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片桐チハル
2018年7月1日 13:52
まるで炎のまえにいるかのような熱風がホームをはしる。アスファルトの湯気の向こう、遠い記憶をさぐるように景色がにじむ。あなたといると一日がみじかい。起きていても、眠っていても。みじかい一日をたくさん積み重ねて、まばたきの速度で季節が変わる。きっとわたしたちは、あっという間に歳をとる。あとどれぐらい一緒にいられるんだろうね。人生はそう長くない。午前九時の常磐線が肌の温度を奪っていく。