菊花賞
先週の秋華賞に続き、牡馬クラッシック最終戦。皐月賞馬とダービー馬の対決は皐月賞馬エアシャカールが制した2000年以来とのことです。なんだかもっとあったようにも思えますが、そんなに珍しいものなのですね。
ともかく、役者に不足はないということです。(フルゲートではないんですけどね…)いざ、この世代の「もっとも強い馬」が誰なのかを見届けるとしましょう。
レース予想
まずはこの菊花賞という特殊な舞台について考えていきましょう。
ご存じの通りイギリス競馬を手本に整備された日本競馬のクラッシック路線において菊花賞は同国の長距離適性を審査する競争、セントレジャーSを範にとり創設されました。そのため多くの方が、菊花賞といえばスタミナと連想することでしょう。
当然、3歳馬が3000mという長距離を走るわけですから、その過酷さゆえにスタミナが必要なことに間違いはありません。しかし、春天ではなく、三歳牡馬クラッシックの最終戦だからこそ、スピードも必要になるというのが菊花賞というレースだと考えています。
というのも、3歳のまだまだ未熟な馬たちにとって、3000mは未知の距離です。クラッシック路線を進む馬は、いずれもダービーに向けた配合や調教がなされてきた訳で、走る馬のほとんどが3000mだから出馬するのではなく、クラッシック三冠最終戦だから出馬するというのがほとんどです。
従って、どの馬もスタミナを温存させようと、スロースローと足を溜める競馬をし、結果として日本競馬らしく末脚勝負になるというのがこのレースが特殊と呼ばれる所以です。もちろん、圧をかけてこない後続を無視して逃げれる馬がいればこれ程走りやすい舞台はないのですが、タイトルホルダーほどの心肺機能と落ち着いた精神がなければ、3歳馬には厳しいでしょう。
余談ですが、こうした総合力を求められるからこそ菊花賞は「もっとも強い馬が勝つ」と言われているのでしょう。
馬券組み
さて、ここまで考えてきた菊花賞の舞台設定の特殊性から、私はスタミナとスピードを兼ね備えた馬から選んでいきたいと思います。印は以下の通りになりました
◎ソールオリエンス
〇ドゥレッツァ
▲ナイトインロンドン
◎ソールオリエンス
この世代で最も強い馬は彼で間違いないですが、絶対的と呼べるほどの存在ではないというのが現状でしょう。なにかしらの不利を受けると負けてしまう、そういった馬です。今年のリバティアイランドに例えられるように、一つや二つの不利なんて跳ね飛ばすのが名馬の器というものです。
現状のソールオリエンスに言えることとして、明らかに高速馬場の高速上がり勝負は得意じゃないということです。母父のMotivatorが良い意味でも悪い意味でも影響していて、キレ味が要求される高速馬場だと脆さが出ます。
本命にしておいてネガティブなことばかり書いていますが、評価はしています。延長ローテで挑めることはしっかりと足を溜められるこの馬にとってプラスに働くでしょうし、皐月で好走し、ダービーで敗れるあたり、同様の戦績で菊花賞を制した父キタサンブラックの影を見を見て取れます。
なにより、最も強い馬が勝つのが菊花賞です。彼の強さを信じつつ、脆さも考慮した馬券組みにしようと思います。
〇ドゥレッツァ
未勝利戦でサトノグランツを差し切っている馬なので、ここでもヒケは取らない存在だと思います。しかもサトノグランツが得意な瞬発力勝負で勝っているというのが彼の強さを裏付けています。2勝、3勝クラスの勝ちは優秀で上がり勝負なら上位は必至です。距離延長も2回やって2回とも勝っています。母のモアザンセイクリッドがニュージーランドのオークス馬なので、延長ローテが得意というのも納得できます。この人気であっても、十分勝ち負けあるでしょう。
▲ナイトインロンドン
出馬表が発表されたとき、真っ先に印を打った馬です。彼は強いです。この人気で買えるのであれば積極的に狙っていきたい一頭です。ディープ色の強いナイトインロンドン産駒で、母父に言わずと知れた菊花賞馬、メジロマックイーンがかけられています。スピード×スタミナのいかにもな菊花賞血統です。
未勝利を勝つまでに時間がかかって、延長ローテで走って、キレ味勝負ではあっさり負ける。グレーターロンドン産駒は距離延長で好走する傾向がかなり強いですし、母父のメジロマックイーンも距離延長種牡馬です。
高速馬場での上り勝負となると厳しさがありますが、それは本命ソールオリエンスと同じなので、好走するときは一緒に来るでしょうし無視してよい要素でしょう。
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