病気になるには、理由があるか。
本日発売の週刊SPA!4/2号にて特集「騙されてはいけない!」と 「エッジな人々」で消化器外科医の石井洋介医師のインタビューを書いています。
特集では、より巧妙になった詐欺や投資被害について。高利回りのソーシャルレンディングの落とし穴など。
「エッジな人々」で取材した石井 洋介さんは、潰瘍性大腸炎から大腸全摘→19歳で人工肛門→ 医師に憧れて偏差値30から医学部受験、という波乱万丈な半生を送った気鋭の医師。
著書『19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』をベースに伺いました。
通常の外科医としての業務のほかに、現在は大腸ガン啓発アプリ「うんコレ」もリリース予定の石井医師。予防医学にも力を入れています。
過去には「生活習慣病は自己責任」と発言し物議を醸した大臣もいましたが、現実的には「〜〜したから病気になった」という因果応報の話で片付くわけではないもの。
話は少しそれますが、私の友人でもあるアメリカを拠点とするポルノスター「まりか」が乳がんを公表し、3月19日に両胸の摘出手術を行いました。
そもそも彼女は裸を見せるプロ。いわば商売道具を全摘するってどれだけの覚悟が要ったことか…。想像を絶するものがありましたが、手術は無事成功したとの知らせが。
そんな彼女に少し前に話をしていた際に印象的だったのが、次のような言葉でした。
「ガンになって、一番言ってほしくないのは“なにか特定の行動をしていたから、ガンになったんだ”ということかな。“君はピルをずっと飲んでいたから、乳がんになったんだ”とか“やっぱりタバコを吸っていたからね”みたいなこと。ピルやタバコはガンになる可能性を上げるものだけど、果たしてそれだけが原因かどうかなんて誰にもわからないことだとも思う」
人間は思わぬ不幸が襲いかかると、その理由を半ば無理やりにでも作り出して、納得をしようしてしまう。けれど因果応報や自己責任論では、当人を傷つけるだけで誰の得にもならないし、そもそも病気は誰の身にも起こりえる。
予防医学が進むのは当然歓迎されるべきものですが、「ちゃんと予防していなかったから病気になったんだ」という自己責任論が醸成されてしまうのでは、という疑問も浮かんだ私。
今回の「エッジな人々」は、石井医師にそのあたりのモヤモヤのボールを投げかけ、まっすぐに受け止めてくださったインタビューだと思います。詳しくは本誌記事を見ていただくとして、石井先生のツイートを引用します。
中年になって、気力や体力も上がり調子なだけではないことに気づいた今、いい意味で「諦め」に向き合った人が放つ言葉に癒された取材でした。
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