二階堂美術館に行った
暑さをこらえて、日出町の二階堂美術館「文化勲章受賞者30人で振り返る近代の日本画」に行った。日出駅から歩いて3分、小さな美術館である。最終日の昼過ぎのせいか、ゆっくりしていた。
以前見せて頂いた作品もたくさんあったなか、
高山辰雄の「何処へ」は新たに所蔵されたものとか。少女が机の上の数匹の蟻を見つめている絵。この蟻はいったい何処からきたのか。よく観ると机の端に花瓶があって薄桃色の花が挿されている。この花が蜜を持っていて、蟻は花びらにくっついたまま運ばれてきたのか。で、これから何処へ行くのか。
待合室に平山郁夫の「楼蘭の月」もあった。
美術館の開館は平成6年、現在の所蔵は1100点を越えるそうだ。入場料800円と親切。
二階堂美術館は、全国的にも有名な焼酎メーカーが運営している。
私の父は焼酎呑みだった。仏壇にまで供えてもらっている。農業に明け暮れた人生(ビルマに従軍もした)だから絵など観るようなことはなかったが、毎晩、大きい湯呑みに焼酎のお湯割りを作り、顔をくっつけるようにして呑んでいた。戦争そして農業の一生。子供二人も反抗ばかり。ずっと、父は幸せではなかったと思い込んでいたが、毎晩一杯の焼酎で締め括る日々はそう悪くなかったのでは。
素晴らしい絵画を見せてもらったせいか、そんな気がした。