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ターニングポイントとは?

 好きなテレビ番組がある。NHKの「ブラタモリ」だ。
 タモリさんが日本各地を訪れ、その土地の成り立ちや地形をもとに、歴史や文化を紐解く。タモリさんが出演しているので、一見バラエティーに思えるが、なかなかマニアックなのだ。
 石や地形、火山などの地学系が大好きな私にとって、この番組は、どストライクなのである。
 見ていると、博学のタモリさんがポンポンと答え、番組が用意していた行程をポーンと飛び越えてしまうことが多々ある。それがまた、小気味いい。だからこそ、45分に上手く収まる。

 本日、録画してあった「ブラタモリ」を見ていた。
 高知県の四万十川の後編だ。
 四万十川は最後の清流と言われる。なぜそう言われるのか、検証していた。
 地図で確認する。川は、そのまま南下すれば、すぐに海にたどり着いただろう。それがある地点で大きくカーブし、西へと流れだす。内陸をうねうねと蛇行して流れた結果、全長196Kmに及ぶ大河となっている。
「四万十川が語る時、絶対この地点のことを話すよ」
 タモリさんが茶化す。
「『プロフェッショナル』に出てもらいたいね」
 すると、アシスタントの林田アナが乗ってくる。
「パーンっていったら、ここを語るんですね」
 タモリさんがそれらしく語る。
「あそこのカーブですね。ぼくの人生を決めたのは」
「プロフェッショナルとは?」
 あの番組のテーマ曲がBGMで流れる。
「曲がり角です。あれは、いい曲がり角でした」

 あ……!
 私は、息を飲んだ。
 思い悩んでいると、それに関連したことや、解決のヒントになることが現れたりする。私にはそういう事が、よくある。

 ここ最近、「今」が私のターニングポイントかもしれないと思っている。
 ここで昨今問題となっている、カタカナ語である。
 わかったつもりで使っている「ターニングポイント」とは、何ぞや。
 「turn」は「旋回する」という意味の言葉だ。
 意味合いとしては、「人生の曲がり角」として、使っているだろうか。

 さて四万十川は、そのまま真っすぐ太平洋をめざせば、90Kmほどの川だ。しかし真っ直ぐ流れようにも、硬い岩盤が立ちはだかってできなかった。そして大きく旋回し、結果として日本屈指の川となる。 
 
 何が幸いするか、わからないのだ。
 その時はマイナスに思えることも、長い目で見れば、プラスに転ずる。
 私もここで曲がって、流れていこう。大河となろう。
 振り返り、「あれは、いい曲がり角でした」と語ろうではないか。
 そこで、プロフェッショナルのBGMが流れる?
 いやその時はぜひとも、ブラタモリのエンディング、井上陽水のゆるーいメロディがいいなと思うのである。

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