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アリゾナ州アンテロープキャニオン

我々の世代のスーパーアイドルと言えばブリトニー・スピアーズ。幼少期からエンターテナーとして育てられ、あの馬鹿馬鹿しい歌の数々を全力で演じ切り、ベガスで酔って間違えて結婚しちゃってキャンセルし、クスリに溺れて坊主にし、挙句の果ては父親に騙されて裁判沙汰。人生含めてエンタメを芸術の域まで昇華した、2000年代を誇るトップアーティストです。

そんなブリちゃんが2002年にリリースした「I’m Not A Girl, Not Yet A Woman」のミュージックビデオで使われていたのがこのアンテロープキャニオン(Antelope Canyon)です。「女の子」でもない、でもまだ「女性」でもない、そんな複雑な乙女心を壮大な景色をバックに謳い上げる名曲で、(別の意味で)女の子でも女性でもない私の心にビンビン響き、当時ヘビーローテーションだったのを覚えています。

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アンテロープキャニオンは、ネバダ州ラスベガス、アリゾナ州フェニックスからそれぞれ車で5〜6時間。アメリカ先住民ナバホ族の居留置にあります。グランドキャニオンからも遠くないので、併せて行く人も多いのでしょうか。
地球のワレメがあり、そこから地下に潜っていくと、赤土の洞窟のようになっていて、自然が創り出した、岩の流線型。その曲線美に、ワレメから差し込む太陽光が筋をつくり、なんとも言えない幻想的な空間です。これまでこのような場所を見たことがないので、なんとも形容し難いですが、神秘的な雰囲気漂う場所です。

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地下にあり、まれに浸水することがあるため、またおそらくネイティブアメリカンの利権を確保するため、個人での観光は禁止。必ずツアーに参加し、グループでの行動となります。こなれたツアーガイドのお兄さんは、軽快な語りで案内してくれるほか、写真の映えスポットや、最適なiPhoneのフィルタ設定、カメラの角度や立ち位置まで指南してくれます。(そもそもiPhoneで撮影時にフィルタをかけられることも知らなかった昭和なワタシ…。)マイクロソフトの標準壁紙にも採用されたことがあるようで、それと同じ写真の撮り方も教えてくれます。次々映えスポットで写真を撮りつつ、次のツアーグループが到着前に先に進まなければならないので、ブリちゃんのように神秘的な空間で少女の余韻をゆっくり楽しむような暇はありませんが、ここでしか見られない景色の写真を沢山撮ることができます。

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ちなみにアリゾナ州は50州でも珍しくサマータイムを採用していないのですが、インディアン居留地ではサマータイムを採用しています。アンテロープキャニオンは居留地と普通の場所の境目で、携帯電話の電波は居留地外から出たものを拾うため、実際の時間と異なる表示になってしまうようです。それでツアーの予約時間に間に合わない人がいるとのこと。
同じ国でも州によって夏時間を採用するかどうかの法律が異なり、また同じ州内でも、先住民の居留地はまた違った法律が適用される。複雑な国だわと思いました。
ちなみに先住民の居留地は税金なども色々優遇されているので、カジノがあったり、酒やタバコの値段も他地域より俄然安いそうです。アンテロープキャニオンで心を洗った後、安い酒とタバコに溺れる旅も中々オススメです。

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