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大好きな芸人さんから声をかけられた日

 約7ヶ月ぶりに、舞子公園を訪れた。

 ここんとこ本当に気候がよいので、意味もなく外出しまくってしまう。
 だって、気持ちいいんだもーん。

 読書なんて家でもできるんだけど、あえて海を眺めながら、海風に吹かれながら。贅沢だわ。
 本の内容が猫バカエッセイというのも、贅沢に拍車をかける。ドレミちゃんかわゆす(萌萌w)。

 橋の下がちょうど日陰になる。

 私以外の方々は、ほとんどが家族連れだった。レジャーシート敷いて、お弁当を広げていた。

 あ。これいいな! と思ったので、近日中に私もお弁当持参で伺おうと思う。

 ふと思い立って、徳島に向かう高速バスの乗り場まで上がってみた。15年以上ぶりになるだろうか。懐かしい。

 ここから乗車すれば、1時間15分〜20分くらいで、徳島に上陸できてしまう。淡路島経由で、片道2回も海を越えるその道中が、私は大好きだった。

 ちらり先述したが、15年以上前のある一時期、私はこの乗り場から、徳島に通いまくっていた。大好きな某芸人さんが、徳島四国放送ラジオのレギュラー番組を持たれていて、収録は自由参加で無料だったものだから、初回からいそいそとお邪魔していたのである。

 気付けばその番組が終わるまでの1年間、月に1〜2回行われる収録に、私は皆勤していた。どんだけヒマやってん! と笑うことなかれ。むしろ超絶忙しい中、休みをやりくりして通っていたのだ。

 この1年間、どれだけの私の親族(かなり遠い親族も含む!)が命を落とし、看護が必要な重病に冒され、そして私自身も病弱であったことか!(爆笑)

 いや、笑い事にするのは不謹慎だということはわかっているのだけど(でも笑)とにかくあの頃の私は「好きに一直線!」で、ひたすらに暴走していたのである。

 この収録通い、楽しかったことの一つが、先述した高速バスだ。とある偶然が重なって、番組開始当初から、その大好きな芸人さんたちが乗車するバスの時刻を知ってしまった。行きも帰りも。

 というわけで私は、高速バスで大好きな芸人さんたちと同じ車内で過ごすことになった。往復2時間半以上の密室で。

 とはいえ、私も大人なので(笑)話しかけに行ったりはしない。お仕事でお疲れのところを邪魔するなんて、無粋以外のなにものでもなかろう。

 でも、同じ車内に、あの方々がいらっしゃるのよー(ムッハー!)みたいな喜びがあったことは否めない。

 こんなタイミングでお金の話も野暮だとは思うのだけど、実はこの徳島通い、私的には決してお高いものではなかった。

 というのが、我が家から、大阪(しかも会場はだいたい、ミナミ)を往復すると、2000円以上の交通費がかかる。プラス、ライブチケットが、2500円とか3000円くらい、だったかな?

 でも、この徳島通いは、今は往復交通費5940円になってるそうなんだけど、私が通ってた頃は、5200円だったのだ。
 で、収録観覧は、無料。経費的には、大阪のライブ観に行くのと、そんなに変わらなかったのである。


 ある日、交通事情で、バスの到着が大幅に遅れたことがあった。これ、大阪のライブに向かうときなら「えー、遅刻したら嫌やな!」とか心配するところなんだけど、なんせ演者(=大好きな芸人さんたち)と同じバスなのだ。

 何の心配もないや・・・と、のんびり待っていたら、血相を変えた男性がいきなり乗り場に走り込んできた。

それは、大好きな芸人さん、その人だった(驚)!

 いつもこの方は、三ノ宮(私が乗車する舞子の、ひとつ前の駅)から乗車されるのだ。なななな、なんで、今、ここに!?

 驚きすぎて逆に冷静になってしまい、私は静かに彼に声をかけていた。

「あら、どうなさったんですか?」

 ・・・どこのマダムだよw w

「三ノ宮で、乗り遅れてもぉたんです!」

 得体の知れぬマダムに素直に返答する、芸人さん。(よっぽどテンパってはったんやね! 涙)

 なるほど。三ノ宮のバスターミナルで乗り遅れたから、慌ててJRで駆けつけたわけだ。仕事やもんね。通常運行なら、この舞子発のバスにも間に合わなかっただろう。だけど。

「良かったですね。今日、バス、遅れてるんですよ。」

 とお答えしたら、彼は笑顔でこう返してきたのである。

「□□に、バスが遅れるようにせえ! って頼んだんや。」

 □□とは、彼の相方さんの名前である。□□さんは乗り遅れることなく、三ノ宮から乗車できたのであろう。

 さて、この日のバスの遅れは、シンプルに交通事情のせいだったのか、それとも□□さんのせいだったのか(笑)今でも謎のままではあるのだけど、とにかくそのバスが乗り場に入線してきたとき、窓からこちら側に満面の微笑みを向けていた□□さんの、安堵しきった笑顔を忘れられない。

 本当にいいコンビだな、と思った。

この2階ブチ抜きのエスカレーターを駆け上がってきたんだろうなぁ、あの日。

 もともと舞子公園は大好きなスポットのひとつだが、こんな出来事もあったなぁ、という思い出がさらに、私の中で舞子の魅力度を上げている。

 さて、次はいつ訪れようか。もちろん、お弁当持参で。

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