他者評価=価値?小説から見る消費社会のコード【『ウォーク・イン・クローゼット』ブックレビュー】
なぜ読んだ?以前読んだ根本昌夫『小説教室』において、綿矢りさの小説が取り上げられていた。そこで書かれていた、現代社会の性質と絡めた綿矢りさの小説の登場人物分析が面白かった。また、現在の自分の興味(社会学、消費社会論)とも共鳴したため、実際に綿矢りさの小説を読んでみたいと思うようになった。
そんな思いを無意識的に心に秘めたまま、ある日旅行先で訪れた本屋にてこの本に遭遇した。表題作を少し立ち読みし、衣服の観点から「実質的価値<他者評価」テーゼを扱った小説だろうと考え、これは面白