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エネルギーを編み物で抑える方法

一年前から、編み物を始めました。

自宅で黙々と編むより様々な技術を手にするには、編み物教室に通うのが明解だと思い、思い切って編み物教室に通う事にした。

クラスメイトは、60代から80代の女性ばかりで、もう何十年も編み物を続けている熟練した生徒さん。60代は"若い"というレッテルがおされる教室だ。

編み物をする手つきは早く、次々と編んでいくスピードに全く追いつくわけもなく勝てる技術もない。絹のような細い毛糸ばかり編んでいるお婆ちゃん達…。

歳をとると目が悪くなり細かい物が見え辛くなるのは知らない誰かのデマカセだったのだろうか。

お婆ちゃん達の行動ばかり気になって眺めていた。気がつくと、お婆ちゃん達も隠れながら私を見ている。3、40歳離れた私なんて新人類なんだろう。一年たってもほとんど話しかけてこない。

編み物は私の人生の学びになっている。

編み物教室で私が一番、人生の学びに繋がるものは「スピードを落とすレッスン」。

どうせ急いで作っても、たかがセーター。

せっせと作っても別に必要でもない自作のセーター。

仕事を差し置いて作っても、お婆ちゃん達の湧き出てくる豊富な時間には敵わない。

お婆ちゃん達の技術まで到達するには、私の使える時間を考えると10年はかかるだろう。

急がない。明日に回す、次回に繰り越す。負ける、敵わないを理解する。

これが40代になった私に必要なレッスンだと思っている。どんなにヘトヘトでも、必要なデスクワーク、試作、注文の製作は翌日まで繰り越さずに、23時に店の営業が終わってから朝5時頃まで働いていた。睡眠不足だろうが疲労だろうが、やろうというエネルギーが勝り働いてしまう。

今でもだ。何日も続けたりしていた。

編み物から負けるをレッスンして、仕事のエネルギーを抑えるトレーニングをしているところ。

40代の自分に合わせた働き方改革。

あー、今日の内に終わらせたい。でも本当は、今日終わらせなくても全く困らないものだったりする。

編み物教室を思い出してエネルギーを抑える。


昔からセーターを編んでみたいが夢ではありましたが、本当は特にそのセーターは必要なものではない。

エネルギーを抑えて、自分に負けて作っているセーターは、お婆ちゃん達なら一か月で完成するところ、私はまだ未完成でありながら一年が過ぎようとしている。


あっぱれ。




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