【小ネタ】ハッピー・ホームウェイ・パラダイスはあつまれオモダカの森?
注意
ポケットモンスターSVとどうぶつの森のネタバレと、人によっては嫌な異作品の関係性の指摘があります。
ポケットモンスター世界では元々ユンゲラーが超能力少年であったりする都市伝説のような話が公的っぽい図鑑にまで乗るような世界ではあったが、今作では人間とポケモンが最初は同じで、今もポケモンが人に、人がポケモンになるような描写が今作ではやけに強調され、やや現実味を帯びてきた。
それであれば、エレファント・イン・ザ・ルームという現象のように、あまりにもそのまま過ぎて逆に誰も気にならない、キラフロリーな髪型のオモダカもまたド直球にキラフロル型のヒューマノイドだったりするのだろうか。まあポケモンリーグの長にポケモン人間がいてもおかしくはないし、生態系を守る側にいるのであればポケモンたちの死活問題であるし、よくわかる。
別の記事にも書くが、キラフロルはモチーフがカルカンサイトであるとされることから、パルデア地方の鉱業の歴史と相まって暗に皮肉な存在として描かれている可能性が高く、ポケモンリーグの長から生態系を保全する立場にそういった存在がいるとすると意外と辻褄が合う。だいたいポケモンだからどうと言うのは差別的である(ポケ権過激派)。
そしてその説を採るならば人間の過ちで生じた存在が人間のトップにいるということになり、「ポケモンと人間が手を携えた」時から思ったより深く、それぞれの社会が融合するレベルで絡んでいたりするのか?と言った疑問も生じる。
で、そういった観点から見ると本当に何故だか分からないが「あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス」とそこそこの共通点が出てきてしまって若干困惑するのである。
「あつまれ どうぶつの森」はどうぶつの森シリーズの最新作であり、ある島に引っ越してきた唯一のホモ・サピエンス的な人間である主人公は、たぬきちと名乗るたぬき人間と多額の金銭のやり取りをしながら島を発展させていく。
島に生息する魚や虫の採集と売買は島の生活に直結するので、下手をするとポケモン世界より生き物をゲットし続ける必要があったりするなど、環境倫理への疑問もやる事も尽きない名作中の名作である。
そんな中で何故か毎日生じる地面のひび割れを掘り返して化石を収集し、フータと名乗るふくろう人間が取り仕切る博物館に寄贈するという業務がある。集積される化石は古生代から新生代のものまで多岐に渡り、趣向を凝らしたレイアウトで展示され、このハイクオリティな演出は国内外から圧倒的評価を得ている。
そしてその博物館で、この一見ほんわかした世界観においては少々ショッキングな展示がある。デフォルメが全く無い化石という「死」の直球表現もまた凄いが、例えば「新生代のゾウの化石」の置き場の床からラインが引かれ、あつ森に登場するゾウ人間の種族のシルエットに繋がるという表現がされる。
つまりどうぶつの森として公式的にゾウからゾウ人間に進化した設定があるということなのである。ゾウだけでなく登場のどうぶつ人間のほぼ全てのシルエットが描かれ、それぞれの先祖の化石と繋がれているので、彼らはそれぞれの動物の形を少し残したままどうぶつヒューマノイドに「進化」して今の世界に至ったということが明かされたのである。
で、追加DLC「ハッピーホームパラダイス」では主人公が住む島とは離れたリゾート地の島でどうぶつ達の別荘を作ってあげるというやけにリッチな内容で、これもまた一度はじめると熱中してしまうが、そんなリゾート地の小高い場所に本当にひっそりとあり、何も語られない場所がある。昼間でもヒカリゴケが異常量生えた場所にアーチ構造を備えた古代遺跡があるのである。
また、ヒカリゴケと石で作る(再現している?)ことの出来る「ヒカリゴケのせきぞう」には動物からどうぶつ人間へ至る途中のようなずんぐりとした生き物が現される。そしてスペイン人到達前の南米の王のような、もしくは欧米到達前のポリネシアの王のような格好をしている。何度も言うが、それなのにこの遺跡には本当に何も言及されないまま、k.k. a.k.a. とたけけと呼ばれるイヌ人間が屋外ライヴをぶち上げてエンディングを迎える。
一体何なのか、パルデアで鍛えたOカルチャーパワーを発揮すれば答えは簡単である。博物館の演出でもそうだが、今作では少しだけどうぶつたちがいま・ここにいる経緯を明かしたということなのだろう。
しかし、そこで意味がわからないのが「ヒカリゴケ」なのである。コライドンおよびミライドンとの出会い、結晶体が絡んでいると思われるひでんスパイスの洞窟、ポケモンにも進化や古代の秘密に関わりそうな場面でヒカリゴケ、そして各地ではほぼ同型の青銅器時代のような遺跡に出会うことになる。
「遺跡」まではわからないでもないが、何故、ポケモンとあつ森で「進化」を描くための要素を被らせるのか。オモダカも結晶体の力でそういった主人公らが往くハッピーなザ・ホームウェイの果てのパラダイス(楽園)でヒューマノイドに進化したキラフロル人間で、本題はあつまれパルデアの大穴だったのだろうか(意味不明)。
まあドンキーコングからスマッシュブラザーズまで、任天堂は昔からクロスオーバーはやってきているので、本当に共通した意図があるならばそのお遊びの系譜なのかもしれない。
でも、任天堂の紡ぐ部分の世界線の枝分かれの初めの方でアルセウスではないどうぶつたちを生んだ存在がゆるっとした感じでどこかに君臨しているとしたらちょっといいなと思う(ダメな人はダメそう)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?