見出し画像

Nゲージ用 コンテナの年代一覧(国鉄・JR貨物の5tコンテナ編)

どうも、AKCです。
Nゲージで貨物列車用にコンテナを買う時に積載されていた年代を気にする人ってどのぐらいいるのでしょうか。
今回は現在製品化されているコンテナがいつからいつまで使われていたのかをまとめました。
撮っていれば実車のコンテナ写真を交えて掲載します。
数が多いので今回は国鉄とJR貨物の5tコンテナ(11ftと12ft)を掲載します。

(6月27日:20Eコンテナの画像を追加しました)

対象の製品

今回対象にするのは11ft及び12ftの5tコンテナの内
・KATO
・TOMIX(トラックコレクションを含む)
・MICROACE
・朗堂
が製品化したコンテナが対象になります。

5000形コンテナ

使用年代:1959~1984
5000形コンテナは妻面側一方開きのコンテナでコンテナ特急のたから号に用いる為に試作品の20個が作成され、試験の結果は鋼製タイプが量産されることになり、330個が量産された。
KATOとマイクロエースからたから号セットとして全て異なる番号で発売されている。
また、マイクロエースの旧規格コンテナセットに1個(5214)が含まれている。

6000形コンテナ

使用年代:1960~1984

6000形コンテナは妻面側一方開きのコンテナで1960年から1970年まで製造されている。国鉄初のコンテナである5000形の量産型として5180個が製造された。
今日用いられている12ftコンテナより少し小型の11ftでKATOではサイズもしっかりと再現されている。
ただし、このサイズ再現に伴い貨車のコンテナ固定用のツメが同社のチキ5500とコキ5500以外には合わないので、他の形式及び他社製には積載不可能になっている。
国鉄時代末期の1984年に使用されなくなりJR貨物に継承された個体は存在しない。
大宮の鉄道博物館に16127が保存されている。
同社のコキ10000系にも積載されているがこちらは取り外し不可である。
マイクロエースの旧規格コンテナセットに3個(16100,16242,26510)が含まれている他にコキ10000形北海ライナー号セットに積載されている。

C10コンテナ

使用年代:1966~1990
C10コンテナは1966年にコキ10000形と共に登場し幹線における高速貨物用のコンテナとして15126個が製造された妻面一方開きコンテナで、6000形同様の11ftサイズである。
屋根の形状がプレス屋根になっている個体も存在している。
TOMIXからコム1(北海道で使われた2軸コンテナ車)に異なる番号で2つ積載されており、通常の屋根の個体が再現されている。
なお、コム1の冷蔵コンテナ付きとなっている方に白色のC10コンテナが積載されている。恐らくR10冷蔵コンテナをイメージしたもの。
こんてにゃあより5個作れるキットが販売されているが通常の屋根かプレス屋根かを選択できるようになっている。

R11冷蔵コンテナ

使用年代:1965(試作)/1966(量産)~1985
R11コンテナは1965年に900形として2個が試作された冷蔵コンテナを量産するに際して形式名が変更されたコンテナで152個が製造された。
量産型ではクレーン荷役が可能になり(試作型では不可),当時の冷蔵方法であるドライアイスを置くための棚が設置された。
国鉄末期にそれまで国鉄がコンテナを所有し民間に貸し出す方式から各事業者が自社コンテナを有する方式へと移行すると、1982年に私有冷蔵コンテナである「UR1」の登場により当形式は廃止になる。
マイクロエースの旧規格コンテナセットに1個(R11 5)が含まれる。
こんてにゃあよりR10とR11/R12がそれぞれ3個作れるキットが発売されており、R11はコンテナ荷票差しの数と脚の形状が異なる初期製造型と後期製造型の作り分けが可能になっている。


V11 通風コンテナ

使用年代:1968~1985

V11コンテナは妻面側一方開きの通風機能を設けたコンテナで1968年に製造され95個が配備された。
現在使われているV19BやV19Cと異なり小型の通風器が全面に多数配置されている。これらはシャッターで開閉することが可能で有蓋コンテナとしても使用可能。
6000形同様に同社のチキ5500とコキ5500以外には積載できない。
1985年に使用されなくなりJR貨物には継承されていない。
ちなみにKATOのホームページでは2両とも同じ番号のコンテナが積載された写真が掲載されているが実際の製品は2両分10個全て別の番号が振られている。
(昔の製品だと2両セットでも異なる番号は5個だけでそれが2両分入っているという売り方がされていました)

C20・C21コンテナ

使用年代 C20:1971~2008/C21:1974~2006(50000番台は2008)

C20コンテナは1971年に内容量を拡大した妻面一方開きの12ftコンテナで37934個と数多く製造されており、それに伴い製造年代で個体差が生じている。
KATO製のコンテナは初期に製造された個体が再現されている。
黄緑6号に白帯を巻いており側面左上に赤いJNRマークが付けられる。
国鉄時代に製造された本形式は後継コンテナの登場で数を減らしつつもJR貨物に相当数が継承されており、2000年代まで使用されていた。
この継承されたコンテナには個体毎に差異が生まれており、
・JNRマークと国鉄表記が残ったまま
・白帯が無くなりJNRマーク部分に小さく「JR」と書かれたもの
・白帯はそのままでJNRマークと国鉄表記が消去されたもの
・白帯はそのままでJNRマークと国鉄表記が消去され新たに「JR貨物」の表記が追加されたもの
など多様な姿を見せていました。
JR化後も国鉄時代同様の個体もあるのでJR化直後の列車に積載しても良いかも。
また、廃棄されたコンテナが貨物ターミナルの倉庫として片隅に置かれていることもあるのでアクセントとして置くのもありでしょう。
TOMIX製は初期製造個体の3個入りだが同一番号の旧製品と2024年10月に発売予定の中期製造個体のアンカー取り付け部(コンテナを貨車に固定するための緊締装置)が強化された30000番台が5個入りで全部異なる番号のリニューアル品があります。

C21コンテナは1974年にC20コンテナにクレーン自動荷役用のツイストロックを増設した形式として14000個が登場。
ただしクレーン荷役自体は行われずにC20コンテナと一緒に普通に使用されていた。
黄緑6号はC20と同じだが帯が青色になっている。
C20同様にJR貨物に一部継承されており、
・国鉄時代そのまま継承された個体
・帯は青色のままで表記がJR貨物になった個体
・帯は青色のままで国鉄表記が消去された個体
が存在している。
一部は簡易通風器取り付け改造がなされており、50000番台として九州支社と北海道支社に配備されている。
KATO製は国鉄時代の姿でコキ500002両とC20コンテナとのセットで1両分の5個が入っている状態で販売されている。
TOMIXからは九州支社に配備されたC20-50000番台が異なる番号の3個入りで単品販売されている。
またコンテナ付きのコキ5500、コキ10000、コキ50000に異なる番号の4個積みもしくは5個積みで同梱されている。

九州支社配備の50000番台 ベンチレーターを現す「V」の塗装になっている

C31コンテナ

使用年代:1983~2009

C31コンテナは1983年から3500個が製造された側面と妻面が一方向開きのL字型開きコンテナである。
黄緑6号に赤帯が巻かれている。
国鉄末期に製造されJR貨物にも多数が継承されている。
他の国鉄12ftコンテナと同様に形態が
・表記類が国鉄のまま
・表記類が消され何も書かれていないもの
・表記がJR貨物に改められたもの
の3種類があり、特にJR貨物表記になったものは青色で書かれたものと白色で書かれたものがある。
TOMIXから国鉄時代を再現したコンテナが出されているも、長いこと再生産されていないので入手難易度は高い。

C35コンテナ

使用年代:1984~2010
C35コンテナは1984年から11600個が製造されたL字開きコンテナで結露防止用の内部の合板を省略し製作コストを下げつつも容量の拡大を図ったものだが、剥き出しの鋼材による掠れ傷や結露による積荷への損傷など利用者からの評判が悪く内部の合板を再度取り付けた後継のC36コンテナに製造が移行した。コンテナブルーと呼ばれる青色一色にJNRマークを付けているが帯などは省略されている。
国鉄の財政難の結果生まれた存在であるが、JR化後もほぼ全てがJR貨物に継承されており
・そのままで使用された個体
・JNRマークの内「N」だけ消された個体
・新しくJR貨物の表記に変えられた個体
・番号以外の表記が消えた個体
・特定品目の専用輸送用に表記が追加された個体
・試運転用の死重コンテナ(ZD系)に流用された個体
・静脈輸送用(W系)に転用された個体
など後継コンテナによる置換が完了するまで活躍していた。
TOMIXから国鉄時代を再現した同一車番の3個入りが発売されている。
JR化後の姿は限定品である臨時高速貨物8554列車セットに2個だけ積載されている以外は製品化されていない。

C36コンテナ

使用年代:1986~2010
C36コンテナは製造コストの削減を図り内部合板を省略したC35が、合板を省略したが為に結露や内部での衝撃で積荷への損傷が起こり評判が悪くなったことで、再び合板付きでの製造に戻された形式である。
内部の合板以外はC35と変わりない。全部で7500個が製造されほぼすべてがJR貨物に継承された。
模型では国鉄時代の姿の製品は無く、TOMIXからJR化後の個体が限定品の臨時高速貨物8554列車セットに入っている、
・JNRマークが消された個体(6613)
・「JR貨物」の小型表記に変更された個体(7150)
・JRマークに変更された個体(6131)
の3個だけが製品化されている。
TOMIXが2024年7月発売予定の東海道本線紙輸送貨物列車セットの中にC36が二つ(1712と5563)入っており片方の5563はJNRマークが消された個体、もう片方の1712はJRマークに変更された個体になっている。
2006年に発売の8554列車セットから実に18年振りの製品化となる。

JR化後の左端C35と右3個C36 C36はそれぞれ1個ずつで「JR貨物」表記なのはこの製品のみ

C95コンテナ

使用年代:1978~2006
C95コンテナは冷蔵コンテナでは片道輸送になりがちな定温輸送品と通常のコンテナで運ばれる一般貨物(温度管理が不要)を同じコンテナで運ぶために製造された簡易保冷コンテナで600個が製造された。
白と青のツートンカラーに青のピンストライプの塗装を施されていた。
ほぼ全てがJR貨物に継承され
・JNRマークのままの個体
・側面右上に「JR貨物」と書かれた個体
・JNRマークの位置にJRマークが書かれた個体
と姿を変えながらも活躍していた。
TOMIXから国鉄時代の姿で3個入り同一車番の旧製品と2024年10月発売予定の5個入り番号違いのリニューアル品が出されている。

T10タンクコンテナ

使用年代:1964~1996
T10タンクコンテナは国鉄が製造したタンクコンテナで24個が製造された。
植物性硬化油専用で片側にのみ梯子が付いている。
JRには9個が継承されたが1996年に形式消滅している。
現在は鉄道博物館にT10 4が保存されている。
TOMIXから番号の異なる2個入りで発売されていた。
ただし実物の梯子が無い側面に付いている中和剤入れは再現されていない。

18Aコンテナ

使用年代:1987~2010
18Aコンテナは国鉄C40コンテナの後継として製造されたJR貨物初の汎用コンテナで2500個が製造された。
L字開き形状の全面青一色で側面にはクリーム色の斜め線が入ったデザインで左上にJRマークが張り付けられている。
TOMIXから同一車番の3個入りが発売されていた。

実際は18Aと18Dの間に側面両開きの18Bコンテナとコンテナ緊締装置の改良で床面が下がった18A改良型のL字開き18Cコンテナが存在するのだが、
2024年現在どのメーカーも製品化していない。

18Dコンテナ

左からKATO新製品,旧製品,TOMIX製

使用年代:1989~2013

18Dコンテナは1989年から製造された側面二方両開きコンテナで23600個が製造された。
それまでの18シリーズと塗装が異なり帯が2本に増えている。
KATO製はコキ104とのセット製品と単品販売の2種類あり、実質リニューアルでもある単品販売の方は扉のハンドルが実物同様に黄色に塗られているのとフォークリフト差込位置表記が追加された。
コキ104とのセット販売品はV11で述べているように2両セットだが番号が異なるのは5個のみでそれが2両分入っているという方式で売られていた。
実物は2000年代に入ってから産業廃棄物などを輸送する静脈物流専用のW18Dコンテナに改造されている。
2013年に通常の18Dは全廃されているが、コキ107にも300番代までなら積載されている。
TOMIX製は同一番号の3個入りの旧製品と2024年7月に発売予定の番号が異なる5個セットのリニューアル品がある。
同じく2024年7月発売予定の東海道本線紙輸送貨物列車セットに4個同梱されている。
朗堂製は異なる番号の3個入りが製品化されているがコンテナ荷票差しが左側ドアに付いている。
これは私有コンテナのU19Aの位置なのだが金型の共有の結果、実物と異なる位置についている。ただU19Aにしても実物より少し左にズレている。

V18Aコンテナ

使用年代:1987~2011
V18Aは1987年に製造された通風機能付きL字開きコンテナで500個のみ製造された。
コンテナブルーに斜めカーブのクリーム帯にJRマーク付きの塗装で側面には通風器が左右に配置されている。
TOMIXから3個入り同一番号で発売されていたがV18Bコンテナの製品化発表と引き換えに製造中止になった。

V18Bコンテナ

使用年代:1988~2013
V18BはV18Aの緊締装置の改良により床面が低くなり内容量が少し拡大した形式で3000個が製造された。
殆どがV18Aと同じだがV18BはJRマークの下に小さい「JR貨物」が追加されている。
TOMIXから2024年7月に番号が異なる5個入りで新発売が予定されている。

この他に18Dコンテナを通風仕様にした側面両開き通風コンテナのV18Cが存在するが2024年現在製品化されていない。

北九州貨物ターミナルの片隅にある廃コンのV18C ラインが2本になっているのがポイント

19Aコンテナ

19A-1と単品の806 エコレールマーク付きの量産型は製品化されていない

使用年代:1992~2013
19Aコンテナは従来のコンテナより幅を広くし内容量を拡大させた側面両開きコンテナで、試作品の1個と量産型の1000個の計1001個製造された。
試作品の1番は18シリーズと同様の青色だが帯が無く表記だけの見た目をしていた。この1番はTOMIXの限定品の8554列車セットに含まれている。
量産型は上がワインレッドと下が黒の2色塗りに改められた。
こちらはエコレールマークが貼られるまでの時代でTOMIXと朗堂から3個入り番号違いで販売されている。
2024年7月発売予定の東海道本線紙輸送貨物列車セットに2個同梱されている。

19Bコンテナ

リニューアル工事前の19B-1692と工事後の1900R 未更新のまま使用を終えた個体もいる模様

使用年代:1994~2013
19Bコンテナは19Aコンテナが幅を広くしたことでトラックへの積載時に問題が生じたので少し幅を狭くした形式で、4690個が製造された。
19Aと異なり黒色が無くなりワインレッド一色に大きいJRFマークが付いている塗装になった。
後に更新工事を受けJRFマークが小型になり、番号に白丸や「R」が付け加えられた個体が出てくる。
更新工事を受ける前の個体がTOMIXから番号違いの3個入りで出されている他に、8554列車セットに2個含まれている。
更新工事を受けてから2007年にエコレールマークが張り付けられるまでの姿がTOMIXと朗堂から3個入り番号違いで販売されている。
ただ、エコレールマークが張り付けられた後の姿は製品化されていない。
2024年7月発売予定の東海道本線紙輸送貨物列車セットに2個同梱されている。片方がリニューアルされた個体(1918)でもう片方は原型(2578)になっている。

19Cコンテナ

使用年代:1996~2011
19Cコンテナは19Bに荷崩れ防止機能を取り付けた形式で400個が製造された。見た目は19Bと変わらないが19Bと異なりリニューアル工事は行われていない。2007年からエコレールマークが張り付けられている。
朗堂から異なる番号の3個入りが発売されている。
なお、朗堂製の19Cコンテナは19Dコンテナの側面ドアの補強金具が上下2つから真中に1つ追加して3つになった5000番台以降のコンテナ(下の19D-34470参照)を塗り替えて作られているので側面ドアの真中に実物には存在しない補強金具が付いている。
朗堂はベースになるコンテナを塗り替えて形状が似たコンテナを作る事が多いのでこのような事になる。

19Dコンテナ

今も使われる19D旧塗装 この個体は2011年度製

使用年代 旧塗装:1995~現在/新塗装:2014~現在

19Dコンテナは1995年から製造されているコンテナで48216個が製造された。
製造時期により塗装が異なり
・大きなJRFマークの付いた旧塗装(0番台,5000番台,30000番台,80000番台)
・18Dのように小型のJR貨物マークが付いた新塗装(42000番台)
の2種類と
・リニューアル工事で小型のJRFマークがついた個体
・コンテナ輸送開始50周年記念の国鉄コンテナ風塗装(33650~33700,28901)
の計4種類の塗装が存在している。
コンテナ製作所の違いにより妻面のリブ(凹凸形状)の数が異なっている。
また、旧塗装個体は製造途中からキャッチコピーが左上に付く様になり
・「環境にやさしい鉄道貨物輸送」
・「環境にやさしい鉄道輸送」
・「環境にやさしい鉄道コンテナ」
の3種類が19Dに張り付けられている。
また2001年製造の5000番以降は側面ドアの補強金具が2つから3つになっているのと屋根上にリブが追加された。
80000番台は2011年の東日本大震災にて損害を受けた19Dの補完用に製造された。
初期に製造された個体は42000番台や背高の20Dコンテナの登場で廃棄や静脈輸送用(W系)、死重コンテナ(ZD系)への改造が行われている。
模型では旧塗装がKATOとTOMIX,朗堂から製品化されており、新塗装はKATOとTOMIXから製品化されている。50周年記念塗装は25個が入った限定品と3個入りの単品販売がTOMIXからされている。
現在リニューアル工事個体は製品化されていない。

19D-80361 被災した19Dの補完用 30000番台に準拠しているがドアが強化されている
19D-32882 リニューアルされJRFマークが小型に 現在Nゲージでは出ていない
左からKATO単品版、KATOコキ106セット品版、TOMIX改良版、TOMIX旧製品
それぞれに手を加えている

KATO製は旧塗装がコキ106とのセット品と単品発売の2回製品化されている。このコキ106とのセット品は番号がコキ104+18Dの時と異なり2両分10個全て異なる車番になっている。ただしコンテナのサイズが現行品より横幅が少し狭くなっており、隣り合わせで積載すると隙間が目立ってしまう問題がある。単品発売版は番号が変更され自重などの表記類が追加されており、また大きさも改められ積載時の隙間が無くなっている。
ただし、新塗装との金型の共有の為か右下のコンテナ荷票が1つしかない。
実物の旧塗装は5000番台から30000番台まで3つか2つになっており旧製品はどちらも再現されていた。(上の34470は2つで下の20939は3つ)

コンテナ荷票が3つの19D-20939 ちなみに5000番以前は右の19Gのような横並びの形状だった

TOMIX製は3個入りの旧製品と5個入りの改良版の2回発売されている。19Dは製造年度によって妻面のリブが異なっており旧製品は妻面リブが6本の30000番台以降、改良版はリブが7本の30000番台までの個体が再現されている。両方共にコンテナ荷票は3つタイプになっている。朗堂製は側面ドアの補強金具が3つになった5000番台以降が設定されているが屋根上にリブが無い為に実物と一致していない。
ジオコレのトラックコレクション第11弾に80000番台が積載されたいすゞフォワードが含まれている。

19D-23627 妻面のリブが7本で30000番台まではこの形状
左からKATO旧製品,TOMIX新製品,KATO新製品,TOMIX旧製品 リブの違いが再現されている
新塗装の19D-47241 フォークポケットの形状も従来から変わっている

新塗装は2014年以降に製造された42001以降のコンテナに施されたもので
JRFマークが廃止され側面右上に小型のJRマークとJR貨物の表記のシンプルな塗装に。それまで付いていたキャッチコピーも張り付けられなくなった。
以降の19Dは背高の20Dが出るまでこの塗装で製作された。
KATOから5個入りとEF210スターターセットに6個が同梱、TOMIXから単品の3個入りとコンテナ列車増結セットの3個が製品化されている。
ただし、TOMIX製は旧塗装の金型を利用している為か右下のコンテナ荷票差しが3つ付いている。実際の新塗装になる42000番台は1つのみでKATO製は再現されている。(上の47241を参照)

左からTOMIX単品,コンテナ列車増結セット品,KATO製
ドアレバー下の表記は実物も途中で両側への貼り付けから片方のみになっている
記念塗装の19D-33671と通常塗装の19D-39870 妻面のリブが6本になっている

50周年記念塗装は2009年にコンテナ輸送が開始されてから50年になることを記念して50個に施された国鉄コンテナ風の塗装でC10のような黄緑地色に黒表記になっている。また京都鉄道博物館に展示用でこの塗装が施されたコンテナが1個置かれている。TOMIXから5両分25個入りの限定品セットとイベント限定品の1両5個入りが5回分で50個全て出されている他に3個入り単品販売がされている。
また京都鉄道博物館に展示されている19D-28901が博物館ロゴ入りコンテナと共にコム1(コム2014-12,番号は会館年月)とセットで販売されている。
僅か50個だけの存在だが不思議なことに見かける時は1日に3個見かけたりする。

TOMIX製の単品発売版 見出し画像の33690と2番違いの19D-33692

19Fコンテナ

19F-782 単品製品とは異なる0番台の方でキャッチコピーは貼られてない
19F-6677 製品化されているのはこちらの5000番台 ただし写真とは違い金具は2つのタイプ

使用年代:1999~2018
19Fコンテナは従来使っていた国鉄コンテナや18Aと18Cの置き換え用に製造されたL字型コンテナで4925個が製造された。0番台と5000番台が存在し0番台と5000番台の初期製造個体は側面ドアの金具が2つ、5000番台は途中から3つになっている。また、5000番台のみキャッチコピーが貼られている。
2018年に19Dや19G,20Gへの置換により全廃になる。
TOMIXからエコレールマークが貼られるまでの5000番台の内、金具が2つのタイプが番号違いの3個入りで発売されている。
この他に限定品の8554列車セットの中に0番台と5000番台が入っている。
こちらは金具が2つの0番台が再現されているが、5000番台も同様の金型で製作されているので金具が3つになった以降の番号でも2つになっている。

19Fの0番台と5000番台 同じ金型を使っているので金具の数が同じになっている

19Gコンテナ

19G-1606と10432 右下のコンテナ荷票に違いがあるのが判る

使用年代 旧塗装:2001~現在/新塗装:2014~現在
19Gコンテナは19Fコンテナと同様のL字型二方開きコンテナで19Fに船舶用のツイストロックを下方四隅に取り付け、上部四隅にクレーン用隅金具を付けた改良型コンテナで18602個が製造された。
旧塗装は大まかに0番台と15000番台以降に分けられ妻面のリブが0番台は7本、15000番台以降は6本になっている。
新塗装は2014年に製造された18500番台以降は19Dと同様のJRマークと小型のJR貨物のみ記載された新塗装に改められた。
また、初期製造個体の一部はリニューアル工事が行われ小型のJRFマークが右上に書かれている。
背高の20Gが登場した為に初期製造個体などは廃棄されたり死重用のZDに改造されている。

19Fと同じ金型のTOMIX製旧塗装とKATO製の新塗装
KATO製のは側面ドア取手が無くなった番号の個体が再現されている

旧塗装はTOMIXからエコレールマークが貼られるまでの形態でコキ107とのセットで番号違いの5個入りが発売されていた他、8554列車セットに3個積載されている。ただし、これらは19Fと同じ金型を使っているのでツイストロックや隅金具は再現されていない。
マイクロエースからはコキ71+コキ50000のセットに含まれていて、エコレールマークが貼られるまでの形態になっており、こちらはツイストロックや隅金具の再現がされているがフォークポケットの形状が実物とは異なっている。

19G-20850 側面中央の取手が無くなっている

新塗装はKATOから番号違いの5個入りで製品化されている。
この新塗装は19000番台の途中から側面ドア中央の取っ手が無くなっている。KATO製はこの違いが再現されている。

19G-18926 上の写真と比べると判るがこちらは中央に取手が付いてる

リニューアル工事を受けた個体は2024年現在製品化されていない。

19G-16823 19Dと同様にリニューアルされた個体は製品化されていない

20Bコンテナ

使用年代:1998~2022
20Bコンテナは側面と妻面片方の三方開き背高コンテナで224個製造され0番台と1000番台が存在する。右上に小型のJRFマークが付き最上部に白い帯が付けられ高さ方面が規格外であることを示すハローマークが付けられている。現在使われているコキ100系よりも床面高さが高く建築限界に抵触するコキ50000系がまだ存続していた時代の背高コンテナである為にハローマークの上に「コキ100系貨車限定」の文字が書かれている。船舶用金具の無い1000番台はこれに加えて「又は第一積載限界適用」の文字が追加されている。
ただし、建築限界に余裕がある幹線ではコキ50000系にも積載されていた。
KATOから0番台がエコレールマークが貼られる2007年度までの姿で異なる番号の5個入りで発売されている。

20B-1 エコレールマークが貼られるまでの時代 コンテナ荷票差しが2つなのは0番台の特徴

20Cコンテナ

20C-373 エコレールマークが左下に貼られた後の姿

使用年代:2002~現在
20Cコンテナは側面二方開きの背高コンテナで500個が製造された。
塗装は20Bとほぼ同じだがキャッチコピーがJRFマークの下に貼られており、限定積載を示す表記も「コキ50000積載禁止」になっている。
TOMIXと朗堂からエコレールマークが貼られる2007年度までの姿で異なる番号の3個入りで発売されている。

20Dコンテナ

20D-73 2006年製造の個体 左にキャッチコピーが貼られている

使用年代 旧塗装:2006~現在/新塗装:2018~

20Dは妻面に簡易通風機構を装備した側面二方開きの背高コンテナで現在も増備中のコンテナである。ただし、簡易通風機構は新塗装になる1000番台からは装備されていない。2023年度までに11850個が製造されているが初期のものはアスベストを含んでいるために最新型の増備に伴い解体されている。
旧塗装は20Bや20CよりもJRFマークが大型になっており「コキ50000積載禁止」表示がハローマークの上に移動している。
旧塗装は対象にしている4社からは発売されていないがプラモデルメーカーのアオシマから3個入りで発売されている。

20D-9248と3840 途中増備分からドアの中央上部分が途切れている

新塗装は2018年にコキ50000系の運用終了に伴い建築限界制限がなくなった事で19Dの後継として主力になった20Dが増備されることになった。
この時製造された1000番台からこの塗装に改められた。
19Dや19Gの新塗装と同じく小型のJRマークとJR貨物が右上に貼られている他に、背高コンテナを示す上部の白ラインとハローマークが貼られている。
また旧塗装にあった積載禁止表記はコキ50000の運用終了に伴い新塗装では削除されている。
この白ラインは2019年増備分から妻面のラインが省略されており、
続いて2021年増備分から側面ドア中央部も省略されるようになった。
2022年からは重量制限装置を備えた10000番台が増備され始めた。

20D-1941 初期製造の個体は全面に白ラインが書かれていた
20D-4898 側面ドアは変わりないが妻面の白ラインが省略された
20D-10040 外観に変化はないが重量制限装置がついている

TOMIXから初期の全面に白ラインが入っている1000番台が単品で3個入りとEF210スターターセットに同梱されている。
妻面ラインと側面中央部のラインが消えた2021年以降増備タイプがTOMIXのコンテナ列車増結セットに3個入り、KATOから単品5個入りで発売されている。
2019年度増備の妻面のみ白ラインが省略された個体は製品化されていない。

左からTOMIX製初期個体,KATO製後期個体,TOMIX製後期個体

20Eコンテナ

20E-44と141 後の20Gと同じ見た目をしている。

使用年代:2014~現在
20EコンテナはL字型二方開き背高コンテナとして150個が製造された。
19G新塗装をそのまま背高にしたような形状をしている。
ただし、背高L字コンテナは20Gに量産体制が移行した為にこの形式は150個で打ち切りになった。
TOMIXからEF510-0コンテナ列車セットに3個が同梱されている。

20E-131と20G-1371 扉が無い側も造りは20Gと同じだが
ハローマークの位置が20Eは少し右に寄っている

20Gコンテナ

2018年製 20G-964 妻面方向にも白ラインが入っている

使用年代:2018~現在

20Gコンテナは2018年にコキ50000系の運用終了に伴い建築限界制限がなくなった事で19Gの後継コンテナとして20Eに代わり製造されることになった。
現在も製造中で2023年時点で6800個が製造されている。
見た目は20Eとほぼ変わらないが20D新塗装と同様に製造年度によって上部の白ラインに省略が生じている。
2022年度より重量制限装置付きの10000番台に移行している。

2019年製 20G-1601 妻面に白ラインが入らなくなった
2018年製 20G-1322 側面上部の白ラインは繋がっている
2021年製 20G-2416 側面中央上部のラインが省略された

TOMIXから全方向に白ラインが書かれている2018年製が2個、妻面の白ラインが省略された2019年製が1個の3個入り単品販売と、EF510-0コンテナ列車セットに側面中央上部が省略された2021年製が3個同梱されている。

TOMIX製の単品版 2018年製(左)と2019年製(右)の違いが再現されている

V19Bコンテナ

V19B-5125 隣のV19Cと似ているが側面右側に妻面扉がある為にV19Cより厚くなっている

使用年代:2003~現在

V19BコンテナはV18AとV18Bの置換を目的に製造されたL字二方開き通風コンテナで5700個が製造された。
0番台と5000番台が存在し僅かに表記類の位置に差がある。
通風機構はシャッター付きで閉めて19Gなどのドライコンテナと同様に使うことも可能。

V19B-2115 東急車輛製造 内容積表記が番号の下に書かれている
V19B-2928 CIMC製のV19Bは東急車輛製と比べると荷票差しとヒンジの位置が異なっている。

TOMIXからベンチレータが閉まっている状態の5000番台が3個入りで発売されている。
ちなみにホームページでは「7000個程度製造され」と書かれているが全て合わせても届いていない。V19Cも製品が発売された2011年時点で5000個程度しか製造されていない。(V19Cが7000個に到達したのは2013年度)
果たして何と間違えたのだろうか…

V19Bの全周 7000番があるが0番台に欠番があるので7000個以上製造された訳ではない

V19Cコンテナ

V19C-131 左の20Dコンテナを見てもらうと判るが近年でも現役である

使用年代 旧塗装:2006~現在/新塗装:2015~現在

V19Cコンテナは19Dと同様の側面二方開きの通風コンテナで2023年度時点で9500個が製造されている。
2006年から製造されている0番台、2013年からV19Aの置換用に製造された屋根上にリブが追加された7000番台、2015年からは他の19シリーズ同様に塗装が簡略化された新塗装、2022年より重量制限装置を搭載した11000番台が製造されている。
80000番台は2011年の東日本大震災にて損害を受けたV19Cの補完用に製造された。

V19C-7054 金網と上のコンテナの脚で見えにくいが黄色矢印の所にリブがある
V19C-3431 0番台は屋根上にリブが無い

0番台,7000番台,80000番台の旧塗装はV19Bと同じくJRFが真中に来ているがV19Bと異なり左上にキャッチコピーが貼られている。
TOMIXからリブが無い0番台が3個入りの旧製品と5個入りの新製品で発売されている。
80000番台とリブの付いた7000番台は製品化されていない。

V19C-80010 内容積の表記が無いのとコンテナ荷票差しが2つになっている
V19C-8868 旧塗装ではあまり貼られていないエコレールマークが左側に追加された

2015年度に製造された個体はJRマークと形式番号とエコレールマーク以外の表記類が省略された新塗装に移行した。
2021年度に初期製造の個体やV19Bの置換用に6年振りに製造された。
2015年製と殆ど同じだが19G新塗装個体と同じように側面ドア中央の取手が無くなっているのと側面両脇のドアストッパーが下側から中央付近に移動しているので区別は可能である。
2022年度より重量制限装置付きの11000番台が製造され始めた。

2021年製造のV19C-9291 ドアストッパーの位置が下から中央付近に移動している
V19C-11465 重量制限装置が搭載された11000番台 外観は2021年製に準拠している

TOMIXから2015年度製の個体が異なる番号の3個入りで製品化されている。
ただし、旧塗装と同じ金型を使用している為か実物では1個のコンテナ荷票差しが3個になっている。

左からTOMIX製旧塗装旧製品,旧塗装新製品,新塗装
新塗装の屋根上にリブが無いのは金型共有の都合によるものだろう

W18Dコンテナ

使用年代:2001~2013
W18Dコンテナは18Dコンテナが19シリーズに置き換えられ余剰になった事から、使用済み商品や産業廃棄物などの静脈輸送にて臭いや汚れが動脈輸送品に影響しないように専用のコンテナとして改造された形式。基本的には元の18Dと同じだが形式番号に「W」を付け、黄色の丸に「環」の字が書かれたステッカーが貼られている。
朗堂から異なる番号の3個入りが発売されているが、18Dの所で説明した通り、コンテナ荷票差しが実物と異なる位置にある。

W19Dコンテナ

W19D-25620 丸環ステッカーの貼り付けとWを付け加えた以外は19D時代と同じ

使用年代:2010~
W19Dコンテナは19Dコンテナが新型の増備で余剰になり静脈輸送に使われているW18Dを置き換える為に改造された形式である。
基本的にはW18Dと同様の変更がされている。
朗堂から0番台改造の個体が異なる番号の3個入りで発売されているが、W18Dと同じ金型なので実物と異なる位置にコンテナ荷票差しが付いている。

実物にないコンテナ荷票差しがエコレールマークに被っているので割と目立つ

W18Fコンテナ

使用年代:2008~現在
W18Fは廃棄予定のPCB(ポリ塩化ビフェニル)を北関東,甲信越,東北,北陸地域から北海道の室蘭にある北海道PCB処理事業所へ輸送するためのコンテナで全部で10個のみの存在である。
19Dの塗装を反転させた白地にワインレッドでJRFマークが書かれた特徴的な見た目をしている。
TOMIXからコキ107とセットで10個全てが入った限定品が発売されていた。

以上が国鉄及びJR貨物所有のコンテナの内製品化されているコンテナになります。
当初は私有コンテナや他のサイズのも含めて紹介しようと考えていたのですが、あまりの数に途中で分割することになりました。
あくまで、執筆時点で製品化されているか、製品化が予定されているコンテナの紹介なので実際に使用されていても製品化されていないコンテナはまだあります。
もし今後製品化されたならばその時に更新します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?