【12/3〜12/9】冬の朝、冷蔵庫、コーヒーは幸せ、万嵐、一歩ずつ、キッチンおこもり、寒い
12月3日 はれ
今暮らしている部屋には窓がふたつあって、東側の窓からモザイクに差し込む朝日にはっとする。この美しさに気づいたのは最近のことだから、とりわけ冬の朝が美しいのかもしれない。
14:30ごろ東京着。すでにまちは夕方の様相で、一日があまりに短い。新宿武蔵野館で「SUPER HAPPY FOREVER」を観る。タイトルに惹かれて観に行ったわけではないけどぜんぜんハッピーな展開はない、ユーミンの歌詞みたいな物語。
文章ゼミで私の梅干し愛がウケて嬉しかった。
12月4日 はれ
在宅勤務。昼ごはんは作り置きの残りを全消化。夜はマッシュルームの水煮を使い切りたくて、冷やご飯をほとんどチキンライスにしてオムライスを作った。こんにゃくと油揚げが半分残っていたので、集中して野菜をしばき、けんちん汁に。
オムライスとけんちん汁。
妙な組み合わせだけど、冷蔵庫の残り物を一掃したり、野菜を刻みまくることでしか満たされない心の部分があるのだよ。
もうねむたいの。21時前。
12月5日 ときどき雨
取材帰りにセキヤコーヒーへ。焙煎して、カウンターで挽いて、ネルドリップしたセキヤブレンドが350円。「安すぎですよ」と小突いてみたら「だって幸せになる人が多いほうがいいじゃないですか」と、さいとうさん。照れるでもないふわりとした笑顔を見て、自然とこちらの頬もゆるんだ。
ちょっとビターで後味は優しい。爪のような月を追うように帰った。
12月6日(金)たしか晴れ
かなり久しぶりに親族以外の五十嵐さんと出会う。3つ目の漢字だけボリュームが大きくて自分の名前がバランスよく書けない、というあるあるを共感してもらえてうれしい。
なぜ五十なのだろう、という話から、キリのいい数字なら「百嵐」「千嵐」「万嵐」のどれがかっこいいかという話になる。その人は「千」かなと言ったが、私は嵐と組むと漢字のはねと払いがシンメトリー的できれいだから「万」がいい。いま調べたら、千嵐という苗字は実在するらしい。万嵐と検索したら中華料理屋がヒットした。
12月7日 さむいとても
半年ぶりに双葉町へ。駅前はだいぶ家屋の解体が進んでいて、新しいアパートもできていた。でかい道路ものびてきていたし、来年にはイオンができるのだ。素晴らしいコーヒーを焙煎するロースターが駅前で焙煎所のクラファンを始めている。ゆっくりだけど進んでいる。このまちで、ひとことで片付けられるものは何もない。
目的は伝承館。開沼博さんと今泉力哉監督が「記す」をテーマに対談するというもの。特別に今泉監督のファンというわけではなく、作品も「街の上で」しか観てないけど、情熱大陸とか日頃のツイートからなんだか気になる存在だった。特に印象的だったのが「心の動きも行動だと思ってる」という言葉。どんな映画を作りたいのか、その話がとても面白くてすっかりファンになる。
夜は友達んち。たこ焼きパーティー。たらことマヨを入れるのがいい。お腹がはち切れそうなほど食べたのち、「モーリオ」という岩手の焼き菓子の誘惑に負ける。そのまま丸ストーブを囲んでごろごろうたた寝して、ウーバーで呼んだタクシーに転がり込み帰宅。
12月8日(日)
朝、甥ズに朝ごはん。パンとスープが載ったおぼんを運んでいた末甥が、テーブルにぶつかってぜんぶひっくり返す。
ごめんねが苦手な末甥は、後ろで腕を組んでテレビを見るふりをして、絵に描いたような知らんぷりだった。叱ったけどかわいい。
昼前に実家へタイヤ交換に行くのに、父へお礼としてグリーンカレーを量産。タッパーに詰めて持って行き、父が作業している間にジャスミンライスを炊いて鍋にたくさんのスープを作り置く。
夕飯はふるさと納税で鮭が届いたので焼く。それとストウブ鍋に大量のけんちん汁。並行して作り置きのハヤシライスをこしらえ、食後にもうかざめの煮付け、豚丼の頭、ほうれん草のごま和えを作っておく。
夕飯担当、今週はずっと夜不在につき罪滅ぼしのキッチンおこもりでした。
12月9日(月)
風がものすごく冷たくて、散歩もままならない。
暴力的な寒さを前に、ただ怯えることしかできない。