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本づくりの始まり〜初めての本づくり その1〜

ある本の在庫がなくなる、という現実を目前にして、今年4月くらいから急に、人生で初めて、本を作るということが始まりました。

本は好きだけれど、作るということに関しては全く無知なただのダンサーでしたのに、この本は必要だと思って、作ります!と手を上げてしまいました。
大小田さくら子さんの『やまとかたり あめつちのはじめ』という本です。

2011年の震災があった数ヶ月後、古事記の朗誦をする大小田さんと出会い、その声にビビビッと何かが繋がったメンバーが集って、葉山の友人宅で週に2回の勢いで開催されたやまとかたりの会。
そこで、どうしたら良いかわからない色んな状況やそれにともなう感情と闘いながら、祝詞と古事記をひたすら読み唱え続けたのでした。
震災の後、もしかして日本にいられなくなるかも知れない、その時に何か少しでも日本文化を持っていかねばと、着物の着付けを習ったり、小唄を習いに行ったり、模索していた日々。
そんな中、大小田さくら子さんの声を聞いて、日本語(やまとことば)の響きの美しさに衝撃を受け、日本の神話について何も知らなかった事に気づき、とにかく日本の言葉を読む、大きな声で読む、という行為を自分でもやりたいと思った、それは魂が欲していたことなのかも知れません。
その会が、葉山から鎌倉、少しお休み期間もありましたが、現在は横須賀でかれこれ11年も続いています。

もともと古事記は、やまとことばをどうにか漢文に書き換えた変体漢文で書かれているそうですが、長い間、日の目を見ることはありませんでした。
江戸時代後期に、医師でもあり国学者だった本居宣長が、古本屋でみつけたその古事記を、半生をかけて読めるものとして完成させたのが『古事記伝』、その『古事記伝』に振られたルビの片仮名を古訓と言うそうで、『古訓古事記』になって初めて私達がよめる段階になりました。
そこから仮名まじり文に書き下したものが、岩波文庫の幸田成友『古事記』(通称、<幸田本>)です。大小田さんが朗誦する古事記も、<幸田本>に概ねしたがっています。

で、大小田さんが2010年に作られたのが『やまとかたり あめつちのはじめ』CD付本です。

大小田さくら子
『やまとかたり あめつちのはじめ』冬花社 2010
『やまとかたり いづものくに』冬花社 2014

2014年には『やまとかたり いづものくに』も出版されています。

1冊目の『やまとかたり あめつちのはじめ』は、出版元やAmazonでも在庫がなく絶版寸前です。
しかし、やまとかたりの講座に初めて参加する方の為にコピーして活用している本なので、今後も必要になるだろうし、これは誰かが作らなければという思いが湧いてきました。

そこで、やまとかたりの会を自身のスタジオで開催している私が、初めての本作りに突入することになりました。

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