XiaomiとBaiduと宇宙を感じろ〜後編〜
2021年1月18日追記しました。追記分は巻末に載せてあります。
急遽2部作品になった後編です。後編のBaidu編で宇宙の話が出てくるのに前編のトップ画を宇宙兄弟にしてしまい失敗でした。今回も懲りずに宇宙兄弟です。投資に効く名言が多すぎる
後編を読む前に前編をご覧いただけると幸いです
そういえば前編は昼間に追記分を書いてアップデートしています。読んだけど追記分はまだ読んでないという方も一度見てくれるとありがたいです
それでは後編を始めます
前編のシャオミに関することで懸念材料として最近、スマートAIスピーカーの売り上げ成長が鈍化していると書きました。
実はこの分野で今急速に伸びているのが百度のスマートAIスピーカーなんです。えって思いませんか?百度といえばBAT(バイドゥ、アリババ、テンセントの頭文字)の一角で中国検索エンジンの企業です。実はこの分野で中国で一番のシェアは百度です。アリババやシャオミよりも上にいます。これに関して二つ参考になる記事を載せます。
一つ目
二つ目
これを読んで最も重要なのは一つ目の記事のこの部分
この青い部分を見て欲しい。
「業界最先端の人工知能技術」そうなんです。バイドゥから感じる古臭いイメージは捨て去った方がいい。BATの中でもアリババやテンセントに比べて時代遅れの印象の強いバイドゥは巻き返しを狙い、AIに照準を絞ってAIに社運の全てをかけている先進技術を扱う企業へと脱皮をし始めた今後が楽しみなハイパーグロース企業に変身中なんです。
それを裏付けるのがこちら。驚愕のAI企業と言えると思います。
3Qもシャオミなどの成長が鈍化する中でスマートスピーカーの分野でさらに売り上げを加速させています。
そしてバイドゥと言えば自動運転の分野で中国のトップ企業です。バイドゥが推進している自動運転のアポロ計画は凄まじいです。中国はもとより世界中のあらゆる企業や研究機関や有名大学などがこのプロジェクトに参加しています。日本からはトヨタ自動車なども参加してますよ。エヌビディアが参加していると思えば反対陣営のインテルなども参加しているという恐ろしいスケールです。
この下のやつを見てください
総務省のHPに百度のアポロプロジェクトが中国のICT(情報通信技術)の事例として平成30年版の白書に記載されてます。凄いでしょ。
先日はバイドゥ自らEV車を作るということで僕も保有する吉利汽車の親会社の浙江吉利控股集団と手を組んでインテリジェントEV会社設立するというニュースが流れました。
吉利はトヨタ自動車と同じタイミングでバイドゥのアポロ計画に参入してパートナー関係を築いていましたので12月にバイドゥがEV車市場に参入するという噂が出た時にパートナ先として筆頭候補ではないだろうかという期待感はありました。
バイドゥの自動運転に関する内容はこの記事が一番かもしれません。非常によくまとまっていて記事内のリンクを含めて内容量が凄いです。
そして中国の自動運転に関する関連政策は昨年の夏の時点で以下のような感じでした。もっと詳しく知りたい人はこの中のPDFをクリックするともっと凄いのが見れます。
そして11月11日には2025年に新車販売の50%を自動運転にという具体的な目標値が国から出されました。
これを見た瞬間にこれまでの25%から50%は凄すぎるこれはバイドゥがって思いました。この時点でバイドゥの株価は140$台でここですぐに買っておくべきでした。ただこの時の自分の考えはアポロ計画に噛んでいるNVDAの株も多く持ってるし、中国自動運転の分野はBYDとも組んでいる上の日経の見出しにも出ている滴滴(DiDi)の株がIPOしたら欲しいなぁ。バイドゥの株はもともと過小評価されすぎだし上がるだろうけどアメ株で売りたいものも少ないし、まぁいいかなという非常にぬるい判断をしてしまいました。
この時点でDiDiは未上場なのだから例え最終的にDiDiが欲しいとしてもそれまでの自動運転国策恩恵銘柄として、とりあえずのつなぎ役でもバイドゥは買っておくべきでした。
実際にバイドゥの株価が大きく動き出したのは12月に入ってからで12月15日に自社でEVを開発するという計画の観測が出てから一気に加速しました。
この大きな波を逃すとは腹正しい。香港市場の銘柄じゃないのもいまいち触手が伸びづらかった一因なのですが本当にこれは痛かったです。
さて自動運転に付随してバイドゥには重要な要素がもう一つあります。それは地図です。「百度地図(Baidu Map)」僕は中国に行ったことはないですが中国で一番有名な地図アプリは「百度地図(Baidu Map)」ということです。恐ろしい数の人が利用しています。
実は先ほどのAI企業の裏付けの画像は上の記事の最後の一文です。
とにかく地図の分野ではバイドゥが最強です。これが自動運転との相性がいいことはおそらく誰でも分かるでしょう。そしても今後も自動運転のアポロ計画のバイドゥには地図に関する貴重な情報がどんどん集まっていくはずです。この分野では圧倒的な存在になると僕は思います。
昨年テスラも中国国内のテスラ車の地図サプライヤーを百度地図に乗り換えてます。テスラ車はご存知の通り中国でバカ売れしていてバイドゥマップに集まる情報は凄まじいと思われます。これにプラスしてアポロ計画組の情報も今後どんどん集まると思えばこれは圧倒的でしょう。
テスラはマップに頼らないどこへでもマップの力なしでいける自動運転をと言ってますが他の大半の自動運転システムは高精度のマップが要求されます。
ここからちょっと脱線しますがマンガの宇宙兄弟でも月面ローバーの運転で月面マップの重要性が描かれています。
今後の自動運転推進の鍵の一つに高精度のマップは必要不可欠な要素でその分野のトップカンパニーのバイドゥの存在は高精度の地図情報を各自動車企業に提供するという形で非常に恩恵があるのではと考えてます。
マンガの知識も投資に役に立つというわけです。特に宇宙兄弟は投資に役立つエッセンスがてんこ盛りです。連載当初にこんなこと起こるのかよと思ってた宇宙兄弟で描かれている未来は最近ではこれはと思わされたりします。空飛ぶ飛行機をシャオペンがとか
とりわけ宇宙兄弟の中で重要な役割をはたす3Dプリンターなんか最近関連銘柄に突如火がついて凄まじいことになってるみたいですね。
宇宙兄弟は本当におすすめのマンガです。投資に響く名言も多い
僕はこの中の12位のやつが大好きです。
「人の人生にはいくつもの“夢のドア”がある」から始まるやつです
これには続きがあります
それがこちら
これが好きですね。もう圧倒的にに好き。これは投資にも当てはまることだと思う。
株式投資で大きな資産を築くという夢を諦めずにひたむきに努力をしながら
時には失敗することもあるかもしれないけど次のドアに手をのばし続けて小さなドアを開けていれば気付いたら億トレになってるかもよ?
って感じで
みんなが知ってる偉大なCEOとかのやるビジネスでの大きな夢もこうやって叶えられていくのかとかも思います。同じ人間ですから。
そして彼らは些細な日常生活の中で周りの人が気づけない何かヒントを掴んで夢を叶えていくのかなぁとも思います。実はチャンスはそこら中に転がっている。気づくのは難しいけど。マンガの中にもあるくらいだから。これらを拾えるようになりたいと思い、自分は日常生活でも投資のヒントになりそうなことはないか観察と思考を繰り返ししています。
読んでない人も読んだことある人でも投資家視線で宇宙兄弟を読んでみるのもいいかもしれませんよ。
そして劇場版オリジナルアニメの宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)もおすすめです。マンガを読んで24巻くらいのタイミングで見た方がいいです。原作とリンクする題材なのでテレビで放映されてたアニメ版もいいですが20巻くらいの途中のいいところで終わってしまうのでマンガがおすすめです。
小栗旬が主演の実写版映画もありますがこちらは個人的におすすめできません。マンガを読んで欲しいです。
さて話をもとに戻します。
こうやって考えると最近思うんですよね。投信のiFreeNEXT FANG+って自動運転やEVというテーマでもやばくないか?って
テスラ、エヌビディア、ウエイモのグーグル、バイドゥにアップルカーが注目を浴びるアップルに凄いウエイトで投資できて
以前この投信についてバイドゥが1番の不人気でかわりにこれがテンセントだったらなぁって言われてましたがバイドゥのままでよくないか?
めちゃくちゃ強いじゃんこの投信って思います。
僕は毎月楽天証券で楽天カード払いでコツコツと少額積み立て購入してますがスポットで大量に買いたいくらいな構成銘柄の顔ぶれです。
王道+自動運転って感じですね。
さてバイドゥが先日浙江吉利控股集団と提携を発表しました。ここからはこの浙江吉利控股集団の子会社で香港市場に上場する00175吉利汽車について触れていこうと思います。
ここで書いたように香港上場の吉利汽車はあくまでも浙江吉利控股集団の子会社です。
以前吉利汽車に関しては誰かの作ったスレに投資する上で重要なことを箇条書きにしましたが多くのツイートで埋もれてしまいました。ここであらためて説明したいと思います。
吉利っていうとそこそこ知識ある人が真っ先に思い浮かぶのは2010年にボルボカーズを買収したことじゃないでしょうか
吉利汽車の株式はボルボで注目になるのは仕方がないけど
実はボルボカーズは親会社の浙江吉利控股集団が保有していて
香港上場の吉利汽車はその子会社だからボルボの業績が直接のらないということがとても重要です
ボルボカーズと吉利汽車は子会社同士で並列なんだよってこと
だからボルボカーズ買収後も業績面でプラスにはならず株価は5〜6年横ばいだったという事実があります
2016年にボルボのノウハウを詰め込んだLynk & Coシリーズが中国人に大ヒットしたので株価がそこから急上昇しました
(SUVタイプで人気のLynk & Co 01)
さらに親会社の浙江吉利控股集団はボルボだけではなくメルセデスベンツで有名なダイムラーの筆頭株主でもあるということは知っておくべきことでしょう
この関係で次世代向けのハイブリッドエンジンをダイムラーと共同開発しています
2017年にはマレーシアの自動車メーカーであるプロトン株の49.9%を獲得してロータス・カーズの株式も間接的に51%を取得しています
そして2018年にはボルボの商用車部門のボルボグループ(ABボルボ)の筆頭株主にもなってます
そしてここからがとても重要です
既に吉利汽車は上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に重複上場する計画について、上海証券取引所の承認をもらっているということこれはさらなる一手への布石の可能性があります。下のリンクをよくチェックしてください
現在は並列の関係にある吉利汽車とボルボカーズは再編されて統合される可能性が・・・もしこれが実現したらヤバいです
実際に2020年の2月には合併に向けた初歩的な検討に入ったというニュースが流れました。合併後は香港とスウェーデン・ストックホルムの両証券取引所に重複上場する方針という話まで出たましたが夏に出た本土上場の観測で一度この合併観測は立ち消えましたが自分はまだ燻り続けてる感じを受けます。年明けに吉利の会長がこの合併について匂わせ気味な発言もしてたような(ちょっとうろ覚えです。ごめんなさい)この手の話は消えたと思ったらまた噂が現れまた消えるってことが多いので期待のしすぎは禁物かもです。
ただ親会社からの資産注入や統合合併は中国株で一番株価が上がるパターンですし、この統合話は超ド級ですからめちゃくちゃ夢があります。
余談ですが最近神通力に目覚めたかのように呟く銘柄などにビッグニュースが流れます。株価の上下動も凄まじい。そしてこのnoteを書くことを決めてこの吉利汽車とボルボカーズの統合期待について書こうと思ったら、ドンピシャの凄いタイミングで保有株に親資産注入による爆上げがきました。親資産注入なんて滅多に起こらない激レアなニュースですし、本当に驚きで最近まじで身の回りで怒ることがヤバいレベルです。
もし合併が起こった場合に今でもボルボのニュースに株価が少し反応する吉利汽車はボルボのいいニュースで爆上げする銘柄になります。もちろん悪いニュースならその逆ですがボルボカーズがいいニュースが出やすい企業なのは間違いないです。ただ注意したいのは統合合併がボルボカーズのブランド価値を下げることになる可能性ですね。これは統合が起こった場合にどういう形になるのかでも変わってくると思う。ボルボカーズ、吉利、Link&Coなどの独自ブランドの独立性は維持しつつうまくやれるのかは不透明です。
これはまだ起こるか分からない夢のような話ですが、ある日突然ボルボの株主になるかもしれないという夢は自分の中で吉利汽車を保有する上でとても大きい要素です。
そして下は最新ニュースで上がってきた吉利の新発売の中型SUVのKX11。もはや見た目はボルボでめちゃくちゃかっこいい。これは売れるんじゃないだろうか?
昨年コロナのヤバかった2月に発売されたコンパクトSUVのICONもお値段もお手頃で若者に人気を集めてそうな気がします。
そしてコンパクトSUVで忘れてはいけないのはこちら。ダイムラーと関係が深いので合弁でスマートを中国で発売するというもの
こちらも最新情報がニュースで出てました。順調に進展してる感じを受けます。
これらのニュースに加えバイドゥのEVのパートナーになり、僕はお腹がいっぱいです。
各金融機関のレーティングも凄まじいですね。この二つの目標株価はかなりヤバいけど。
最後の材料の前に一回呼吸させてください
僕は最近アメリカ市場のMGAをちょこちょこと買い続けてます。MGAについてはものづくり太郎さんのこの動画が分かりやすいので見て欲しい30分くらいと長いですが見る価値は高いと思います
これ見てMGAやべ〜。これは凄いって思った人
だったらこれも凄いニュースじゃないかい
鴻海の中国子会社、富士康科技集団(フォックスコン)が吉利と折半出資して合弁会社を作って自動車OEMをっていうニュース。これってさっきの動画のMGAと同じやつでしょ。
出資比率は各50%で董事長は富士康から派遣される予定。董事会のメンバー5人は、富士康側が3人、吉利側が2人の構成で、鴻海が経営を主導するらしいです。
鴻海といえばアップルが思い浮かぶから万が一将来いろんな噂のあるアップルカーの受注を取れたらヤバいよね。
鴻海はEVオープンプラットフォームの「MIH連盟」も設立している。
最近は倒産寸前まで行ったバイトンと提携してるし
「MIH連盟」のCEOにNIOの共同創業者で2019年離職している鄭顕聡氏を迎えたと発表していてかなりEVへの本気度は高いと思われる。
かなり盛り沢山になったのでこれで終わります。
本当は自分の考える高配当投資や継続して物事を行うことについてもう少し書きたいことがあったけどまたの機会にします。
2021年1月18日追記分
バイドゥについて書き忘れたことがありましたので追記します。この記事を読んでバイドゥがAIに力を入れてることは分かってもらえたと思いますが、
AIってすぐに儲かるって感じじゃないですよね。かなり時間がかかり研究にはコストも非常に多くかかると思います。
2019年に一度は初の赤字に転落しましたし、ここにきてようやく業績が復調しはじめた感じです。
だからAI以外にも割とすぐに業績に好影響を与えそうな何かが欲しいところですよね。そこで注目なのがこの流れです。YYの買収の話。
これは狙いとしては素晴らしいんじゃないでしょうか。
遅れて入ったライブコマース分野ですがただでさえ遅れて入っていてバイドゥが得意な検索ベースが主軸ではかなり物足りないです。検索面での強みを活かしながらやはり映像配信面を強化できなければライバルに太刀打ちできません。その弱点を大幅に改善することができるこのライブ配信プラットホームを持つYYの買収話はバイドゥにとってめちゃくちゃメリットが大きいものになるかもしれません。
中国のライブコマース凄いですよね
凄腕のスタリオンさんにこの動画を勧めたら
こんな回答がありました。
目のつけどころがさすがの一言です。
以前中国株の目利きのnoteで紹介したチェヤンさんがこんなことを呟いてます。
これ見たら中国ライブコマースへの投資の重要性がさすがに分かるのでは?
こういう流れのなかでバイドゥも今後色々と手を売ってくるはずです。出遅れてるのでどれだけシェアを取れるか分からないけど頭には入れといた方がいいと思います。
それはバイドゥに限らずライブコマースが凄そうな中国企業をチェックしたりとか。もうすぐこの分野でTikTokのバイトダンスと並んで本命候補の「快手」がIPOしてきます。このIPOは視聴率も高く注目が集まるでしょう。
YYの買収に話を戻すと僕はこのニュースはめちゃくちゃ驚きました。YYの買収に驚いたのではなくて買収先がバイドゥだったことに驚いたんですよね。
YYはテンセントが買収すると思っていたので、えっバイドゥがってなりました。以前僕が唯一塩漬けていたHUYAがもともとYYの傘下企業だったのでHUYAはテンセントが取りましたからYYもテンセントが買収するだろう。親和性も高いしって感じでした。
バイドゥが必死でまとめた感じかもしれません。モバイルアプリの企業を取れたのは今後うまくいけばでかいかもしれません。
今回は以上です。おしまい。
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