19世紀のスイス出身の象徴主義の画家 アルノルト・ベックリン
本日は、19世紀のスイス出身の象徴主義の画家である、アルノルト・ベックリン(Arnold Böcklin, 1827年10月16日 - 1901年1月16日)の誕生日です。
ベックリンは、スイスで生まれましたが、ドイツやイタリアで過ごす時期が長く、フィレンツェ近郊のフィエーゾレで亡くなったと言われています。
下記「目次」の「ギャラリー」の項目以下において、ベックリンのいくつかの作品を鑑賞することができます。
ベックリン
自画像、1873年
小学館の日本大百科全書(ニッポニカ)には、ベックリンについて、次のように記載されています。
スイスの画家。10月16日バーゼルに生まれ、1845年デュッセルドルフ美術学校のJ・W・シルマーについて学ぶ。
以後アントウェルペン、ブリュッセル、そしてジュネーブでは風景画家カラムAlexandre Calame(1810―64)のもとで修業。
48年のパリ旅行から各地を巡り、50~57年ローマに滞在。ここで風景と神話に取材した作品を制作する。
59年ミュンヘンで催した作品展で『葦(あし)のなかのパン』(ミュンヘン、ノイエ・ピナコテーク)が物議を醸す。
ノイエ・ピナコテーク
60~62年ワイマール美術学校で教えるが、再度イタリアに赴く。その後バーゼル、ミュンヘン、チューリヒに2、3年ずつ滞在した以外はフィレンツェで過ごし、1901年1月16日同近郊のフィエーゾレで死去。
彼は風景画から出発して神話に由来する象徴、幻想の画風に移り、印象派とは対極的な世界を開拓した。『死の島』(1880・バーゼル美術館)などのほか自画像も多く、『死と一緒の自画像』(ベルリン、ナショナル・ギャラリー)はこの分野の代表作である。[野村太郎]
また、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「アルノルト・ベックリン」の説明において、「象徴主義の画家」について次のように記載されております。
19世紀末のヨーロッパの美術界はフランス印象派の全盛期であったが、戸外にキャンバスを持ち出し、外光の下で身近な風景を描き出した印象派の画家たちとは対照的に、文学、神話、聖書などを題材に、想像の世界を画面に表そうとする象徴主義の画家たちも同時代に活動していた。ベックリンはこうした象徴主義・世紀末芸術の代表的画家の1人である。
ギャラリー
死の島
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「アルノルト・ベックリン」の説明において、「死の島」について次のように記載されております。
『死の島』は暗い空の下、墓地のある小さな孤島をめざし、白い棺を乗せた小舟が静かに進んでいくさまを描いた神秘的な作品である。彼自身、このモチーフに魅せられていたようで、その生涯にこの題材で5点の作品を残している(うち4点が現存)。この作品に見られるように、写実的で緻密な描法と、画面にただよう神秘的・幻想的な雰囲気がベックリンの特色である。20世紀のシュルレアリスム絵画にも大きな影響を与えた。
第一次世界大戦後のドイツでは、非常に人気があり、一般家庭の多くの家に、複製画が飾られていた。中でも代表作の『死の島』は特に人気が高かったと言われ、複製画の他にポストカードの題材としても盛んに使用された。また『死の島』を真似て描く画家も現れた。
"第1バージョン"、1880年、 バーゼル市立美術館
"第2バージョン"、1880年、メトロポリタン美術館
"第3バージョン"、1883年、旧国立美術館
"第4バージョン"、1884年、第二次世界大戦中に焼失
"第5バージョン"、1886年、ライプツィヒ造形美術館
なお、ラフマニノフは、「死の島」の絵に触発された交響詩を作曲しています(1909年)。
ラフマニノフ - 交響詩「死の島」Op.29 アシュケナージ アムステルダム・コンセルトヘボウ
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1983年1月
アムステルダム コンセルトヘボウ
生の島、1888年、バーゼル市立美術館
アレクサンダー・ミシェルスの肖像"、1846年
Hochgebirge mit Gemsen、1849-1850年、バーゼル市立美術館
アルバニアの山で、1851年、
In den pontinischen Sümpfen、1851年、
ローマの風景、1852年頃、ブルックリン美術館
ケンタウルスとニンフ、1855年、旧国立美術館
泉のニンフ、1855年、ティッセン=ボルネミッサ美術館
ニンフを追うパン、1855年、ティッセン=ボルネミッサ美術館
カンパーニャの風景、1857-1858年、旧国立美術館
葦の中のパン、1858年、ノイエ・ピナコテーク
イタリアの風景、1858年頃、旧国立美術館
鬼火 、1862年?、ゲオルク・シェーファー美術館
Faun einer Amsel zupfeifend、1863年
Faun, einer Amsel zupfeifend, 1864-1865年、Lower Saxony State Museum
アンジェラ・ベックリンの肖像、1863年、旧国立美術館
芸術家とその妻、1863-1864年、旧国立美術館
恋人、1866年、チューリヒ美術館
花を摘む少年と少女、1866年、
羊飼いの行い、1866年
彫刻家フリードリッヒ・ウェーバーの肖像、1869年
ケールの廃屋、1870年、バーゼル市立美術館
堆積、1871-1874年、旧国立美術館
ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像、1872年、旧国立美術館
海から生まれるヴィーナス、1872年、Museum Kunsthaus Heylshof
ヴィーナスの誕生、1872年、セントルイス美術館
ケンタウロスの戦い、1872-1873年、バーゼル市立美術館
Astolf reitet mit dem Haupte Orills davon、1873年、バーゼル市立美術館
ルッジェーロとアンジェリカ、1873年、旧国立美術館
セイレーン、1875年、旧国立美術館
Flora, Blumen streuend、1875年、フォルクヴァンク美術館
春、1875年、ライプツィヒ造形美術館
寄せ波、1879年、旧国立美術館
メドゥーサ、1878年頃
海辺のヴィラ, 1878年
アンジェリカを竜から解放するルッジェーロ、1879-1880年
海辺の廃墟、1880年、アールガウ美術館
海辺の廃墟、1881年、クリーブランド美術館
pring in a Narrow Gorge、1881年
冒険家、1882年、ブレーメン美術館
聖なる森、1882年、バーゼル市立美術館
波間のたわむれ、1883年、ノイエ・ピナコテーク
オデュッセウスとカリプソ、1883年、バーゼル市立美術館
ヘラクレスの聖域、1884年、ナショナル・ギャラリー
隠者、1884年、旧国立美術館
早春の農地、1884年、旧国立美術館
海賊の攻撃、1886年、ヴァルラフ・リヒャルツ美術館
戯れる人魚たち、1886年、バーゼル市立美術館
帰宅、1887年
ゴットフリート・ケラー、1889年頃、チューリヒ美術館
70歳のゴットフリート・ケラー、1889年
穏やかな海、1889年頃迄
ネッソスとディアネイラ、1898年
新婚旅行、1890年頃、シュテーデル美術館
自由、1891年
東屋にて、1891年
魚に説教する聖アントニウス、1892年、チューリヒ美術館
Venus Genetrix, 1895年
トリトンとネレイス、1895年、Schackgalerie
戦争、1896年、チューリヒ美術館
チャペル、1898年
ペスト、1898年、バーゼル市立美術館
森の端に、1901年
激怒するオーランド、1901年
海辺のビラ
火山
オデュッセウスとポリフェムス
Villa by the Sea
Moonlit Landscape, 1849
The Muse Euterpe, 1872
The Elysian Fields, 1877
Honey Moon, 1878
Summer Day, 1881
Self-portrait with the wine glass, 1885
Landschaft mit Burgruine, 1847, Alte Nationalgalerie, Berlin
Pan erschreckt einen Hirten, um 1860
Frau Böcklin, 1863
Der Gang nach Emmaus, 1870
Triton und Nereide, 1877
Meeresidylle, 1887, Belvedere, Wien
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