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優柔不断のわたしがマンション購入を即決した話

2019年、私はマンションを買った。突然のことだった。
きっかけは、母からの一言。
「一人で暮らしたい」と言われたからだ。

父を早くに亡くし、弟が独立した後、20年近く母と一緒に暮らしてきた。
47歳までずっと実家暮らし。一人暮らしの経験が全くなかった。「自分はダメな人間なんじゃないか?」と、後ろめたい気持ちになったこともすくなからずある。

母の言葉を聞いたとき、私は驚きと少しの怒りを感じた。「どうして今さら?」と。でも、今になって思えば、母は自分の将来のことを考え、私に負担をかけたくないと気遣ってくれていたのだと思う。今は、心から感謝している。

それでも当時は少々頭に血がのぼった状態で、とりあえずパソコンを開いて賃貸物件を検索し始めた。東京23区での家賃の高さには本当に驚かされた。なかなか現実は厳しい・・・・・・。そんな中、ふと「購入」のタブに目が止まり、クリックしてみた。

検索条件は、たしか「駅から徒歩5分以内、築10年以内、ワンルームから2DKまで、価格は3,000万円以内」に設定した。すると、たった1件だけヒットした物件があった。築9年の1DK、駅まで徒歩4分、価格は2,580万円。27㎡でコンパクトながらも、設備はそこそこ充実していた。「家賃10万円のマンションを20年間借りることを考えたら、買うのもアリかもしれない」と思い、すぐに不動産会社に電話をかけた。

その日は木曜日だった。週末に内見ができるか尋ねると、すでに2件の申し込みがあり難しいと言われた。しかし、担当者が「金曜日の夜なら可能かもしれません」とオーナーに掛け合ってくれ、翌日の夜に内見ができることになった。

物件には30代後半の独身女性が住んでいた。明るく気さくな彼女は、パートナーの海外赴任に伴って結婚が決まり、マンション売却を決意したとのことだった。赤いソファや可愛いカーテンがかかっていて、広告に「きれいにお住まいです」と書いてあったとおりだなと感じた。「本当はずっと住むつもりだったんです」という彼女の言葉に、「このマンションは買いだ!」と確信した。

購入予約をしようとしたが、資金の準備が整っている人が優先されるとのことだった。つまり、住宅ローンの審査が必要だった。それからの私は、珍しく行動が早かった。週明けの月曜日、有給を取って朝一番でりそな銀行へ駆け込んだ。事情を話して「できるだけ早く審査をしていただけませんか?」と頼み込んだ。担当者はとても親切な方で、なんと翌日の夕方には「まだ確定ではありませんが、ほぼ大丈夫そうです」と連絡をくれ、水曜日には正式な承認をもらうことができた。
通常なら最低でも1週間はかかるところを、担当者は相当無理をしてくれたのだと今でも感謝している。今でもそのときいただいた名刺を大切に保管している。

そんなこんなで話はトントン拍子に進み、日曜日に契約を締結することが決まった。ネットで物件を見つけてからわずか10日で、2,580万円のマンションを買うことになったのだ。ちなみに、頭金ゼロのフルローン。ファイナンシャルプランナーとしては、少々いただけない無謀な決断だったなと反省している部分もある。でも、これには理由がある。そのことについては、また次の機会にお話ししたいと思う。

・ランチのメニューもなかなか決められない
・洋服を買いにいっても手ぶらで帰宅
そんな優柔不断なわたしがなぜマンション購入を即決できたのか?
今でも不思議だ。
でも、ちょっぴり心当たりはある。

このマンションを買ったことが、私の人生をどう変えたのか?

そのことも含めて、この続きはまた改めて。

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