花樣年華19年6月12日の衝撃


※この文章には『花樣年華 THE NOTES 1』、『花樣年華 THE NOTES 2』の内容が含まれています。
なお、この文章で言及する「ナムジュン」「ソクジン」「ユンギ」「ホソク」「ジミン」「テヒョン」「ジョングク」は、花樣年華におけるキャラクターのことを意味します。






19年6月12日の衝撃

私が初めてこの日のシーンを読んだとき、衝撃を受けた。
この花樣年華 THE NOTESという小説の凄さを感じたのだ。
もちろん小説の最初から最後まで全体に言えることではあるが、特にこの19年6月12日の一文字一文字を追っていくたび、花樣年華という物語の匂いに全身を支配された感覚は忘れられない。
私は切ない濃度の潮風を感じたし、まるで私の肌まで焼いてくるかのようなジリジリとした夏の日差しを感じたし、7人の切ない目つきと、彼らの口からぽつんと吐き出される言葉の音色を感じた。
誰かが砂浜から立ち上がったときの音さえ聞こえたと思う。ユンギの気怠さも、ジョングクの孤独も、テヒョンの純粋な強さも、姿として目に見えた。

初めて読んだ当時の感情や感覚を100%正確に説明することはできないが、19年6月12日をこよなく愛する者として、ここにその愛を少しばかり書き記しておきたい。

破壊された岩場が全てを語っていた

ホソクが行こうと話を持ち出した、願いの叶う岩場。
なんでも、岩の上で海に向かって願い事を叫べば叶うという伝説があるらしい。
しかし7人がその場所に行ってみると、岩は無かった。
高級リゾート建設のため取り除かれたからだ。
小説を全て読んだあと改めてこのシーンを思い返してみると、このシーンはまさに花樣年華という物語における重要なファクターを凝縮して描いていたのだということに気付いた。
花樣年華では、ソンジュ市の再開発計画が物語を展開させる。
7人の人生の、花樣年華の舞台ともいえるソンジュは、今日明日にでも消えてしまうかもしれない儚さを帯びていたのだ。
19年6月12日の時点での岩場の表象は、その後明らかになるソンジュ市再開発計画、そして7人の関係にヒビが入っていくことを匂わせる伏線だとも言えるだろう。

「夢」の定義

19年6月12日のなかでも、読んでいるときに思わず口を大きく開けて「うわーっ」と叫びたくなったのが、ユンギとジョングクのやり取りを発端とする、「夢」の定義について会話をする場面だ。

「不思議ですね。一生をかけて一番叶えたいことも、絶対に叶う可能性のないことも全部、夢って呼ぶなんて」
引用元:Big Hit Entertainment(2020)『花樣年華 THE NOTE 1』株式会社 Big Hit IP p.34

叫びたくなった。
実際、多分一番最初に読んだとき私は天井に顔を向けて何か変な声を上げていたと思う。
もちろん「夢」の定義が皮肉めいているということ自体にも純粋に面白さを感じた。しかし私は、これが花樣年華であり、これが彼らのする会話だということがもっと好きなのだ。

ドリルの音にかき消される彼らの声

それぞれが自分の場所で、どこにも届くことのない言葉を叫んだ。
引用元:Big Hit Entertainment(2020)『花樣年華 THE NOTE 1』株式会社 Big Hit IP p.37

もはや声を出さずに叫んだ。(私が)

私の最も好きなシーンと言ってもいいかもしれない。
もし友人か誰かにこのシーンの魅力を語らなければならないとしたら私はどう言語化するだろうか。
おそらく、言葉を口を放棄して、表情で語ると思う(笑)。
私がよくやる最終手段である(笑)。

まとまっていないが、自分だけに分かる花樣年華 THE NOTES 読書メモリーにはなったはずなので、このあたりで締めようと思う。
まとめると、私は花樣年華19年6月12日が好きだということです。



ここまでお読みくださりありがとうございました。
これは、ARMYであり花樣年華好きの私が、『花樣年華 THE NOTES1』よりお気に入りのシーンについて独り言を述べる文章でした。






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