに書き、(たしか)17時までに提出する、提出が遅れれば受け取ってもらえなかったり減点されたりというものだった。もちろん私は毎週提出が遅れ、遅れえることが当たり前みたいな人間として扱われるようになっていた。出来損ない認定書を全ての教員から頂いてしまった。あと、タイムマネジメントが出来ないので、クラスの中で一番家が近いのに毎朝遅刻ギリギリだった。反省文を書いた月もあった。こんな生活をしていると、毎回友人たちに聞かれる。「家で何してるの」と。私は家に帰るともちろん普通の生活をしていて、お風呂に入ったりご飯を食べて寝るまでの時間を過ごしていた。でも、寝るまでにノートを書いたり明日おきる時間から逆算して早く寝る余裕はあったはずなのだ。なぜできなかったのだろうか。

大学2年生になり対面授業も増えたことから、私はまたもや大学生活からリタイアしそうになった。環境の変化や日常生活に嫌気がさし、学内カウンセリングに通うと、カウンセラーの人が「心療内科」という選択肢を用意してくれた。ひとまずこの生きづらさを相談してみるか、と軽い気持ちで心療内科に通った。

心療内科の先生は私が思っていたよりよく話を聞いてくれた。当時一番困っていたのが睡眠障害で、次に生活しづらいことを話すと、いくつか生きづらさに関するエピソードを聞き出してくれた。幼少期から学生時代、今に至るまで様々な話をした。すると、「ADHDの診断を受けてみませんか」と先生は言った。私の生きづらさを聞き入れてくれる人間がいてくれることで、早くどうにかしなければという焦りが緩和された。私は発達障害の診断を受けることに決め、専門的に診断してくれる機関に赴いた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?