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YHA で目覚めたらとんでもないことになった。

Perthは美しい街として知られている。なんでも「兼高かおる」と「世界でもっとも美しい」とか「世界で一番住みたい街」と言ったからだとか。今では枕詞みたいになっている。わたしはそれをたしかめにきたのだ。

私はYHAに長期滞在していた。長期滞在者は二段ベッドの下と相場は決まっている。完璧なまでに心地よい空間をドミトリーに 作る。私はその宿でフリアコ(宿代をタダにしてもらうかわりに働くこと)をしていた。

ある日、30代後半くらいの女性が私の上のベッドにやってきた。もちろんこれは毎日のこと、上に誰がいようと私はぐっすり眠る。フリアコの朝は早いのだ。

私は、夢を見た。夢の中で私は銃をもっていた。そこへ「ドーン」と音がして、私は目覚めた。

上の女性が床で血まみれになっている。

しまった。思わず「きゃあ!」と叫ぶ私。銃で撃っちゃったんだ!と思い。思わずレセプションに走る。走ると頭も覚めてきた。

そうか。上の人が落ちてきたんだ。走ってる方向は間違っていない。レセプションについた私は、カタコトの英語で「女が落ちた。血まみれ。」と言った。(いいんだよ。通じたんだから。)

部屋にもどると彼女はショックで震えていた。あごを扇風機の角で切ったみたいだった。顎からよく血が出たもんだから、白いシャツが真っ赤に染まったというわけだ。(撃たれたかと思ったよ。)

びっくりしたけど生きててくれてよかった。レセプションに走ったお陰で、心優しい、他のベッドの下段の人が彼女とベッドを変わってくれていた。

お陰で下段を死守できたよ。優しい旅人よありがとう。きっといいことあるよ。いい旅しててね。

恋の街パース

さて、人が上から落ちてきましたが、兼高かおるはおそらくこの街で恋に落ちていたのではと私は考えた。パースは確かに美しい街だけれど、他にも美しい街は存在する。なぜ、彼女はPerthが世界一美しいとか、世界一住みたいと発言されたのには、他にも理由があるのではないか?

パースは別名、「恋の街」だとか「出逢いの街」と言われる。(これは何人もの旅人に聞いた話しで、ガイドブックには書いていない。)

これは、パースは「世界一孤立した街」でもあることも理由の一つかもしれない。長期滞在する人が自然と増える。それとこれは関係ないかもしれないが、「日当たりが世界一?」の称号もあるらしい。お天気いいから恋したっていいよね?

実際、恋に落ちている人ばかり出会ったのは確かだけど、あの時、特殊な磁場が、存在したのかもしれない(これは妄想)


いい出逢いがありますように。(今のうちにお金を貯めて旅の準備をしよう。)

赤 和歌子でした

とんでもないことでございます。