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アイデミーのバリューを再定義しました!

2020年7月20日にアイデミーのバリューを再定義しました。今回は、備忘録も兼ねてアイデミーではバリューをどのように決めたのか、バリュー改定の経緯をnoteに取りまとめたいと思います。なお、バリューの再定義に先駆けて、約3ヶ月前にミッションもブラッシュアップしました。もし、ミッションの検討背景をまだご覧頂いていない方は、以下を先にご一読いただけたら嬉しいです。

1. ミッション/ビジョン/バリューの整理

まずは、アイデミーにおけるミッション/ビジョン/バリューの整理です。先述のミッション策定のnoteでも紹介しましたが、弊社では以下のような整理をしました。

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ミッションは会社の存在意義、社会・世界にどう働きかけていくのかを示し、ビジョンは会社のありたい姿、自分たちはどうありたいかを示すと認識しています。つまり、この2つは外向きか、内向きか、という点で大きく違うのです。

そして、こうしたミッション/ビジョン/バリューで大事なことは、従業員全員が何も見なくてもそらんじることができることです。アイデミーでは、覚えやすさを重視するために、ビジョンは削り、ミッションとバリューの2本立てにすることにしました。今回検討するバリューとは、「ステークホルダーへ向けて社員一同がどのような姿勢で働いていくのかをお約束する価値や行動の指針」であると整理しました。

では弊社のミッションである「先端技術を、経済実装する」を体現するためにメンバー(社員)に期待したい「価値観」「行動指針」(=バリュー)とはどのようなことでしょうか。

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2. アイデミーの従来のバリューと改定の経緯

バリューのブラッシュアップを検討する上で、まず従来のバリューの内容を改めて検討し直しました。現在のバリューは、2018年、オフィスが東大に移転して間もない頃、当時の従業員(10人以下だったと記憶しています)のメンバーで決めました。そこでは、「アイデミーでは全員が科学者です」という根幹のもと、科学者としての精神を大切にするため、以下5つの行動規範を枝葉として据えました。

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個人的には「科学者」という言葉は気に入っており、アイデミーらしい言葉の選定ができたと思っています。しかし、2年以上が経過する中で、メンバーも正社員に限定しても40名以上となり、当時のバリューを議論した記憶を持つ方は少数になりました。また兼ねてより、バリューの数も多く、覚えにくい等の声もあがっていました。さらに、ビジネスモデルもこの2年で変化があり、教育研修ではないビジネスの開始や、法人向けサービスへの注力など大きく変わりました。

こうした変化も大きく、既存のバリューに対する違和感もありましたので、2020年5月、オフィス移転を機にミッションを改定し、改めてこのタイミングでバリューも改定する運びとなりました。

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3. バリュー検討のプロセス

バリューを検討する上で大事にしたことは、「従業員全員で議論する」ということです。バリューは「アイデミーの構成員がどんな働き方をしたいか?」という想いを集結したいと考えました。しかし、正社員だけに絞っても約40名、同じ場所で全員の意見を聞くのは難しい規模です。そこで、あえてSlackを使い、Channel #value-discussion で全員がコミュニケーションできる場を設けることにしました。

これは、IBM出身のあるメンバーが「IBMがバリューを再定義した時、全世界の従業員40万人全員がチャットで地球3周ぶん議論し、Watsonを使って自然言語解析しながらまとめあげた」というエピソードを紹介してくれまして、そこからインスピレーションを得たものです。

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約2ヶ月に渡り、どのような価値観、組織で働きたいか、を全員が言語化しました。その回答をベースに、さらに全員でSlackでブレストし、一旦その要素を概ね3グループに集約しました。その3グループが以下のものです。

・プロフェッショナル
・科学者
・ワンチーム

この3グループをベースに、より理解を深めてさらに意見を発散すべく、7月10日に「Value Discussion」と題して更に建設的な議論を行いました。このValue Discussionは、正社員全員がzoomで3時間かけて開催し、全体での議論と、少人数での議論とを交互に挟みながら議論したものです。

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約40名のメンバーを4グループに分け、それぞれが「プロフェッショナル」「科学者」「ワンチーム」というテーマで30分づつ議論、集約の作業を行いました。ここでの目的は各チームにてアイデミーにおけるこれら3要素を自分たちの言葉で文章として定義していくことです。それぞれの言葉に込められた想いを改めて言語化し、各言葉の文脈を明確にするのがこのセッションの目的です。

なお、Value Discussionの後、バリューの要素を再度取りまとめるべく、社長である石川が言葉のブラッシュアップをしつつ、最終的に3つの言葉に集約させました。

4. 要素①プロフェッショナル

まずは要素の1つ目「プロフェッショナル」についてです。全員で「プロフェッショナルとは」という議題について議論し、取りまとめた内容が以下です。

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このように皆さんの見解を改めて拝見すると、「プロフェッショナル」と「科学者」には類似する要素があると気づきました。ともに、高い倫理観を持つべき、などの内面的な部分(自己マインド)への想いが込められています。

今回はバリューを覚えやすいように、概ね3つ程度に集約したいと思っていました。そのため、内面的な想いは「科学者」側に寄せて、この「プロフェッショナル」では、顧客との関わりやお客様に最高のサービスをお届けしたい、といった、外面的な部分にフォーカスした言葉にブラッシュアップしたいと思いました。

さらに、「お客様」「顧客」といった呼称も統一し、さらにプロフェッショナルへの意識を高める言葉選びを考えました。例えば、プロフェッショナルファームである弁護士などは、お客様のことをクライアントと呼びます。アイデミーでも、お客様に対してプロフェッショナリティを持った対応をすべく、「クライアント」という言葉を採用することにしました。

ここでのクライアントとは、BtoCサービスの場合だとエンドユーザー、BtoBサービスの場合だと企業、経営陣・管理職・学習者など、広い意味での「アイデミーの利用者」を指しています。

上記を踏まえ、最終的なバリューのキーワードは「Client First - すべてはお客様のために」に決定しました。

5. 要素②科学者

次に、要素の2つ目「科学者」についてです。全員で「科学者とは」という議題について議論し、取りまとめた内容が以下です。

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「科学者」という言葉には、技術へのリスペクトが含まれており、アイデミーのバリューを語る上でも、以前から人気のキーワードでした。前出の「プロフェッショナル」で議論された内面的なあるべき姿(自己研鑽/実験思考/仮説を持った行動/事実やデータに向き合う...etc)への期待もこめつつ「科学者」という言葉はそのまま残し、「科学者マインド」というアイデミーらしさを次世代まで継承したいと思っています。そこで、最終的なバリューのキーワードは「Scientific Mindset - 科学者たれ」に決定しました。

6. 要素③ワンチーム

最後に、要素の3つ目「ワンチーム」についてです。全員で「ワンチームとは」という議題について議論し、取りまとめた内容が以下です。

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全員が一つの目標(ミッション)の為に協調することは大切な要素です。アイデミーでの協調とは、目標に向かって個々の船が併走して航海するのではなく、みんなが同じ船に乗っている事が大切です。その為には相互の信頼と尊敬は必須要素となります。

単純に「ワンチーム」とした場合、ラグビーを想起される方も多い事から、アイデミーらしさを表現したく、「One Aidemy」としました。そこで、最終的なバリューのキーワードは「One Aidemy - 信頼と尊敬」に決定しました。

7. アイデミーのバリュー最終案

以上の検討を踏まえ、3つに集約したアイデミーのバリューは以下の通りです。

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1. Client First - すべてはお客様のために
お客様に最高の価値を提供し、期待を超えた感動を追求しよう。

2. Scientific Mindset - 科学者たれ
事実やデータに対して素直に向き合いながら、常に挑戦しよう。

3. One Aidemy - 信頼と尊敬
ミッションを達成するために、全員の力を合わせよう。

バリューの短いキーワードのなかに表現できなかった内容を込めて、アルファベットの後に日本語の補足と、リード文を付け足しました。「クライアントファースト」「科学者マインド」「ワンアイデミー」という非常に覚えやすいバリューになったと思います。

8. アイデミーのミッションとバリューの関係

最後に蛇足かもしれませんが、弊社のミッションとバリューをマトリックスで整理したのが以下の図です。このマトリックスは、「スタートアップ情報と相談局」というLINEオープンチャットにおける、けんすうさんの投稿を参考にさせていただいたものです。

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横軸は、内面(自分や会社というチームなど、自己のなかで完結するもの)⇔外面(自分や会社というチームを超えて、外に対して働きかけるもの)という整理、縦軸は集団(チームで達成するもの)⇔個人(個人で達成するもの)という整理です。

それぞれのミッション・バリューは、互いに牽制しあっているものです。例えば、「お客様の要望に応えようとするあまりに業務委託者やアルバイト(場合によっては社員にも)へ常識を超える過度な負担がかかる」(例:現実的ではない短納期なシステム開発/コンテンツ製作依頼など)ことは避けるべきだと思います。これは、「Client First」というミッションによって正当化されるものではなく、「Scientific Mindset」か?「One Aidemy」か?という視点でみると、避けるべきだと分かると思います。

このように、ビジネスの現場では様々な想いが矛盾し合うこともあると思います。他にも、現状の姿、あるべき理想の姿との乖離など、ベンチャー企業ではこうした葛藤が常に表出します。こうした不一致で共存できない矛盾や葛藤を単に受け流すのではなく、ミッション・バリューと照らし合わせながら昇華させて、解を求めることをアイデミーのカルチャーとして大切にしたいと思っています。

追記(2022/06/10)

制定から2年後、さらにバリューをブラッシュアップして、バリューの数が「4つ」になりました。バリューのブラッシュアッププロセスを以下にまとめているので、是非御覧ください!

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