「本当は大切だけど、誰も教えてくれない 学級経営 42のこと」大前暁政著(明治図書)
「学級経営」をさらに詳しく学ぶ
学級経営に関して,かなり系統的にまとめられた本。
まず,学級経営には,優先順位が存在すること。
最初に指導することは何なのか。
そして,学級経営の最終的なゴールは何なのか。
それを詳しく,丁寧に解説があるので,よく理解できます。
まず,学級経営の系統が示されます。
そして,具体的な方法が示されます。
荒れて荒れて,どうしようもなかった学級が,たった1年で,
劇的なまでに変わるというのは,現場の厳然たる事実です。
私たち教師は,現場で裏打ちされた,確かめられた理論と方法を学ばないといけないな,と感じます。
「子供は勝手に成長する」と言って,自然のままに任せておいて荒れてしまった学級はいくつもあります。
荒れなくても,日々を平穏無事に過ごすことで精一杯の学級もあります。
いじめが噴出しているのに,放置されている学級もあります。
いじめや生徒指導の問題で,事件が立て続けに起きている学級もあります。
私たち教師は,学級経営に関しても,専門的な知識を学ばないといけないなと強く思うのです。
本書のよいところは,ゴール側から考えるという大切さを示してくれていることです。
例えば,4月最初の指導は,最終的なゴールを意識してやっているか,ということです。
行き当たりばったり,その場しのぎの指導と,
ゴールを意識した指導とでは,
その指導の効果はまったく違ってきます。
ここでまたも思うのです。
学級経営の最終的なゴールを知らないままの教師がいた場合,
そもそも学級経営ができるのだろうか?と。
学級経営に関して,専門的にきちんと学んだ人は,多くありません。
しかし,学級経営には専門的な知識が必要なのだということは,多くの人に認知されるようになってきました。
昨今では,保護者や子供ですらが,教師の学級経営に敏感に反応します。
あの先生は,学級経営が下手だ,と普通の日常会話で話がでてくるのです。
知らぬは教師ばかりで,
あの先生の学級経営は50点,
あの先生は,80点と,
評価されているのです。
あの先生だけは担任として当たらないでくれ,と祈られている人もいるぐらいです。
私たち教師は,本来みんなが学級経営を学んでいるはずです。
そして同じ質の学級経営を提供できるはずなのです。
大前暁政著「本当は大切だけど、誰も教えてくれない 学級経営 42のこと」(明治図書)より
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